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コンデンサ交換修理の入門知識メモと資料まとめ

修理 (5)

PC電源やマザーボード、モニタなど、PC周りの故障の原因で特に多いのが「コンデンサの故障」です。半田付けに必要な道具と代わりのコンデンサさえあれば比較的簡単に修理ができるので、自分で修理する人も多いかと思います。今回これに関連してこのあたりあまり詳しくない自分がいろいろ調べてみたので、分かったことをまとめておきます。

上手に半田付けする方法的な話は扱いません。コンデンサの選び方を中心に説明します。

コンデンサにもいろいろある

「コンデンサ交換」と言えば、「円柱状のパーツ」を思い浮かべる人が多いかなーと思います。しかし、「コンデンサ」と言った場合、もっと違う形のコンデンサがいろいろあります

そのうち、「円柱型で比較的大きく、上部に切れ込みが入っているコンデンサ」は「アルミ電解コンデンサ(別名:ケミカルコンデンサ・ケミコン)」と呼ばれます。そして、このアルミ電解コンデンサこそが壊れやすいコンデンサです。つまり、「コンデンサ交換」で「円柱状のパーツ」をイメージするのはある意味正しいと言えます。

壊れやすいから上部に切れ込みがある

上部に切れ込みがあるのが特徴ですが、これは圧力弁と呼ばれ、破裂を防ぎ、液漏れで済ませる効果があります。つまり、壊れやすさの表れです。というのも、アルミ電解コンデンサは内部に液体が使われており、使用時の熱により内部にガスが発生し、劣化して故障してしまうのです(故障には他にもいろいろな原因があります Fig-18参照)。

一方、同じ円中型でも、圧力弁の無い固体アルミ電解コンデンサというものもありますが、こちらは高価な分故障もしにくく、内部に液体が使われておらずガスも溜まらないため、まず交換作業の対象になりません。

壊れやすいのは電源部分のコンデンサ

さて、故障したパーツの基板を眺めて故障したコンデンサを探すことになるのですが、このとき、先ほど説明した理由から、上部が液漏れしていたり、膨らんでいるコンデンサを探します

このとき、電源部分のコンデンサが故障しやすいという特徴があり、交換作業時のポイントになります。

例えば、PC用液晶モニタを分解すると、電源部分の基板と制御用の基板と分かれています。このとき、コンデンサの故障を疑うべきは電源側の基板です。

じゃぁどうして電源側が壊れやすいのか、という疑問には、リプル電流という要素が大きく関わっています。

「リプル電流」を知る

「電源」は、コンセントから供給される交流を直流に変換する部分です。「コンデンサ」は何のために使われるかというと、変換後の直流に含まれる「リプル電流」を除去するために使われます

交流からの変換直後の直流は、電圧が周期的に上下する、波打った状態になっています。この上下幅を引き起こす成分のことが「リプル(電流)」と呼ばれ、コンデンサは、この波形を平らにしようとしてくれるわけです。

しかし、このときリプル電流は交流成分であるためコンデンサの内部抵抗(ESR)に流れることになります。そして、この内部抵抗を流れることにより、発熱が発生します。つまり、ESRが大きいと発熱が大きいのですが、アルミ電解コンデンサはそもそもESRが大きく、発熱しやすい→壊れやすいという背景があるのです。

よく、「低ESRコンデンサ」というものが売っていますが、これは内部抵抗が小さく発熱しにくい、多くのリプル電流を流しても大丈夫なコンデンサであると言えます。

電源用のコンデンサ選びでは、電圧・容量に加えて「定格リプル電流」もチェック

以上から、壊れやすいのは電源周りのコンデンサで、電源周りで使うコンデンサを選ぶ際には、このリプル電流に対する耐久力を調べる必要があるとわかります。

この指標となるのが「定格リプル電流」です。コンデンサは、この値までのリプル電流を想定して作られている、というわけです(アルミニウム電解コンデンサのご使用上の注意事項)。流れるリプル電流に余裕がある定格リプル電流が定められたコンデンサを購入する必要があります。

ここで、「どれくらいのリプル電流が流れるかなんてわからないよ」と思うのですが、まぁそれが分からなくても、故障したコンデンサの定格リプル電流が参考になります。定格リプル電流がその値より大きいコンデンサを購入すれば良いわけです。

コンデンサを購入する際、データシートを見ると定格リプル電流についての記載があります。たとえば、PCモニタの電源部分に使われていた日本ケミカルのアルミ電解コンデンサのデータシートを見てみると、定格リプル電流が記載されているのが分かると思います。こんな感じで、購入時には定格リプル電流もセットでチェックしましょう(電源部分に電源用でないなどの、リプルに耐えられないコンデンサを使うと、寿命が極端に短くなったり、)。

まとめ

ほとんど「リプル電流」の概要説明になってしまいましたが、「壊れやすいのは電源周り」→「電源周りは、分かりやすい電圧・容量の数値に加えて、定格リプル電流のことも考えてあげないと危険」というわけで、コンデンサ交換するならリプル電流のことをしっておいたほうが良さそうだったからです。

まぁ、あれですよね、それでも基本は無理して交換しない、です。

他にもいろいろなすばらしい資料がたくさんあるので、リンクしておきます。特に、いろいろな企業が解説資料を用意してくれていることには驚きました。

参考資料

参考資料をあげておきます。

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