情報科学屋さんを目指す人のメモ

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メルカリに謎の「○○様専用」が大量出品される背景とその周辺事情

メルカリ (38) メルカリ-トラブル (1) メルカリ-文化シリーズ (6)

メルカリには「専用出品」という文化があります。

大量に出品されている、「○○様専用」という名前の謎の商品たちが、その「専用出品」文化が生み出したものの代表です。

そんな「専用出品」という文化そのものや、「専用出品」文化と真っ向から対立する「横取り」文化との攻防について、ここで解説したいと思います。

mercari-senyou-example

「専用出品」文化は、メルカリにおいて、かなり大きな存在になっています。

メルカリの出品名に並ぶ「専用」の文字の謎

メルカリで商品を検索したり、新着出品を眺めていると、「専用」や「○○様専用」といった言葉の入った商品名に多数遭遇します。

あえてこちらから「様専用」で検索してみると、こんな感じの検索結果画面が作れます:

mercari-senyou-search-results

「○○様専用」という商品名になっているだけで、何を売っているのかよくわからない出品もあったりします。

「専用出品」とは

このような、「専用」となっている出品ことを「専用出品」と呼びます。

これ自体の意味は簡単で、「この出品は、○○さん専用です」という意味です。

「意図を知っている相手」に向けた出品なので、商品説明が説明不足であることも多いのですが、とりあえず「買うなよ」ということは書いてあったりします。

mercari-senyou-example-details

専用出品の「背景」と「その後」に注目

意味を知って「へぇ、そうなんだ」でもいいのですが、面白いと思うのは、「どういう流れで専用出品が作られるのか」や、「専用出品のその後」です。

「専用出品」の利用目的はいろいろ

実は、メルカリで「専用出品」を行うのには様々な背景があります。

今回は、主要な2パターンを紹介します(今回紹介する他には、「取り置きのため」なんてのがあります)

パターン1:交渉の場所を分離する

まず一つ目が、値段交渉やセット割引き交渉などを、買い手と1対1で交渉したいといった場合に、もともとの出品から枝分かれするように、新しく「専用出品」を作るケースです。

このパターンでは、よく商品説明に「コメントを頂ければ、専用ページ作ります」と書かれています。

そして、その専用出品のところで交渉が行われます。

mercari-senyou-example-comments

そして、合意に至ったら購入する、という流れです。

パターン2:メルカリの取引(売買)システムに載っかる

特に興味深いのが、メルカリの取引(売買)システムだけを利用するために「専用出品」を作成するというこちらのパターンです。

「メルカリ」のシステムは、「売る人と買う人のマッチング(出品&商品検索)」という側面(買うと決める前)と、「取引システム(支払・配送関連など)」という側面(買うと決めた後)に分けて考えることができます。

このうちの、「取引(売買)システム」だけを使おうとする売り手が行う「専用出品」がこのパターンにあたります。

つまり、売る人と買う人とのマッチングはもう別の場所で済ませてしまっているわけです。

具体例1

どういうことか。

「専用出品」に至る具体例を紹介します。

例えば、次のが分かりやすいです。

Twitterで商品が紹介されていて、購入希望を出しています

これに対して、売り手が、「専用出品」を行います

つまり、買い手と売り手のマッチングはTwitterで行われ、売買の部分だけを素早くメルカリで済ませるという利用方法です。

出品しないと「売買システム」を利用できないため、「専用」という形で出品しているわけです。

具体例2

もう一つ、売り手側がメルカリでの取引を前提にして買い手を募集しているような具体例を紹介します。

↑ダビング?したDVDを売ってくれるそうです。

↑アイドルグッズ系です。

↑もはやメルカリが単なる送金手段になっています↓

このあたりについては、次の記事を読んでください。メルカリよりももっと進んで普及している送金手段があります

信頼できない「支払・受け取り」をメルカリにまかせる使い方

この背景には、「『SNSなどで出会った知らない人と売買したい』と思うけど、騙されるんじゃないかが不安!」という、フリマアプリに限らない「個人間売買の困りごと」の存在があります。

そして、その売買に伴う不安を手軽に解決する手段としてメルカリが利用されているというわけです。

「取引はメルカリで!」というやりとりが各種SNSで行われるのは、各種SNSには存在しない個人間売買機能を、まるっとメルカリが補っているようにも見え、そこから手数料10%ですから、とても良い立ち位置にある感じがします。

そして、「簡単・安心」方向を強化し続ける戦略が成功していると言える気もします。

「専用出品」のその後

さて、専用出品はその後どうなるのでしょう。

普通に取引がされるのであればただそれまでなのですが、(当然?)こんなことが発生します。

そうです、「メルカリ」自体に「専用出品」というシステムはないので、誰かが購入してしまう事態が発生します。これが「横取り」と言われる行為です。

売り手vs買い手

専用出品の横取りが発生すると、売り手は「キャンセルしろ、専用だぞ」となり、買い手は「金払ったぞ、送れや」となるわけで、トラブル発生です。

「いいじゃん、キャンセルしちゃえば」と思うかもしれませんが、メルカリでは、気軽にキャンセルできません

キャンセルは運営への問い合わせとなり、何より問題なのが、買い手と売り手両者の同意がないと取り合ってくれないことです(「支払を完了してくれない」「発送してくれない」は例外で、例えば支払期限が過ぎればキャンセルボタンが登場します)。

運営対応

そんなとき、仲裁に入ることがあるとすれば、それは「メルカリ運営」です。

そして、売り手が「専用って書いたのに勝手に買われました!でもキャンセルしてくれません!!」と訴えた結果は、以下のツイートのようなります。

「横取り」文化

そんなこんなで「専用出品」を潰す「横取り」という行為もかなり広まっており、「専用出品」vs「横取り」の構図がメルカリで繰り広げられています

「横取り+なりすまし」の組合せ技はだいぶ極まってます…

ユーザー側の「専用」意識の強さに、売り手が困るほどです。

「簡単」の勝利

そんなトラブルが勃発しつつも、メルカリの簡単お手軽な売買システムと、TVCM含めた知名度・信頼が、メルカリの売買基盤的な利用を増やしているんだろうなぁ、強いなぁ、と思わずにはいられません。

実は最初の例では、こんな印象的なやりとりがありました。

つまり、「メルカリでなら買います」というわけです。

そして、「売り手」は、「買い手が少ないアプリ」より、多少不便でも多少手数料が気になろうと「買い手が多いアプリ」を利用する強めの傾向があり、買い手の利便性重視なメルカリはどんどん買い手を集め、その結果売り手も集めているという流れなのかな、と感じています。

楽天のフリマアプリ「ラクマ」は、販売手数料無料なので売り手に優しいはずなのですが、人が少なく買い手が付きにくいため、敬遠されがちです。手数料10%でも売り手が売りに来るメルカリ、やはり強い

補足:利用規約

ここまでずっとちゃんと言ってきませんでしたが、「専用出品」は、明確なメルカリ利用規約違反です

第9条 商品の出品
5.特定ユーザーへの販売を意図した出品
ユーザーは、他の特定のユーザーのみを対象とする販売を意図して商品を出品することができません引用元

「専用出品」は、メルカリ内を「専用」で検索するだけで多数見つかるので、BAN自体はスムーズにできそうなのですが。。。

関連記事:メルカリ文化シリーズ

追記:個人間送金について

個人間送金には、メルカリ送金よりも強力な方法があります。詳細は次のページを読んでみてください。

コメント(1)

  1. 名無し隊員さん
    2016年3月20日(日) 23:23

    馬鹿向けのサービスには馬鹿だけが集まる。

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