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「Twitterの利用規約変更でアニメアイコンだと凍結される」「複数アカウントが禁止になる」の噂の拡散と利用規約の比較メモ

Twitter (587) 利用規約 (15)

本日2017年10月2日より、Twitter利用規約が更新されます。それに伴って、その前日10月1日より「アニメアイコンだと凍結される」という噂と「複数アカウントだと消される/サブ垢が禁止になる」という噂が大きく広まっています。

実際に、アニメアイコンを別のアイコンに変更したり、投稿画像を消したり、アカウントを閉じたりなど、一部のユーザーは対応を行い始めています。

この件について、「ここにはこう書いてあるから、全然違う」だとか「確かにそういう解釈もできるかもしれない」といったことを考えたかったのですが、噂の根拠となる利用規約がどの部分なのかがはっきり示されておらず困ってしまいました(「そんな解釈できない」を示そうと思ったら、片っ端から「誤解『しうる』」部分を指摘しないといけない)。

ひとまず、その噂の根拠として扱われそうな部分を、変更前の規約と新しい規約と見比べてみたので、その比較内容についてメモしておきます。

Twitterで広まる噂

現在、「アニメアイコンだと凍結される」などの噂が広まっています。

明らかに誤解を含んでいるツイートもあるため、その噂がどの程度確からしいのか検証したかったのですが、検証しようにも、一体利用規約のどこの部分のことを根拠にした噂なのかがはっきりしません

Twitterの利用規約では、リンク先の「ルール」などもその範囲に含まれるため、このままだとそれぞれのページのそれぞれの文章について「そういう解釈はできない」というチェックを入れていく必要があります。

また、利用規約本体以外の部分は、いつどう変更されたのかが記載されておらず、今回の規約変更の影響を受けるのかどうなのかも判別が難しい状況です。

リツイートで広まっている様子を見ると、利用規約そのものではなく、それについて紹介するブログ記事のスクリーンショットを元に広まっているツイートもあり、利用規約との対応が示されていない以上は、「書いてあるらしい」のように、ぼんやりとその噂をそのまま受け入れるのはやめた方が良さそうです

利用規約

Twitterの利用規約がどこで見れるのか分からない、という人もいるようなので、ひとまず最新の利用規約が閲覧できるページを紹介しておきます。

また、変更前の利用規約(10月1日までの規約)がこちらです:

この2つはだいぶ大きく構成が変わっており、単なる文章比較(Diff)を行ってみましたが、対応づけを手動で調整してみたものの、あまりうまく行きませんでした。

「著作権」に関する記述を見てみる

とはいうもののある程度根拠となりうる部分を探してみようと、「著作権」について言及している部分を抜き出してみました。

まず「3.本サービス上のコンテンツ」にある、次の段落です:

Twitterは他者の知的財産権を尊重しており、本サービスのユーザーも同様に他者の知的財産権を尊重されることを期待しています。当社は、予告なしで、当社独自の判断により、ユーザーに対して何らの責任を負うことなく、侵害の疑いがあるコンテンツを削除する権利を留保します。当社は、適用法に準拠し、かつ当社の著作権ポリシー(https://support.twitter.com/articles/15795)の定めに従い適切に当社に送信された、著作権侵害の申し立てに関する通知に対応します。ご自身のコンテンツが著作権を侵害する方法でコピーされたと判断される場合は、当社の著作権侵害報告フォーム(https://support.twitter.com/forms/dmca)にアクセスしていただくか、以下の当社のCopyright Agent(著作権通知窓口)まで報告をお願いします。

Twitter, Inc.
Attn: Copyright Agent
1355 Market Street, Suite 900
San Francisco, CA 94103
報告先 : https://support.twitter.com/forms/dmca
電子メール : copyright@twitter.com
引用元

ひとつ(おそらく)この段落について言及されていたのは、「今回新しく著作権通知窓口が開設されたから、アニメアイコンが通報されて、凍結させられる」という解釈です。

ただし、この窓口自体は、変更前の利用規約から掲載されていました(「9.著作権ポリシー」)。

当社は、予告なしで、かつユーザーに対して何らの責任を負うことなく、当社独自の判断により侵害の疑いのあるコンテンツを削除する権利を留保します。また、いずれかの利用者が侵害行為を繰り返していると判断した場合、当社は、適切な状況において、当該利用者のアカウントを削除します。米国デジタルミレニアム著作権法に基づき、本サービス上で発生する著作権侵害容疑の通知受付窓口は以下のとおりです
Twitter, Inc.
Attn: Copyright Agent
1355 Market Street, Suite 900
San Francisco, CA 94103
報告: https://support.twitter.com/forms/dmca
メールアドレス: copyright@twitter.com 引用元

「報告先:」や「報告:」として示されているフォームのURLも同じです。

差分として重要なのは、今まで「『米国デジタルミレニアム著作権法に基づき、』本サービス上で発生する著作権侵害容疑の通知受付窓口」と書かれていた窓口が受け付ける条件が、今回の新しい規約では「『ご自身のコンテンツが著作権を侵害する方法でコピーされたと判断される場合は』当社の著作権侵害報告フォーム」となっており、だいぶ受付条件が緩和されている点です。

米国デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の申請や受理の流れはハードルが高いものでしたが、今回の利用規約の差分を見比べる限り、ある程度は通報のハードルが(今までに比べれば多少は)下がりそうです。

ただ、ここからすぐ「アニメアイコンだと凍結させられる」と解釈するのは極端に感じます(仮に著作権侵害の疑いを通知しやすくなったとして、実際に権利者が通報するかどうかがまず問題で、どう処理されるのかも運用次第なので)。

サブ垢禁止の噂について

「複数アカウントだと消される/サブ垢が禁止になる」についてはまたこれから見てみます。利用規約ではなく、Twitterルールには、噂の元になりそうな記載がありますが、これは今回からなのか、パッと見ただけでは区別が付きません:

複数アカウントの不正利用: 同一ユーザーが重複使用を目的として複数のアカウントを作成すること、または1つのアカウントが一時的または永久凍結された場合に備えて別のアカウントを作成することを禁じます。 引用元

攻撃的な行為のひとつとして挙げられている「複数アカウントの不正利用」ですが、これが「複数アカウントの利用」ではないことや、「重複使用を目的として」という但し書きが含まれていることを考慮すると、単なる複数アカウント(使い分けなど)であれば問題ないように見えます(複数アカウントが同じ事を同時にツイートしていたりすれば「重複」のように解釈できそうですが)。

ひとこと

今回特別に注意というわけではありませんが、利用規約に関する噂の真偽を判断する際は、まず「噂の元となっている利用規約がどの部分を根拠にしているのか」が、噂に含まれているかを確認してみてください。そこでまずひとつ信憑性のチェックとなります。

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