情報科学屋さんを目指す人のメモ

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台風の避難情報メールが「Jアラートと同じ音」で鳴った原因について

Jアラート (19) SoftBank (109) au (126) docomo (266) エリアメール (30) 台風 (21) 緊急速報メール (27)

台風21号の影響で、土砂災害警戒情報や避難情報が、エリアメールや緊急速報メール経由で配信されています。

この着信音について、現在「避難勧告がJアラートと同じ音が鳴った」だったり、「台風でJアラートが鳴った」「Jアラートで避難勧告が出た」「Jアラートかと思った」などと言われています(千葉県・神戸などを中心に、受信され始めています)。

この「同じ音が鳴った」という原因について解説します。

※あまりに前提の説明(誤解を解く作業)が長くなってしまうので、誤解を含んだ用語の使い方のままで一旦説明します。

原因:「Jアラート」の着信音として「エリアメール(災害・避難情報)」の音が採用されているから

今回、台風に関する情報を配信するエリアメールが「Jアラートと同じ音が鳴った」と言われています。その影響で、「鳴った瞬間ミサイルかと思った・びっくりした・怖かった」などとも言われています。

この原因は、どちらかといえば、Jアラートの着信音側にあります。

「台風の情報(災害・避難情報)がJアラートの音で鳴った」ではなく、「Jアラートが、災害・避難情報の音で鳴った」のほうが正しい解釈です。

というのも、エリアメール側には「Jアラート専用の着信音」が用意されていません(エリアメールのほうが以前から、完全別システムとして存在していたため)

そのため、Jアラートとエリアメールが連携することになった際、着信音として既にある着信音の中から選ぶ必要がありました。

そしてJアラートは、エリアメールとして受信されたときの着信音として、「災害・避難情報が使う着信音」を利用することに決めたのです。これが、「Jアラートと同じ音」の原因です。

国民保護ポータルサイトの注意書き

このことは、内閣府の国民保護ポータルサイトのよくある質問コーナーでも紹介されています(少し違う切り口ですが):

Q19.
   ミサイル情報を伝達するエリアメール・緊急速報メールの着信音は国民保護サイレン音なのでしょうか。

A19.
   津波や火山情報などに関するエリアメール・緊急速報メールと同じ着信音です。国民保護サイレン音ではありません。ミサイル情報のエリアメール・緊急速報メールの着信音は以下のサイトをご確認ください。

   NTTドコモ エリアメール(災害・避難情報)のページ

   au 緊急速報メール(災害・避難情報)のページ

   ソフトバンク 緊急速報メール(災害・避難情報)のページ

   Yモバイル 緊急速報メール(災害・避難情報)のページ 引用元

リンク先にて、その「同じ」着信音を確認することができます。

補足:「Jアラートの音」について

Jアラートは、国から地方自治体のシステムを経由して、国民に瞬時に情報を配信するための配信システムの名前であり、それそのものに音はありません。ただし、伝達する情報や、その出口の種類(防災無線なのか、スマートフォンなのか等)ごとに音があります。

「Jアラートの音」と言った場合は、屋外スピーカーなどから発せられる「国民保護に係る警報のサイレン音」もしくは、スマホから発せられる「国民保護に関する情報(弾道ミサイルの発射情報を含む)をエリアメール・緊急速報メールで受信したときの着信音」となります。今回はスマホが鳴った話なので、後者の「エリアメール(緊急速報メール)」の着信音です(※スマホからあのサイレン音は鳴りません)。

補足:「避難情報が届いた=Jアラートが使われた」ではない

「音が同じだった」ではなく、「Jアラートが使われた」という、より直接的な表現がされている場合もあります。

確かに、Jアラートを使って、エリアメールや緊急速報メールが配信されることもあります。しかし、Jアラートを使わずとも、地方自治体は直接エリアメールを配信することができます(「緊急速報メール一括配信システム」など)。そのため、各地域の避難情報などは、Jアラート(地方自治体→国→Jアラート→エリアメールセンター→国民)は利用せずに、地方自治体が直接配信(地方自治体→エリアメールセンター→国民)しているものと思われます。

その他Jアラートについて

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参考

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