情報科学屋さんを目指す人のメモ

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「PUBG MOBILEが簡単すぎる」の背景と「botを投入しておく効果」について

Android (716) PUBG (22) iPhone (1653)

リリースされたばかりのiPhone版/Androidスマホ版の「PUBG」となる「PUBG MOBILE」をプレイして、最初から簡単にドン勝(1位)できてしまったり、簡単にキルできてしまうなど、「PUBG MOBILEが簡単すぎる」「はじめてなのに簡単に勝ててしまった」「まだ始まったばかりだから、操作に慣れていない人が多いのではないか」などとも言われています。

この背景について。

「PUBG MOBILEが簡単すぎる」の声

本日リリースされた「PUBG MOBILE」を実際プレイしてみて、最初からドン勝(1位)できてしまったりして、以下のような声が多数あがっています。

  • PUBG MOBILE余裕だった
  • はじめてだったけれどドン勝つできた
  • ○○キルなんて荒野行動じゃまずできないのにPUBGやりやすいかも

敵が「bot」ばかり

しかしこれについては、初戦や2戦目以降の序盤は、自分以外のプレイヤーが実は「bot(ロボット、コンピューターのこと)」であり、勝てて当たり前なのではないかとTwitterなどのSNS上で言われています(※この文脈での「bot」は、多くのユーザーに比べて極端に「弱い」ものです)。

実際確実に自分以外のプレイヤーが全てbotだ、と断定しきることは難しいのですが、この説を把握した上でよく観察すると、多くの自分以外のプレイヤーが「ワンパターンな行動」をしながら、自分に近づいてくることが見て取れます。そうするとこの「bot説」自体はかなり信憑性が高いように感じられます。

bot投入には「よりフェアに感じる」「継続率が上がる」効果があるかも?

この「botが多い」状態になっている理由について、「ドン勝つするとSNSにシェアする人が増えることを狙って、積極的に勝たせるために弱いbotを大量投入している」といった説や、「チュートリアル替わりに最初はやりかたを学ぶ余裕を持たせている」説など、いろいろな説があるようです(※実際、ユーザーが不足してマッチングが成立しない場合でもプレイしてもらう、というときにはbotを使わざるを得ませんが、PUBG MOBILEは非常に注目され利用者数が極めて多いはずで、botを利用しないとマッチングが成立しないとは考えにくく、何かしらの背景があると考えるのが自然です)

それらの可能性がとても高いのではないかと感じるのですが、また別に一つ関連する話題を紹介したいと思います。それは、「ほぼ同じ強さの人と戦って、均等に勝ち負けが決まるくらいの接戦になる状態」よりも、「自分の勝率が高い状態」のほうが「面白かった」「フェアだった」と感じ、ゲームの継続率が高いというネットゲームでの分析です。

あるゲームを30回プレイして,勝率50%の人に聞いてみたところ,「面白くなかった」「アンフェアだ」と回答する傾向にあったというのだ。一方,勝率75~80%のプレイヤーは,「非常に面白かった」「フェアなプレイ内容だった」と答えたという。実際にフェアかどうかと,プレイしている本人がどう感じるかには,ズレがあるのだ。 引用元

「面白かった」はよく理解できますが、少し勝ちやすいくらいの状態のほうが「フェアに感じる」というのは面白い傾向に感じます。

これをPUBGに当てはめてみると、通常PUBGで同じ強さ同士の人で戦えば、100人中1人しかドン勝できないゲームですから、究極的には(上手になりレーティングが上がることを無視すれば)、その勝率(ドン勝 率)は1%となるはずです。少ない。しかしそこにbotをある程度加えておけば、bot相手だとつまらないといった別の問題も発生してしまうものの、より上位になりやすく、ドン勝になる率もより高くなり、「面白かった」「フェアだった」と感じて貰いやすくなり、継続率も上がるのではないか、なんてことが考えられそうです。botがゲームの人気を支えるかも知れません。

どうしても勝率を均一な状態よりも「勝つ」側に倒してあげようとすると、その分今度は誰かに負けて貰わないといけないのですが、それをbotで肩代わりさせれば実際のゲームの継続や収益への犠牲なく、botではない人間のプレイヤーの継続率を向上させることができる、と考えられます。すると、「botを一定人数入れておく」というのは初回プレイや序盤に限らず有効な手法で、100人中20人は毎回常に負ける役のbot、なんていうやり方もあるのかもしれません(とはいえ今回は極端に目立ってしまっている気がします。実際ネガティブな意見もとても多いので)。

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