LINEの仕組み from did2memo.net

LINEの仕組みや使い方などについて詳しく解説します

「トークルームの内容等が自動的にLINE社に収集」って本当?について

LINE (1601) LINE-プライバシーポリシー (14) LINE-情報利用 (2)

本日、「2018年に行われたLINEのアップデートにて、トークルームの内容等が自動的にLINE社に収集されており、対策の設定(トークルーム情報の提供、ウェブ追跡型広告の受信)を確認するように」ということが話題となっています。

こちらは、以前紹介した「サービス向上のための情報利用」(2018年1月15日~)のことを指しているものと思われます。

「『トークルームの内容等が自動的にLINE社に収集』って本当のことなの?」とざっくり言われれば、確かにトークの内容を収集(利用)する機能が導入されており、「偽情報です」「嘘です」などとは決して言えません。

ただし、「(若干UI上の問題がありつつも)開始時点で同意を得て行われている(デフォルトオンではなく、利用開始時に選択式。また、後からでも拒否できる)」ことや、「LINE社が収集している情報」が細かく設定されており「トークルームの内容等」として思い浮かべる「友だちとのトークの文章」は対象外であるなど、誤解しやすいポイントが多いことも確かです(「トークルームの内容等」という記載に注目してしまうと若干「本当です、以上」とも言いにくい)。

また「収集」には目的の制限(不正利用の防止、サービスの提供・開発・改善)などが設けられており、ただ単に「裏側で勝手に収集している怪しいもの」という印象を持ったとすれば、それはやはり誤解に基づく可能性があります(一方で、公式アカウントとのやりとりの内容はまるっと対象であるため、注意が必要であることには間違いありません)。

これらに関して「そんなルール・規約を守っていないかもしれないじゃないか」とも思うかもしれないのですが、それを言いはじめると「2018年1月のアップデートで、ユーザーにプライバシーポリシーへの同意を取って開始した」よりも前から、仕組み上は同意を得ずに収集・悪用していたかもしれない、ということまで遡って考えることもできてしまい、今回「2018年のアップデート」を起点にして「悪用されているかも」と改めて考えることにはあまり意味がありません。

そのため、「2018年1月の更新以降、どういったことにユーザーは同意したのか(何が収集されて、どんな目的で使われるか)を改めて確認すること」であったり、「必要に応じて収集を拒否する設定を行うこと」が大切です

そこで今回は、まず大きな誤解となっていると思われる「収集(情報利用)の対象」および「情報利用を拒否する方法」の概要について説明します。

また、おまけ程度ですが、最近その情報利用を許可した(運営がトークの内容を活用できる状態にした)ユーザーのみが利用できた話題の機能について紹介します。

※「トークルーム情報」という設定名はその後「コミュニケーション関連情報」という設定名に変更されました

2018年1月以降表示される「サービス向上のための情報利用に関するお願い」

2018年1月15日以降、LINEを継続利用もしくは新規登録した際、次の同意画面が表示されるようになりました:

今回話題となっている「2018年のアップデート」とは、こちらのプライバシーポリシーの変更のことを指しているものと思われます。

「自動で情報提供の設定がオンになってる」「何も設定しないとオンになってる」について

この同意画面は、「アップデートの直後」およびそれ以降に「新しくアプリをインストールした際」に必ず表示されるようになっています。

そして、ここで「サービス向上のための情報利用」にチェックを入れたまま「上記に同意する」をタップした場合に「のみ」、今回の「トークなどの情報利用」の設定が「オン(有効)」になります

ここのチェックを外してから「上記に同意する」をタップすれば、情報の提供設定は「オフ(無効)」の状態でLINEの利用が開始されます。

つまり、「何もしなければオン」という訳ではなく、「同意したらオン」がより正確です。

ただしこの画面が表示された時点では、はじめから「サービス向上のための情報利用」がチェックされており、内容を確認せずに「上記に同意する」をタップしていたユーザーの場合は「オン」となってしまうUIになっており、これを問題視することもできます(※このことを指して「デフォルトオン」と呼ぶ人もいるかもしれませんが、「設定を自分で変更しないとオンになっている」という、「設定を知らないとオンになってる」というニュアンスのある言い回しはやや言い過ぎのように感じます)。

「トークルームの内容等」の中身について

この同意画面の中で、利用する情報について詳しく説明が書かれているのですが、「以下の情報を利用します」として紹介されているものの中に、「トークルームの内容等」と言われて最初に思い浮かべるであろう「友だちとのトークの文章」は含まれていません

また、友だちに送信した「画像」「動画」「通話内容」も対象外となっています。

ただしその一方で、「どのスタンプを送ったのか」であったり、「いつ何回送ったのか」「いつ既読になったのか」などの内容を含まない属性や数値的な情報はその対象に含まれます。

また、「公式アカウントとのやりとり」に関しては、そのトーク内容なども情報利用の対象に含まれます。

この通り、「トークの内容」と言っても、利用対象に含まれる部分と含まれない部分があり、単に「『トークの内容』という言葉で思い浮かぶものすべて」と思ってしまうと不適切であり、注意が必要です。

ただしとはいうものの、「公式アカウントとのやりとり」は「利用」されてしまうため、「何か気持ち悪い」と思うかも知れません。

利用目的について

ただLINE側も漠然と「利用する」「収集する」など目的を明らかにせず(限定せず)収集すると言っているわけではなく、「不正利用の防止、サービスのさらなる改善・開発等のため」としており、その詳細はプライバシーポリシーや公式ブログなどで公開しています。

具体的には「サービス上の不正対策」「当社サービスの改善及び研究開発」「ユーザーの関心にあった、より適切なコンテンツ及び広告の表示」などを以下のページで紹介しています:

「それでもやっぱり拒否したい」について

ここまでが基本的に誤解しがちなポイントでした。

この誤解しがちなポイントを一応補足した上でもやはり「利用されるのは嫌」「同意したくない」と思う人は少なくなく、それもまた当然のことだと思います(怖い・不気味・怪しいなどなど)。

特に、例えば自動翻訳系の公式アカウントをトークルームに招待した状態でトークしていた場合は、そこに参加していた友だち同士の会話がすべて「公式アカウントとトーク内容を含むコミュニケーション」と扱われる可能性があり収集対象になり得るわけで、翻訳以外の目的に利用されるのは嫌だ、であるとか、「これは収集される、こっちは収集されない、なんて考えていられない!」と感じるのは当然のようにも思えます。

一度同意してしまっていても拒否できる

そのような場合は、一度同意してしまった後であっても、LINE運営側が「利用を拒否する方法」を用意しているため、そちらの設定変更を行うことで、改めて拒否することができます(※先回り言っておくと、本当に「怪しい」などと疑うとなると、「利用を拒否する設定を本当に尊重してくれているのか、正しく動作しているのか、そんな設定無視して利用しているんじゃないか、などと疑うことができるため、最終的にはサービス提供側のモラルや技術などを信じるかどうか/信用するかどうかや、そのサービス上でどんな情報のやり取りを行うかなどの問題となってきます)

収集(情報利用)を拒否する設定方法

情報利用を拒否するには、LINEアプリ内の「設定」を開いて「プライバシー管理>情報の提供>トークルーム情報」を「オフ」にします。

画像付きの詳しい手順はこちらを参考にしてください:「LINEの「トークルーム情報」の利用許可設定を「オフ」にする設定方法

※この画面には、広告配信に関する設定項目もあり、(トークルームの情報とはまた別の話ではあるのですが、)「ウェブサイトの訪問履歴を、自分の興味関心に合わせた広告を表示するために利用されたくない」という場合には「オフ」にすることで無効化できます(ただしデメリットとしては、今まで表示されることのなかった「自分の性別や年齢からかけ離れたどうでも良い広告を目にする機会が増える」などが考えられます)。詳しくはこちらの記事を参考にしてください:「LINEの「ウェブ追跡型広告の受信」設定の意味(「トークルーム情報」との違い)と「オフ(拒否)」にする設定手順

「トークルーム情報」の提供「オン」が必要な機能

今月初め、「お気に入りスタンプTOP3」を表示したりシェアできる機能が話題となりました。

しかし「お気に入りスタンプ(自分がよく使うスタンプ)」をLINEに分析してもらうには、その機能にトークの内容(スタンプの利用状況のみ)を読み取ってもらう必要がどうしてもでてきます。

そのためその機能は「トークルーム情報」の提供が「オフ」だった利用者には表示されない、といったことがありました。こちらは情報活用の最近の一例となります(正直この機能に魅力を感じる層は盛り上がっていたものの、興味がない人には全く興味がない機能なのではないかと思うので、LINE運営側にはもっといろいろな「実際こんな成果が生まれました」という例を提供してもらいたい気がします)。

LINE運営がツイート

話題のツイートに対して、7月11日、LINE運営が次の通り指摘を行いました:

このツイートにより、元のツイートは削除されましたが、その後も引き続き同様の内容が広まり続けていたため、翌日7月12日、「事実と異なる情報が出回っている」として以下がツイートされました:

関連情報

今回は誤解しやすい部分と拒否の設定など、ピンポイントの部分について紹介したのみでアルタ、以下の関連記事や、プライバシーポリシーの内容、運営公式の解説記事なども参考にしてみてください:

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