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カテゴリとタグの使用目的・使用方法を分析し、カテゴリとタグの役割分担について考えた結果、今までと全く違う考え方でカテゴリを利用してみることに決めました。そこに至るまでの経緯について書き残しておきます。
議論と言えば議論ですが、これはあくまで思考の分岐例を示しているに過ぎない、つまり、途中で別の議論へ分岐する可能性もあるし、その分岐を否定していない(否定できていない)議論であるという点に注意してください。
目次
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カテゴリの一般的な使い方 : キーワードベースのカテゴリ
記事を分類する基本的な機能にカテゴリがあります。よくあるカテゴリの使い方は、カテゴリに何らかの「キーワード」を設定するというものです。そして、各記事は、関連の深い「キーワード」のカテゴリに分類されます。
たとえば、私の旧ブログなら、キーワードに「Java」や「C#」があります。つまり、キーワード「Java」に関連する記事は「Java」カテゴリに、キーワード「C#」に関連する記事は「C#」カテゴリに登録されるわけです。
複数カテゴリに入れたくなる
しかし、一つの記事が複数の「キーワード」に関連する、ということは頻繁に起こりうることです。カテゴリを利用するブロガーの方なら、カテゴリの選択に迷ったことが一度や二度ではないと思います。
たとえばもし、「JavaのコードをC#で書き直す」という内容の記事を書いた場合、私は「Java」カテゴリと「C#」カテゴリのどちらに分類すればよいのでしょうか。あくまで書いたプログラムがC#だということで「C#」カテゴリに入れるという方法もありですし、Javaで書かれているプログラムの分析が中心なら「Java」カテゴリでしょう。「Java+C#」というカテゴリを新しく作ってしまうなんていう荒技も考えられます。
このように、「キーワード」を元にカテゴリを設定すると、複数キーワードに関連する記事の扱いに困ってしまうタイミングがほぼ確実に発生します。
厳密な分類ポリシーを持てばよい?
簡単な解決策は、カテゴリに対して、"個人的な"優先度を与えることです。
たとえば、「ゲーム」と「ハードウェア」というカテゴリがあるとき、「ゲーム関連のハードウェア」に関連する記事は「ゲーム」に分類する、つまり裏を返せば、「ハードウェア」を「ゲーム関連意外のハードウェア」と定義する方法です。
しかし、この方法はブロガー側に分類の一貫性というメリットがある一方で、カテゴリを頼りに記事を探そうとしてくれる人に優しくない設計となります。
なぜなら、あるカテゴリに含まれると期待された記事が、実際にはそのカテゴリに含まれておらず、読む機会を失ってしまうからです。
たとえば、先ほどの例を用いれば、ハードウェアに興味がある人が「ハードウェア」カテゴリの記事一覧を表示してくれたとき、そこに「ゲーム関連のハードウェア」の記事が含まれないのです。これは不親切です。
タグの一般的な使い方 : キーワードベースのタグ
この、カテゴリの持つ分類問題を解決してくれる機能がタグ機能です。
タグもブログでよく利用される機能で、タグこそまさに特定の「キーワード」に関連づけることを強く意識して利用される機能です。そして、タグはカテゴリとは異なり、一つの記事に複数種類設定できるという特徴があります。この特徴により、先ほどのような問題を避けることができるのです。
たとえば、「ゲーム関連のハードウェア」の記事には、素直に「ゲーム」と「ハードウェア」という二つのタグを設定すればよいのです。
カテゴリとタグの住み分け
さて、ここからが本題です。
このようにしてカテゴリとタグについて考えていると、一つ重要なことに気がつきます。カテゴリとタグをどう使い分ければよいかという問題です。
私が今まで見てきた多くのブログは、「カテゴリ」をおおざっぱな記事の分類に用い、「タグ」を細かな属性付けに用いています。しかし私には、「キーワードベースのカテゴリ」である時点で、本質的に「(キーワードベースの)タグ」と同程度の意味しか持たないように見えるのです。あくまで他の「タグ」に比べて重視したかったり、記事数が多かったりするだけで、やはり結局意味的には「タグ」に過ぎないと。
つまり、「キーワードベースのカテゴリ」など、機能的には「タグ」で十分であって、「カテゴリ」という機能を占有するのには適さないのではないか、ということです。
たしかにブロガーの意識として、カテゴリは分類、タグは属性付けという違いがあるのかもしれませんが、所詮分類は属性付けであって、「キーワードベースのカテゴリ」と「キーワードベースのタグ」は、どちらも「キーワードベースの属性付け」であって使い方が重複してしまっているのです。。
さて、こう考えたことによって、一つの結論が得られました。
キーワードベースの属性付けはタグだけで十分である
もっと具体的には次のようになるでしょう。
「キーワードベースのカテゴリ」は「タグ」で代用し、「カテゴリ機能」という資源は別の用途で活用すべきである
一方で、やはり「キーワード」による属性付けはブロガーにとっても読者にとっても便利であるため、
キーワードベースの属性付けは有益であり、その目的には「タグ」が適している
と考えるに至りました。つまり、キーワードベースでない「カテゴリ」の使い方を全く新しく考え直すべきであると結論づけました。
カテゴリの効果と意味 : 趣味嗜好を表現する
さて、カテゴリの用途が自由になったところで、カテゴリをどう使うか考えてみます。
そもそも読者に「カテゴリ(広い意味での属性付け)」が注目されるのはどんなときなのか。それは、このカテゴリの記事を読みたいと思ってもらえたときではないかと思っています。
記事一覧ページなら、「このカテゴリの記事なら読んでみよう」と興味を惹きますし、個別記事なら「この記事は気に入った、同じカテゴリの他の記事も見てみたい」という効果がありそうです。このことを私は、カテゴリの主な仕事は、読者の趣味嗜好を表現することであるであると認識しました。
ある意味、「キーワード」によって読者の趣味嗜好を表現しているのが「タグ」ということになります。経験上、これは読者から見たときのタグの機能としてぴったりあてはまっていると感じています。
このことから、「キーワード」に基づいて読者の趣味嗜好を表現するのが「タグ」であることに対応する形で、
カテゴリは、「キーワード以外」に基づいて読者の趣味嗜好を表現するために用いることを意識して設定することが望ましい
という考え方を採用することにしました。そして、「カテゴリ」が「趣味嗜好」を表現するとなれば、
カテゴリは記事を分類するのではなく、趣味嗜好の持ち主たる読者を分類する
という書き方もありでしょう。そしてなにより、「趣味嗜好の持ち主たる読者」を「読者層」と言い換えれば、
カテゴリを、特定の読者層に対応づけて作成する
という発想が、キーワードベースではない全く別のカテゴリの作り方の基礎になりそうです。ここがある意味議論の終着点であり、あとはアイディア勝負だと思われます。
あとは、各自、というか自分がなにか具体的に考えてみれば良いだけなのですが、ふと思いついて、採用するつもりのものがあります。
面白いカテゴリの使い方を求めて : 雑誌連載ベースのカテゴリ
「購読者層の分類」という言葉で、思いつくのはブログ、というより、雑誌でした。雑誌はそれぞれが対象としている「読者層」を持ち、その「読者グループ」の「趣味嗜好」を反映した内容が書かれている、と私は認識しています。この「雑誌」という「読者層の分類」をベースになにか良いカテゴリの使い方をデザインできそうです。
そこで、さらに雑誌の中の一部である「連載」を用いて、「雑誌連載ベースのカテゴリ」というものを採用することにしました。
つまり、「こんな人向けの連載だよ」というのがカテゴリの分類ポリシーであり、カテゴリ名も、いっそのこと雑誌連載風にしてしまう、と。
ということで、旧ブログや本ブログの過去記事を参考にして、下のような新しいカテゴリ候補を考えてみました。
雑誌連載ベースカテゴリ案
旧ブログと同様の記事を書くことが多いはずだという前提を元にして考えた結果、こんなカテゴリを考えてみました。
- Windowsユーザによる「ここで困った!」対策データベース(初級編)
- (発見済みの)問題をどう解決できるかをメモした記事用。中級編以上の中身を見せられてもわからないであろう、コンピュータが苦手なユーザ向け。
- Windowsユーザによる「ここで困った!」対策データベース(中級編)
- この中級編がメイン。上級編以上の内容を見せられても興味が湧かないであろう、コンピュータに慣れている人向け。
- Windowsユーザによる「ここで困った!」対策データベース(上級編)
- コンピュータをだいぶ使いこなしている、もしくは、自作PCを組んだり、プログラミング経験者であったり、情報系が専門の人向け。
- 知らなかった!○○のやり方(初級編)
- 問題だと思っていなかったことに対して、その状況を改善する方法をメモした記事用。初級・中級・上級の分類は前述に同じ。
- 知らなかった!○○のやり方(中級編)
- (同上)
- 知らなかった!○○のやり方(上級編)
- (同上)
- メモって安心!設定・インストール・環境構築マニュアル
- 対象者不明だけど、ブログのメインコンテンツだから…。でも、もし本当に山のようにアーカイブできたら、ここに何度も検索から見に来てくれる人がいるかな、とか思ったり。
- 自作PCトラブル記
- 自作PC関連エントリ。自作PCユーザ向けなのは一括でこっち。もちろん対象はPCを自作する人。
- ブログ育成日誌
- ブログの変更や、更新に関するエントリを分類。ブログを書いている人向け。
- 情報科学系博士学生の生活
- 研究に関連する話題は、かなり特殊というか読者を選ぶので隔離。
- 買ったみた!実際のところこんな感じ
- 買ってみたものについて。「レビュー」っていうキーワードに近いけれど、もっと広く、いくらで買ったとか、どこで買ったとか、買ったものに関する素朴な情報でも、という感じ。
- 今これが欲しい!買おうかどうしようか考え中
- こっちは買いたいけど買えてないもの、もしくは、買いそうになったけどやっぱりやめたもの
こうやって書き出してみると、自分のブログエントリをネタにしてキュレーションしてるみたい。それと、ここに書かなかったけれど、もっとspecificな、「特集」に近いカテゴリもいくつか作ろうかな、と思っていたり。
エントリをどれに分類しようかめちゃくちゃ迷うけど、迷ってしっかり分類しなきゃ、というのはもう「タグ」にお任せするつもり。カテゴリはおまけ。
まとめ
カテゴリをどう使うかは旧ブログ初期からの大きな問題だったので、ちょっとどうしようか考えてみました。どうやってカテゴリを使えばいいのかは、いろんなアイディアがありそうですが、とりあえず、カテゴリを単なるキーワード用に使ってタグとかぶらせるのはもったいないし、綺麗じゃない、という結論は(今までの自分の使い方からしたら)確かかな、と思っています。
まだ2ケタ記事なので、カテゴリを作り直して、再分類するつもりです。100記事までにそれなりにカテゴリ分けの方向性くらいは固めたい。
(まただらだら長い文を書いてしまった。もっと短くできる内容なのに。)
補足
WordPressに関して:WordPressでは、カテゴリも複数指定可能です。しかし、今回は「カテゴリ」をあくまで「分類機能」、もっと言えば「排他的グルーピング機能」として捉えているため、カテゴリの複数指定は考慮しません。ただ、考慮したところで、より一層、キーワードベースにカテゴリとタグの二つも要らないよ、という結論の理由付けが増えるような気がします。
おさらい
重要だったのはここ。
カテゴリとタグは用途が被ってるから、キーワードは「タグ」に任せて、カテゴリをどう使うか再考すべき。
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