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LINEで広まる噂には様々なものがありますが、今回はいつもと違って、デマではなく、本当のことを言っている噂を紹介したいと思います。デマなのか、本当なのかを「どんな考え方で」調べるのか、について書きました。噂がデマかどうかを調べるにあたって、調査結果として、「1.デマ」と「2.本当」だけでなく、「3.デマか本当か判断が付かない」という第3の状態を許容することが大切だと思います。
目次
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噂の内容
いつものようにLINEのタイムライン機能で広まっているのが次の噂です。
【速報】
今年の秋から、
LINEでビデオ電話ができるらしい。
拡散希望
公式に対する問い合わせも増えています。
@NAVER_LINE 秋くらいからLINEでビデオ電話が出来るって本当ですか? pic.twitter.com/KIQkFYiAfv
— らて。@歌い手目指し (@rate_han) August 24, 2013
実は、いつもと違ってこれはデマではありません。本当に公式発表されたことに基づいた情報です。
「ビデオ通話対応」の公式情報
ビデオ通話の対応が秋に行われるという話は、8月21日に行われた「Hello, Friends in Tokyo 2013」というLINEが主催したビジネスカンファレンスにて発表されています。
これは「プレスリリース」の中で、LINE株式会社が次のように発表しています。
この度発表いたしました、LINEの新サービス・新機能は以下の通りです。
■ビデオ通話機能:2013年秋公開予定(全世界) (引用元)
したがって、「今年の秋からLINEでビデオ電話ができるらしい」というのは本当であると言えます(計画が遅れる可能性を考えなければ、発表の通りという意味で)。
公式ブログに無いから怪しがられてる?
実は、この情報("今年秋"にビデオ通話)は、LINE公式の情報源として頼られているLINE公式ブログにはありません。
公式Twitterでも、このプレスリリースをリンクしていますが、LINEアプリの公式のお知らせには何も書かれていません。
ユーザにとって「ビデオ電話に対応する」という情報はとても重要な情報だと感じるでしょうから、公式のお知らせや公式ブログに表示されていない時点で「デマ」なのではないかと思ってしまうのかもしれません。
「予定」という噂はデマかどうかわかりにくい
これが「今年秋の予定」ではなく「対応しました」なら確かに公式のお知らせにないのはおかしい気がします。
しかし、あくまで「予定」なので、「公式のお知らせにないなんて別に普通だろ?」と思うかもしれません。
情報源が見つからなければデマ決定?
しかし、これは「正解」を知っていて、「プレスリリース」というちょっと見つけにくい公式ページにたどり着いているからであって、それを見つけることができなければ、「デマかどうか調べて公式情報は見つからなかった、だからデマだ」というのもある意味「正しい気がする」考え方です(プレスリリースや、その他の情報源を見つけられなかった状態の人を想像してみてください)。
こうして、「『デマだ』というデマ」が生まれるわけです。
ですから、「デマかどうかなんて調べれば分かるだろ」「公式の情報に書いてなければデマだから」などとついつい言ってしまうのは、変な誤解を招きます。
「デマ」について教えるのなら
公式のデマに関する注意喚起文も、「公式に書いてなければデマ」だと解釈されそうな文章になっています。
嘘かどうかを見分けるには?
嘘かどうかを見分けるためには、上記の通り、LINE株式会社が運営する公式な場所に掲載されている情報かどうかを確認してください。他人から見聞きした情報の中に、情報源(その情報を提供している場所)が記載されていない場合は、事実ではない可能性があることを疑ってください。 (引用元)
よく読めば、「事実ではない可能性」と気を遣って書いていることがわかります。
しかし、デマについて解説・教育しようとするのであれば、「証拠が見つからない場合は判断がデマ側に倒れる(=公式情報を見つけられなかったから、情報源がない、つまり事実無根のデマだ、という流れ)」という性質、つまり「公式情報が見つからないという理由だけではデマだと言い切ることはできない」という話まで紹介しておくとよいのではないかと思います。
この意味でも、デマについて公式がしっかり早期に否定することは大切だと思いますし、公式にデマについて問い合わせることは、大きな間違いではないと思います(実際には、LINE側の業務を妨げない程度にしたいところ→当ブログのデマ情報もチェックしてみてください)。
第3の状態を許容する姿勢が大事
今回も、以前の記事で解説したように、第3の状態、つまり「デマ」でも「本当」でもない、「デマか本当か判断が付かない」という結論を許容する姿勢が大事であると思います。
「公式情報が見つからない」という情報"だけ"で「1.デマ」と「2.本当」という2つの選択肢しか用意していなければ、「1.デマ」を選んでしまうことでしょう。しかし本当は「3.デマか本当か判断が付かない(+程度)」という選択肢を用意して、これを選ぶのが正解です。
本当は、さらにここに「3.」だった場合の扱い方は「デマ」に近くなるが「デマ」と断定しないでデマに近い扱いをすべき(むやみに広めない)、という話(「デマ判定」と「対応」は別問題という話)もあるのですが、そこは今回割愛します。
ひとこと
「デマじゃない噂」を元に、「デマの見方」についてちゃちゃっと書いてみました。
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