複数アカウントアプリ「並行世界(Parallel Space)」でLINEのデータが消える誤解と注意点について

現在、Twitterの「プロモーション（広告）」として、「Parallel Space」が「同時に２つのLINEアカウントにログイン」という宣伝文句で表示されており、この効果で、Parallel Spaceを使ってみるユーザーが急増している模様です。

• Parallel Space - マルチアカウント
• LBE Tech

この「Parallel Space」というアプリを使ってLINEログインしたユーザーからは

• データが消えた
• アカウントが消えた
• LINEが消えた
• 本当のLINEが消えた
• 同時に使えない
• 通知が届かない
• メッセージが送れない
• ゲームデータが消えた

などの声が上がっています。

そしてさらにGoogle Playのレビューにおいては、「地雷アプリ」「データ戻せ」「運営は責任を取れ」などと言われてしまっています。

これらの声が多い時点で、Parallel Space + LINE の利用はかなり警戒したほうがよさそう、と感じます。

この「Parallel Space」というアプリの役割は、「１台のAndroidスマートフォンに、同じSNSアプリを１つしか入れられない」を便利に解決することです。

既にインストールされている「LINE」に加えて、さらにもうひとつ別の「LINE」をインストールすることは基本的にできないので、２つ目の「LINE」の代わりに、「Parallel Space」をインストールする、というイメージです。

これは結果として、「１台のAndroidスマートフォンから、同じSNSアプリの２つのアカウントにログインする」ことを実現します。

誤解に注意

なので、LINEであれば、LINEアカウントを２つ以上持っているときにはじめて意味のあるものです。

決して、「１つのアカウントを２箇所からログインするためのツール」ではありません。「２つのアカウントを、１箇所（１台のスマホ）からログインするためのツール」です。

そしてLINEの場合、１つのアカウントを複数箇所から同時ログインすることはできないため、他のスマートフォンやiPhoneからログインしているLINEアカウントを使ってParallel Space経由でログインしてしまうと、普通に２つのLINEアプリを使ってログインしたときと同様にさまざまな問題が発生してしまいます（同時ログイントラブルの筆頭は、トーク履歴が消えること）。

まずこのサブアカウントの利用が前提である点に注意する必要があります。

また、この２つ目のアカウントを作ろうとした際に、本アカと同じ電話番号を使って登録してしまうなどして、前のアカウントが使えなくなってしまうケースにも注意が必要です（親や兄弟の電話番号を借りてしまうケースにも注意）。

特に、「Parallel Spaceを使う」＝「電話番号が１つしかない１台のスマホでLINEアカウントを２つ作ろうとする」となることから、「完全に別人のつもりで別のLINEアカウントを作る」という方法が取りにくく、（そもそも複数アカウントを作ること自体に失敗が多いLINEなので）極端にトラブルに遭遇しやすくなりがちです。

またそもそも、Parallel Spaceという特殊な方法で導入されたLINEアプリを利用してLINEにアクセスすることは、思いも寄らぬ問題を引き起こす可能性があります。なぜなら、そのような利用方法を想定してLINEアプリ側が開発されているとは考えにくいからです。

最悪不正なアクセスと判定され、アカウントが停止される危険性が自然と考えられます。そしてその前に、怪しい動きをする、正しく動作しない、突然データが消える、などのリスクがあることも考慮した上での利用する必要があるでしょう。

そのため、依存度の高いLINEですから、下手にリスクを負わない、「通常の方法」のみで利用することを強くオススメします。

似たようなアプリに有名なものとして、「2Accounts」がありますが、こちらでも類似の問題が発生しています。

LINEは、２台のスマートフォンから使おうとするだけでも、LINEの仕様を知らずに（警告表示をスルーして）トラブルに遭遇するようなケースが多いので、さらにそれを１台のスマートフォンから、となると、余計に注意が必要です。

2017年4月2日現在、Parallel Spaceのプロモーションツイートが表示されるようになっています。

Parallel Space
同時に２つのLINEアカウントにログイン。

1つの電話で2つのライン