情報科学屋さんを目指す人のメモ

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分散ストレージ構築ソフトウェア「EMC ScaleIO」とその「無償提供」についてメモ

ScaleIO (1) ニュース (4)

EMC Scale IOが無償提供というニュース「EMC、分散ストレージソフト「ScaleIO」の無償提供を発表。オープンソースのCephよりも高速だと強調。EMC World Las Vegas 2015 - Publickey」を見て、少し公式ページを調べてみたのですが、どうもニュースで受けた印象と「無償提供」の意味について 「あれ?」と思う部分があったので、そこについてメモしておきます。それと、ついでにScaleIOに興味をもった人向けに、チェックしたウェブページの一覧を載せておきます。

↓ダウンロードページ
scaleio-download-page-screen-shot

結果自分がとある要素に気が付かなかっただけですが、同様に気が付かなかった人も多いのではないかと。

Scale IO とは

「Scale IO」という製品のことは、今回はじめて知りました。タイトルではScale IOを「分散ストレージ」としましたが、見た限り、EMCはこういう言い方をしていません。ただ、短い文字数で、変なイメージをされないようにと考えたらとりあえず「分散ストレージ」にしてしまいました。

Scale IO の雰囲気については、日本語PDF「EMC SCALEIO」が短くてかつ少々中身に入り込んだ説明で、読みやすいです。

EMC ScaleIOは、ローカルアプリケーションサーバーストレージからサーバー主体のSANを作成し、柔軟で拡張性に優れたパフォーマンスと容量をオンデマンドで提供するソフトウェアです。ScaleIOは、ストレージおよびコンピューティングリソースを統合し、数千個のノードまで拡張できます。

ScaleIOは、数千ノード規模まで対応した、ストレージとコンピューティングリソースを統合して仮想ストレージ(SAN)を提供するためのスケールアウト型ソフトウェア、的なものでしょうか。

短い動画もあります。

ニュース

Scale IOの無償提供についてのニュースで自分が観測したのは次の2ニュースです。

「無償」については、次のように触れられています。

ScaleIOは今月中に無償提供を開始予定。無償版であっても容量の制限や利用期限なく使えると説明されていますPublicky

また、コモディティハードウェアでスケールアウト対応のSDSを実現するScaleIOに関しても、2015年6月から無償版が提供されることになった。「時間制限もなく、自由に使える。コミュニティで質問することもできる」(デザイ氏)。 ASCII.jp

「すべてのノードがリビルドに参加するので非常に高速。クラスターなので可用性も高い。無償なので、ぜひダウンロードして使ってほしい」とサカック氏は語る。 ASCII.jp

「無償提供」に対する反応

これについて、こんな反応があります。やはり「無償」に注目が集まっています。

Scale IOのダウンロードページ

そこで、すぐに「EMC ScaleIO Free Download」というダウンロードページ(5/9現在、ScaleIO 1.32 Comming Soon状態)を見つけたのですが、冒頭にこう書いてありました。

Download the ScaleIO software free for non-production use. 引用元

つまり、「商用利用不可」というわけです(追記:後から読み直したら、ここでnon-commercial useと読み違えていました。ここを修正すると、修正量が増えすぎるので、現状そのままです)。

scaleio-download-page-screen-shot

「無償版」の『版』によくよく注目していれば分かる可能性もあったのですが、最初のタイトルで「無償提供を発表」から入ってしまい、ニュース記事を読んでも「商用利用不可だよな」というところに頭がいきませんでした(実際non-commercial use的な部分は「無償」という言葉の回りに添えられていない。ASCII.jpのほうも)。

普通に「EMCのサポートがない=サポートが有料」という話かと思いました。こういうソフトウェアを非商用で使うケースなんてほとんどなさそうという先入観もあって(?)。

イベントに関する公式文章

ただ、「このダウンロードページが以前から設置されていて、「商用利用不可」だったのが「商用利用可」になる、というニュースがああいう形で出てきたパターン」もありえる、と思ったので、ニュース記事からは辿れなかった公式文章を探しました。

scaleio-the-optimus-prime-of-software-defined-scale-out-san

見つけたのが、発表会当日(現地時間2015年5月5日)に公開された公式ブログの次の段落です。

In addition to ScaleIO updates, a free and frictionless version of the ScaleIO software will be available later this month on the ECN ScaleIO Product Community site. It provides customers with an easy way to access the ScaleIO software to make sure it’s the right fit for them. The free download offers access to the ScaleIO software for an unlimited time with unlimited capacity, for non-production use.  Customers can experience all the features and capabilities of our enterprise grade software-defined scale-out SAN solution at no cost! 引用元

やはり、商用利用不可ってことみたいです。

ViPRをオープンソース化するにあたって、ViPRの動作検証用に、ScaleIOが無償公開されていないと困る、という主ViPR、従ScaleIOなのかなぁ。ニュースを見る限り、そういう発表ではなさそうで、普通に無償になったScaleIOを推してるけど。

ダウンロードページのURLに「Trial」の文字

ここで気がついたのですが、ダウンロードページのURLに「trial」が含まれていました

ただ、次の公式Tweetが、そのダウンロードページへリンクしているので、今回の「無償提供」がダウンロードできる場所として正しそうです。

まぁ、「trial-software-download」というあくまで「ディレクトリ名」なので、他製品と共通で、そこに突っ込んだだけなんでしょうが、trialとか言われてしまうと、余計に印象が変わってきます。。。

海外メディアを見てみると

ふと「ScaleIO」「free for non-commercial」あたりでググると海外メディアが出てきます。

EMC releases free unrestricted EMC ScaleIO software download for non-production use 引用元

a free "no restrictions" download for non-production use of its ScaleIO© software 引用元

次は、「StorageReview.com」というストレージ特化サイト。

EMC has announced a free “no restrictions” download for non-production use of its ScaleIO software 引用元

「non-producton use」のほうがイメージしやすい、というか、実態にそっていそうです。

EMC will allow customers, partners and developers to download EMC ScaleIO software for free for non-production use 引用元

提供相手として「customers」「partners」と書いてあり、「検証用」というイメージでしょうか。

なので、公式はnon-commercial useと書いていますが、その中身の詳細イメージとしてはnon-production use、と。

これならまだわかりますが、これって本当に「trial版」が公開されただけみたいに感じてしまいます。

この辺りの常識感はないのですが、webの反応を見る限り、こういう解釈をしている人よりも「無償・無制限」に反応している人が多いように感じたので、誤解というかイメージ違いが読者に起こりやすいニュースだったのかと思います。

用語

  • SAN:Storage Area Network (wikipedia en, ja)
  • SDS:Software Defined Storage (@IT)

ScaleIOについての資料

メモ

ScaleIOとViPRの関係

最初、SDSコントローラう「ViPR」と聞いて、「ViPR」が下で、その上にScaleIOだと思っていたのですが、どうやらストレージの構築自体はScaleIOで完結していて、それを一元管理するインターフェースがViPRのようです。

というわけで、ViPR自体は、(全然知らないけど)他社製ストレージにも対応しているそうです(自社製:Isilon、VMAX、VNX、XtreamIO。サードパーティ製:HDS、NetApp、HP、IBM、Dell、Oracle、SolidFire)。

詳しいViPR自体の機能については、ViPRのデータシート(PDF)がわかりやすそうです。

気になるあれ

冒頭のPDFより:

SDCは、クラスター全体のデータの場所を完全に認識し、同じサーバー上か他のサーバー上かにかかわらず、常に最適な宛先SDSにI/O要求を送信します。

そりゃそうだ。

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