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SetPointを拡張したときの、手順の概略を紹介します。
目次
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特定のマウス・トラックボールについての設定内容解析手順
特定のマウスの設定項目を拡張するための分析手順を説明します。今回は、M570を題材に説明していきます。
1.M570の設定ファイルの番号を知る
まず、user.xmlを開きます。そして、製品名(M570)で検索すると、次のようなタグが見つかります。
<Device DisplayName="Wireless Trackball M570" Class="PointingDevice" Model="16777388" NumberOfButtons="5" ConnectionID="">
ここに、「Model="16777388"」という番号があるので、これを16進数に変換します。変換すると、その16進数は「10000AC」だとわかります。これが、設定ファイルの名前となる重要な文字列です。
2.M570のデバイスファイルを特定する
設定ファイルの番号が分かったら、「C:\ProgramData\Logishrd\SetPointP\Devices\PointingDevice\」フォルダの中から、その番号のフォルダを探し、その中にあるデバイスファイルである「(設定ファイルの番号).xml」を開きます。今回は「10000AC.xml」を開くことになります。
その中でも、「<Buttons>」タグの中身が重要で、その中にある「TriggerState」タグから、それぞれのボタンの「HandlerSet」と「HandlerSetGroup」がわかります。「HandlerSet」がボタンの機能のデフォルト、「HandlerSetGroup」が、設定項目の組合せです。
M570(10000AC.xml)
ボタン名 | デフォルトの機能 (HandlerSet) | 設定項目 (HandlerSetGroup) |
---|---|---|
左クリック | LeftClick | なし |
右クリック | RightClick | なし |
中央ボタン | MiddleMouseButton | MiddleButtonGroup4 |
進むボタン | BrowserForward | ForwardGroup2 |
戻るボタン | Back | BackGroup2 |
3.「タスクを選択」の定義を特定する
「タスクの選択」に表示されているのは、先ほど分析した結果得られた「HandlerSetGroup」の中身です。そして、その「HandlerSetGroup」でどんな機能を表示するかは、「default.xml」に書かれています。ここを見れば、M570の設定項目一覧がどこで指定されているかがよく分かります。
例:M570の第3ボタン(中央ボタン)
中央ボタンは「MiddleButonGroup4」なので次の行で設定されていると分かります。
<HandlerSetGroup Name="MiddleButtonGroup4" HandlerSetNames="MiddleMouseButton,ZoomSet,ApplicationSwitch,AutoScroll,UniversalScroll,MM PLAY,VOLUMEMUTE,KeystrokeAssignment,OthersMiddleMiceGroup" VisibleHandlerSetCount="8" />
そして、「その他」の設定項目を担当しているのが、次の「OthersMiddleMiceGroup」だとも分かります。
<HandlerSetGroup Name="OEMOthersMiddleMiceGroup" HandlerSetNames="CloseApplication,Copy,Cut,Do Nothing,DoubleClick,StartMenu,DragLock,GenericMouseButton,LeftMouseButton,Maximize,Minimize,PageDown,PageUp,Paste,Redo,Unassigned,Undo" />
例:M570の第4ボタン(進むボタン)と第5ボタン(戻るボタン)
進むボタンは「ForwardGroup2」で、戻るボタンは「BackGroup2」なので、以下の行で設定されていると分かります。
第4ボタン用HandlerSetGroupタグ
<HandlerSetGroup Name="ForwardGroup2" HandlerSetNames="BrowserForward,MM NEXT,PageUp,CruiseUp,KeystrokeAssignment,OthersGenericMiceGroup" VisibleHandlerSetCount="5" />
第5ボタン用HandlerSetGroupタグ
<HandlerSetGroup Name="BackGroup2" HandlerSetNames="Back,MM PREVIOUS,PageDown,CruiseDown,KeystrokeAssignment,OthersGenericMiceGroup" VisibleHandlerSetCount="5" />
そして、「その他」が次の「OthersGenericMiceGroup」だとわかります。
<HandlerSetGroup Name="OthersGenericMiceGroup" HandlerSetNames="CloseApplication,Copy,Cut,QuickSwitch,Do Nothing,DoubleClick,StartMenu,DragLock,GenericMouseButton,LeftMouseButton,Maximize,MiddleMouseButton,Minimize,PageDown,PageUp,Paste,Redo,Unassigned,Undo" />
4.設定ファイルの分析終了
ここまで分かれば、どこを変更すればいいのかがよく分かるはずです。
5.改造・拡張法
したがって、「タスクを選択」の部分を改造したい場合は「デバイスファイル(マウスごとの番号.xml)」を書き換えて、表示するHandlerSetGroupを変更したり、HandlerSetGroupの中身を更新するために「default.xml」を変更(他のHandlerSetを追加するなど)すればよいわけです。
また、「その他」の部分も同様に「default.xml」の該当箇所を変更すれば拡張できます。
はじめは練習として、設定されているHandlerSetGroupを、すでにある他のHandlerSetGroupに入れ替えてみると良いと思います。たとえば、中ボタンの「MiddleButonGroup4」に、第4ボタンの「ForwardGroup2」を設定してSetPointを再起動してみると、中ボタンに設定できる機能一覧が、第4ボタンと同じに変わっているはずです。
まとめ
これで、機能割り当て一覧に表示する機能を変更する方法が分かったと思います。
次回以降のエントリで、いろいろな補足情報を紹介したいと思います。
次に読むべきSetPoint記事
いろいろなHandlerSetを知りたい方はこちら→「SetPoint拡張メモ:よく使う機能のHandlerSet一覧」
左右のクリックボタンを拡張したい場合の注意についてはこちら→「SetPoint拡張メモ:左クリックと右クリックの機能を拡張する方法」
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