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ボタンに割り当てられる機能を増やす手順の概略は「SetPoint拡張メモ:拡張手順の概略」で紹介しました。この通りにやると、たとえばM570の「中央ボタン」や「進むボタン」、「戻るボタン」に、自由に機能を割り当てられるようになります。
しかし実は、左クリックと右クリックは特別で、それだけでは自由に機能を割り当てられるようになりません。今回は、その障害と、解決策を、「必要な対策1」と「必要な対策2」の二つに分けて紹介します。
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必要な対策1:「ボタンの切り替え」対策
右クリックや左クリックにいろいろな機能を割り当てようとして、default.xmlを書き換えても、「ボタンの切り替え」が表示されてしまう場合があります。特に、SetPoint起動直後はちゃんと機能一覧が表示されていても、マウスを近づけると「ボタンの切り替え」が表示されてしまうことがあります。
この「ボタンの切り替え」は、左クリックと右クリックを入れ替えるための設定項目です。これが表示されてしまう原因は、右クリックと左クリックが特別なボタンとしてデバイスファイルで指定されてしまっているからです。
それを解除するための対策はいくつかありますが、デバイスファイルの「Device>PARAM」にある「SwapButons」を「"(空)"」にすればOKです。
必要な対策1だけではダメ
これでちゃんと目的の機能を選択したとしても、選択した機能は有効にならず、左クリックは左クリックのまま、右クリックは右クリックのままになってしまいます。
これは、左右のクリックの設定が「Silent」として設定されており、設定が無視されてしまうからなのです。
必要な対策2:「Silent」を解除する
Silentを解除するためには、user.xmlと、デバイスの定義ファイル10000AC.xml(M570の場合)の両方を変更する必要があります。
まず、大本となる、10000AC.xmlを修正します。10000AC.xmlの中には、各ボタンに関する設定が記述されていますが、「Buttons>Button>Trigger>PARAM」タグに、「Silent」要素があります。左右クリックの場合、この値が「1」に設定されていると思います。このパラメーターは、SetPointを初めて使ったときに生成される設定ファイルuser.xmlに引き継がれます。そして、「Silent」が「1」のとき、設定した機能が無視されてしまうわけです。そこで、「Silent="1"」を「Silent="0"」に修正してください。
次に、すでに10000AC.xmlからの影響でSilentが書き込まれてしまっているuser.xmlを修正します。user.xmlには、ユーザによる設定内容がボタンごとに記録されている部分があり、「Buttons>Button>Trigger>Param」タグに、「Silent」要素があります。ここも、「Silent="1"」を「Silent="0"」に修正してください。
これで、左右クリックに設定した機能が有効になるはずです。
まとめ
左右クリック独特の拡張方法を二つ紹介しました。一つは「SWappButtons」で、もう一つが「Silent」です。
まず「SwappButtons」を修正することで、左右クリックの特別扱いを防ぎ、「ボタンの切り替え」が表示されてしまうことを防ぎます。
次に、SetPointで左右クリックにクリック以外の機能を有効にするために、「Silent」の指定を解除します。「Silent="1"」では、設定内容が無視されてしまうため、user.xmlとデバイスごとのxmlファイルについて、「Silent="0"」に修正します。。
左右クリックは、他のボタンに比べて扱いが複雑です。しかし、上記の2点に注意さえすれば、それらのボタンと同様に、選択した機能が働くようになります。拡張の幅も広がります。
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