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Yahoo!ニュースのトップに「LINEいじめ、親に代わり監視サービス 単語チェック」という記事が出ていて、LINEのメッセージを取得する方法の説明文が、すごい独自技術感のある説明になっていたのが気になったので、仕組みについて調べたことをメモしておきます。心当たりがあったこともあり、使ってみる前にすぐいろいろなことがわかりました。Yahoo!ニュースの記事に対して「脆弱性」「通信の秘密」「ルーターがどうこう」という単語が見受けられますが、それらのキーワードは誤解で、あまり関係ないと思われます。
目次
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通信内容を取得する仕組み
前述の記事中で、この監視サービスFiliiの仕組みが説明されています。
LINEは第三者にアプリ内の情報へのアクセスを許可する仕組みがないため、同様の監視は難しいと見られてきたが、スマートフォンの基本ソフト(OS)がLINE上でやりとりされたメッセージを一時保存している点に着目。専用アプリを通じて、このデータを取得する仕組みを考案した。 (引用元)
この書き方から、「考案した」となっていて、新しい技術のような気がしてしまうのですが、こんな説明文で説明することもできる同様の機能を持った既存アプリがすぐ思い浮かびました。それが「ちらみ」です。
「ちらみ」の仕組み
「ちらみ」は一時期かなり話題になったアプリで、Android版のみです。
このアプリは、LINEを既読にせずに読めるアプリです。
仕組みはというと、OS経由で表示される「通知メッセージ」の内容を取得して、アプリが貯めこむことで、アプリを直接開かずにトークを閲覧できるというものです。
「ちらみ」と同じ仕組と考えるとすんなり理解
さて、そういうアプリがあるのですが、実は、監視サービス「Filii」のアプリもAndroid版のみであるとわかりました(公式サイト)。
そして、先ほどの「スマートフォンの基本ソフト(OS)がLINE上でやりとりされたメッセージを一時保存している」というのも、結局「通知メッセージ」のことを指していると考えると、すんなり理解できます。
つまり、もっと新しい方法を使っているのかもしれませんが、普通に考えてとりあえず「ちらみ」と同じ仕組でFiliiが行っているメッセージ取得は実現できるのです。
「送信メッセージは取得していない」についても…
先ほどの記事には、次のような記述もあります。
子どもから友達に送ったメッセージは取得していない。 (引用元)
「へー、プライバシーか何かに配慮しているのかなー」と読む人もいるかもしれませんが、よくよく考えてみれば、通知からメッセージを取得するのだとしたら、当然通知に表示されるのは「受信」メッセージだけなので、「送信」メッセージなんてそもそも取得しようにも取得「できません」。
なので、このあたりからも、「あれ、これってちらみと同じじゃない?」って思えてしまったわけです。
よくよく考えれば、子どもをいじめから守るのだとしたら、送信メッセージに何が書いてあるか(「やめて」など)も一緒に分析したほうが良いと考えるのが普通でしょう。それを「しない」というところは、やはりそれだけで引っかかるところでした。
Filiiの監視回避についても
さらに、Android版Filiiが配布されているページに唯一1件だけあるレビューにはこう書かれています。
微妙 戻る連打してもアプリ閉じれない! あと、LINEの通知をフル通知にするか、設定→ユーザー補助→Finiiをオフにすると監視外せるよ(*^^*) 知られたくないカレとのトークは通知OFFにしたら絶対ばれない! (引用元)
キーワードをこちらで強調表示しましたが、まず「ユーザー補助」が気になります。実は、「ちらみ」が利用開始時に有効にしないといけない設定で、これを有効にしないと、通知内容を取得できない仕組みです(ちらみでは導入時に「通知バーの内容を保存するには現在、ユーザー補助サービスを利用する以外方法がないこと何卒ご理解下さい」と表示される)。ここからも、ちらみと同じ仕組みっぽさが感じられます。
また、「LINEの通知をフル通知にする」「通知OFFにしたら絶対ばれない」は、やはり通知経由でしか文章を取得できないということを感じさせます。
重要ないじめ関連メッセージを見逃す危険性
回避も何も、もともとユーザー(子ども)の同意のもとにアプリを導入し設定するアプリ・サービスなので、回避なんて簡単なのは当たり前です。
ただ、通知OFFになっていたら、メッセージを読むことができないのだとしたら、ここで気をつけたいのは、LINEにグループごとに通知をOFFにする設定があるということです。
もし、学校のクラスのグループでいじめられていたのだとしたら、その見たくない、いじめられているグループの通知だけをOFFにしてしまって、本当にいじめられているメッセージを取りこぼす場合が考えられるということです。そういう取りこぼしがあっても、ほかのメッセージが取れるだけまし、という考え方もありますが、そこそこ監視できているからと過信していると、実は一部が取得に失敗しているということに気が付けず、かえって安心しすぎてしまって油断するかもな、と思いました。
Filiiを使ってみようかな?
Yahoo!ニュースで見かけた記事のすごい新技術感ある言い回し読んで仕組みが気になって、とりあえずアプリのページを見たりしてみたわけですが、よく分からなければ使ってみたはずが、使ってみなくてもだいぶ仕組みの予想がついてしまったので、だいぶ仕組みに対する興味がなくなってしまったのですが、試しに後で使ってみようかと思います。
実際に使ってみた(速報)
別掲記事も書きますが、とりあえず使ってみました(使えるようになるまで数十分。うまくできないし説明変だし手順複雑だしでとりあえず難しすぎ。保護者がインストールに成功できるかどうかで振り分けられる模様)。
そこで、初期設定の最後に「通知記録を有効にする」という設定を有効にするプロセスがあったので、この記事で予想した「通知を読み取っている」で正解だったようです。
以下、その他メモ。
通知設定を「新着メッセージがあります」しか表示しないようにした結果、Filiiも「新着メッセージがあります」っていう言葉を取得してた。やっぱり通知設定次第。
— did2 (@did2memo) 2014, 7月 4
通知オフだとFiliiが取得できていないことを確認。
— did2 (@did2memo) 2014, 7月 4
トーク画面を表示したまま普通にトークをしていると、通知設定ONでももちろん通知が来ないわけだけど、当然それもFiliiは取得できていない。つまり、普通にLINEで会話しているのを取得できない模様。
— did2 (@did2memo) 2014, 7月 4
というわけで、「何トーク(受信)かに1つ監視できればOK」というスタンスでの使い方が推奨されます。全力で親に監視してもらおうと思ったら、トークを1つ受信するたびにLINEアプリを閉じて通知が表示される状態で待っていなければならない。
取得したトーク内容の表示欄の名前が「通知履歴表示」だからまぁ当然なのだけど。
— did2 (@did2memo) 2014, 7月 4
アプリの説明文に「取得データ履歴表示」と書かれていて、取得したデータの履歴を表示している機能があるはずで、このアプリシンプル過ぎて「通知履歴表示」しかないので、「取得データ履歴」=「通知履歴」という理解で良さそう。
(1) 取得データ履歴表示
履歴表示機能では、本アプリが取得したデータの履歴を閲覧できます。
※本機能で通知履歴を閲覧しても、データ取得元のアプリには『既読』が付きませんのでご注意ください。 (引用元)
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