情報科学屋さんを目指す人のメモ

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メルカリ等が提供する「匿名配送」を使えば本当に住所がバレずに安全なのか心配してみる

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フリマアプリ「メルカリ」などで利用される匿名配送とは、サービス側と配送業者が連携して仲介することで、出品者と購入者が、お互いの住所を知られることなく、商品を送ることのできる仕組み/サービスです。

例えばメルカリとヤマト運輸の連携を例に、ざっくり仕組みを説明すると、まず出品者は、商品の入った荷物をヤマトに預ける際、購入者の住所を知りません(専用伝票にも、住所は表示されません)。しかしその代わりに、メルカリが直接、ヤマト運輸に購入者の住所情報を提供します。こうして、出品者が購入者の住所を知らずとも、荷物が無事届く、という仕組みです。

匿名配送サービスとは、出品者・購入者ともに互いの住所や氏名などの個人情報を
伝えることなく配送ができる
安心・安全な配送サービスです。
「らくらくメルカリ便」の利用時には、配送ラベルに互いの個人情報が記載されることなく
荷物が配送
されます。 引用元

この点、一人暮らしの女性には特に安心なのかなー、と思ったりするのですが、ストーカー関連の事件を思い出したり、実際に心配している女性の声を見聞きすると、これで本当に安心なのか?と思ってしまいました。

そこで今回は、ぱっと思い付いた(きっと思い付く人多いはず)、こういう場合どうなるの?という心配を書いておきます。

実際対策済みなのかも知れませんし、そうじゃないのかもしれませんが、普通に思い付く懸念で気になってしまいます。

ざっくりまとめ

「ツイッターで気になる女性に、○○ならメルカリで安く譲ろうか?と声をかける」 →「『匿名配送』使うから安心だよ、で攻略」
→「荷物にiPhone仕込む」
→「iPhoneを探す機能で家を特定する」
→匿名配送でも油断禁物

比較対象は、「○○をあげるから住所教えて」とか。初っぱなの違和感・不信感を信じるべき。

匿名配送サービスの例

「住所バレが心配」の声

実際、住所バレを心配するユーザーが、匿名配送サービスを利用したり、利用したいと思っている様子を見つけることができます。

知恵袋ですが、次のようなやりとりもあります。

メルカリについて
高校生です。少しマニアックなものを譲って欲しいと言われました。


住所を特定されストーカーされたりトラブルに巻き込まれるのが怖いので住所を書かずに郵送したいのですが、それは可能でしょうか? 引用元

これに対するベストアンサーが「らくらくメルカリ便なら匿名配送で送れます」であり、質問者から「ありがとうございました(^^)」と返信されています。

この感覚はとてもよく分かりますし、この「匿名配送」機能の有無は、個人間の売買に参加するユーザーの総数に大きな影響を与えるものと思います。

疑問:荷物にGPSを入れたらどうなるの?

ここで、ふと、「荷物にGPSを入れたら、購入者の住んでいる場所が分かっちゃうのでは?」と思いました。

事前に売る相手を選択

もちろん出品者側は事前に、買う相手を、目的の相手に設定しておきます。例えば、女子高校生が買いそうな物を出品したり。他にも、お目当ての人に Twitterで声をかけて、匿名出品で出すよ、といって欲しがっているものを安く譲ることにして、目当ての人物を、メルカリの匿名出品の受け取り側にします。ここが重要なことですが、普通なら「知らない人から安く譲るって言われた怖い」となる部分に関して、「匿名出品だから大丈夫だよ」という言葉が非常に強力に作用するのではないでしょうか。

iPhoneを探すを悪用されたりして

さて、GPSが入っていたら、という話に戻します。

「GPS」というと特別なものの気がしますが、早い話、「iPhoneを探す」の設定がオンの状態のiPhoneで十分です。

現在のiPhoneの位置を、パソコンから簡単に調べることができます

「わざわざそんなことを…」と考えると面倒かもしれませんが、ニュースで見聞きするストーカーの話を思い浮かべると、iPhoneを入れるだけなんて、とっても簡単!に思えてしまいます

先ほどの例ではTwitterでしたが、Twitterでも他のSNSでも出会い系でも、そこから「メルカリの匿名配送なら安心だよ」のコンボで、ストーカーしたい欲求の高い相手を匿名配送に連れ込んだのであれば、そのあたりの追跡モチベーションも上がることでしょう。

中身はチェックされるの?

では、その作戦が成功するのか、考えてみます。

クロネコヤマトの「航空搭載できない商品」には、ずばり「GPS・携帯電話(スイッチONの状態)」があり、航空便が使われるのであれば、発見されてしまい、届かなくなってしまいそうです。

航空便を使わない場合はどうなのでしょうか。

ヤマトの営業所やファミリーマートでの匿名配送(らくらくメルカリ便)を受け付けて、荷物を受け取るタイミングで箱の中身がチェックされたり、なんてこと、あるのでしょうか。なさそうです。

通常の配送のことを考えてみると、荷物は記載された住所の通り届くので、もとから住所など知られており、別にGPSの存在をチェックする必要はあまり重要ではないと思われます。なので、そのようなチェックはなさそうです。

匿名配送というサービスに限って特別に、GPSの有無が重要だから中身をチェックしている、なんてことがあったらよいのですが、正直、あくまで「らくらくメルカリ便(匿名配送)」は、「宅急便・宅急便コンパクト・ネコポスを使う」というサービスに過ぎないので、そのあたりは、通常と同じで、通常がノーチェックなら、匿名配送でもノーチェックのような気がします。

受け取り拒否させる

実際にGPS(iPhone)搭載の荷物が、購入者の家にまで届いたとします。

しかし、例えば発送者から購入者に、「入れる荷物を間違えて送っちゃったから、もし届いたら受け取り拒否をして!キャンセルすしから!キャンセルしてくれたら、もう一度専用で出すから!」と連絡すれば、巧妙に忍ばせたiPhoneを回収できてしまい、気が付かれない、ということができそうです。

究極、配達のトラックごとリアルタイム追跡

しかしこの受け取り拒否の方法だと、すぐ購入者の家から離れてしまい、どこが家なのか、GPSの記録だけからは分かりにくいかもしれません分かるかも知れない)。

ただ、究極、iPhoneを探すの地図を見ながらトラックごと追いかけられたら、ばっちり住所・部屋番号まで特定できてしまうかも知れません。

考えすぎ?

考えすぎ、なのでしょうか。

だとすると、もっと「匿名配送」のことをライトに考えて、「住所が印刷されないの嬉しい!他は今までと一緒!(or今まで以上が何かあるかも)」と思って使えばいい、と割り切れば良いのかも知れません。

「匿名配送だから安心」については、しっかり線引きを考えた方が良さそうです。

ひとこと

そういえば最近、次の記事を書いているとき、古物商の人がつける義務(条件あり)のある「古物台帳」というものの存在を知りました。

古物台帳には住所を書くらしいので、だから「匿名配送」の利用には注意、ってことなのですね。

次は、ヤマトの「オークション宅急便」の注意書き:

【ご注意】
古物商の方は古物営業法により本サービスがご利用できない場合がございます。
古物営業法をよくご確認のうえご利用ください。 引用元

参考

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