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自作PCを新しくして以来、マウスをクリックしてから実際に反応するまでの時間が遅く(遅延が大きく)、細かい操作に失敗するケースが目立つようになってしまっていました(※ロジクール ワイヤレストラックボール M570t を利用)。
例えば、ドラッグして文字を選択しようとした際に、ドラッグの開始判定が遅れるため、先頭の1文字を飛ばして選択してしまったり、ドラッグして矩形選択をしようとしたときに、少しズレた範囲を選択してしまう、ドラッグしてウィンドウを移動しようとしたときにクリックの反応が遅れ、別の場所をドラッグしてしまって空振りしてしまう、といった問題が発生していました。
気になりはするものの、ゆっくり操作すれば問題ないことからそのままにしていたのですが、今回改めていろいろ試してみた結果、その原因が分かったので、原因と対策について書いておきます。
今回判明した原因と対策は少々特殊なものだったのですが、別の原因の特定にもつながる何かヒントになればと思います。
目次
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マウスクリックが遅延する
先ほど具体例を紹介した通り、マウスをクリックしてから、「マウスを押した」と判定されるまでの遅れが発生し、うまく意図した通りドラッグ操作できない問題が発生していました。
特に気になるのが、「画像の一部を長方形で囲む」という画像編集を行う際に、「左上の頂点からドラッグを開始して、右下の頂点の位置までドラッグしてボタンを離す」という操作をするのですが、こちらがうまく行かないことでした。「左上の頂点」の位置が狙った長方形より内側にずれてしまう問題が頻発してしまっていました。マウスをクリックしてから実際にマウスをクリックしたと判定されるまでに遅れがあり、その結果、少し遅れてドラッグが開始され、位置がずれてしまいます。
対策の検討
今まではあまり気にせず、マウスを押してからマウスカーソルを動かし始めるまで、ほんの少し待つことで問題を回避していました。
しかし、いよいよどうにかできないかといろいろ試してみることにしました。
試してみても効果がなかった対策
利用しているのは「ロジクール ワイヤレストラックボール M570t」というワイヤレストラックボールです(※接続方式はBluetoothではなくロジクール独自のものなのですが、受信機をUSB接続しているなど、似ているものです)。
そこでまず、マウス操作がしにくい際によく行う、受信機をトラックボール本体に近づけるという対策を行ってみましたが、遅延問題は解消しませんでした。
また、同様の対策手順として効果があるかと思った電池の交換も行ってみましたが、こちらも遅延問題に効果はありませんでした。
他にも、CPU利用率が高かったChromeを終了してみたり、ウイルス対策ソフトを疑ってみたりしたのですが、特に原因は特定できませんでした。
また、OSの再インストール(Windowsの再インストール)や、ドライバの変更も試してみようかと思ったのですが、大がかりすぎたりするのでひとまずその対策は見送りました。
そして、ロジクールが提供しているマウスの設定用ソフトウェア(SetPoint)の設定変更なども試してみようかと思ったのですが、効果がありそうな設定は見つけられませんでした。
クリック長押し時のみ(ドラッグ開始のみ)遅延している
このあたりで、「本当に遅延しているのかな?」、マウスクリックイベントをテストするページなどを使って、クリック後反応するまでの遅延の様子を見てみたのですが、ここでひとつ重要なことに気が付きました。
それは、今まで「クリックの反応が遅い」と思っていたものが、よくよく考えてみればあくまで「ドラッグの時だけ」だ、ということでした。
特に、単純にリンクをクリックするような「シングルクリック」であれば、気になる遅延は全くないものの、「長押し」操作に対してUIが反応するまでにかかる時間が長い、ということに気が付きました。
つまり、マウスをクリックしてから「これはシングルクリックではなく長押しである」という判定にやたらと余裕がある状態でした。
何かマウス操作をいじるソフトによる悪影響が発生している?
この挙動から、マウス操作の挙動を変更する(フックする)ソフトの影響が出ているのでは?という仮説が思い浮かびました。
AutoHotkey、Wheel Ballと確認してみると...→解消
そこで、マウス操作をフックしているようなソフトとして、まず「AutoHotkey(キーボードの挙動をカスタマイズするために使用)」を切ってみました。しかし改善はしませんでした。
次に、ホイールが搭載されていないトラックボールマウス(自分の場合はTM-150)でホイール操作を実現する(ボタンを押しながらボールを転がすことでホイール操作扱いになる)ために利用していた「Whell Ball」をオフにしてみました。すると、マウスクリックを長押しした際に発生するUIの変化がすぐに発生するようになり、ドラッグ操作に伴う遅延が解消されていることが確認できました。
※もともと、問題が発生することを確実に確かめること自体難しく、なかなか改善されたのかどうなのか分かりにくかったのですが(意識しすぎるとドラッグに問題発生しているのか、単なる意識しすぎなのか、よく分からなくなる)、例えばChromeで現在選択中ではないタブを長押ししてみると、今まではタブが切り替わるまで明らかな待ち時間が発生していたのが、シングルクリックと同じように反応してくれることで、変化を確かめることができました。
Wheel Ball無効化で解消
こうして原因が、自分が導入していたソフトの挙動/相性などによるもので、そちらを無効化するという対策で回避できるということが分かりました。
この結果だけ見ると、「どうして今まで気が付かなかったのか」と思ってしまうのですが、自作PCを新しくした際にこの問題が発生するようになったものの、Wheel Ball自体は以前利用していた自作PCでもずっと利用しており、そちらではこの問題は発生していなかったので、原因としてなかなか気が付くことができていませんでした。また、Wheel Ballが動作するのはX1/X2ボタンをクリックしたときであり、左クリックには影響がないはずで、このあたりも見落としやすくなっていた原因のひとつかな、と思います。
※なお、新しいPCではTM-150を今のところ利用していない関係上、無効化しても特に問題がなく、特に代替ソフトウェアを用意する必要はありませんでした。というわけで、あっさりと解決です。
今まで大丈夫だったソフトでもマウス操作に影響がありそうなソフトを探して無効化してみると良いかも
今回、「Wheel Ball」という最近は利用している人が減っているかと思われる特定のソフトを無効化することで解決、という「特殊なパターン」での解決だったのですが、今まで問題がなかったソフトウェアであっても、ハードウェアの変更や、Windowsのアップデートなどの影響で、マウス操作の違和感・遅延などにつながるケースがあるということの例となっています。
似たような問題に遭遇した際は、「前から使っているから」といったこと関係なく、マウス操作に関係しているものがなかったかを思い出して(私はもはや使っていなかったので、有効になっていること自体記憶が薄くなってしまっていました)、一度無効化してみると良いかも知れません。
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