情報科学屋さんを目指す人のメモ

方法・手順・解説を書き残すブログ。私と同じことを繰り返さずに済むように。

PowerDVD:ブルーレイディスクが再生できない問題の症状と対策

Blu-ray (3) CyberLink PowerDVD (3) CyberLink PowerDVD 13 (2) Windows (498) Windows 10 (262)

ブルーレイドライブ BDR-S08J に同梱されていた PowerDVD を使って Bru-ray ディスク(映画)を再生しようとしたところ、全く再生できませんでした。そこで、いろいろ試し、解決することができたので、紹介します。

最終的に再生できて思ったのは、BDR-S08J の再生時の静音性です。もっとすごい読み込み音がブォーンとするのかと思いきや、スピンアップ時の音すら気が付かないレベルでした。今まで使っていた光学ドライブと違いすぎて驚愕です。

マシンスペック

今回の問題と関係がありそうなスペックは以下の通りです。

  • OS:Windows 8.1
  • マザーボード:ASUS Z87-PRO
    • サウンド:Realtek ALC1150 8-Channel High Definition Audio CODEC (Optical S/PDIF 接続)
  • Intel Core i7 4770K
    • 内蔵GPU:Intel Graphics 4600
  • グラフィックカード1:玄人志向 Radeon HD7750 1GB PCI-E RH7750-E1GHD/A
  • グラフィックカード2:玄人志向 Radeon HD7750 1GB PCI-E RH7750-E1GHD/A
  • グラフィックカード3:Sapphire Radeon HD 3650 512MB GDDR3 PCIE
  • ディスプレイ1:Dell 2209WA (DVI)
  • ディスプレイ2:Dell U2412M (DVI)
  • ディスプレイ3:Dell U2412M (DVI)
  • ディスプレイ4:Dell U2713HM (DisplayPort)
  • ディスプレイ5:Dell U2713HM (DisplayPort)
  • ディスプレイ6:IO-DATA LCD-AD221X (DVI)
  • ディスプレイ7:IO-DATA LCD-AD194G (DVI)

症状1:利用不可

人気のパイオニア製日本産(十和田産)ブルーレイドライブ「Pioneer BDR-SO8J-KR」に同梱されていたPowerDVD v10をアップデートして(パッチを当てて)PowerDVD 10.0.5508.52にしました。しかし、ブルーレイディスクを再生しようとボタンを押すと、「(i)使用不可」と表示されて、再生できません。画面は全体真っ黒で、音は全く出ません。

症状2:グラフィックドラーバーに互換性がありません

マルチモニタ環境なので、いくつかのモニタで再生に挑戦してみると、オンボード出力のモニターでは、次のようなエラーが出ることもありました。

お使いのグラフィックドライバーは互換性がないため、再生が停止されました。グラフィックドライバーが最小要件を満たしているか確認してください。CyberLink WebサイトのFAQで追加情報を見ることもできます(コード=0012)。詳しくは、BD Advisor ツールを実行してください。

症状3:15秒くらいだけ再生されるけど何も映らないし音も出ない

再生してみると、14秒だけシークバーが動いて、…でも何も映らず音も出ずに終わる、という状態になりました。冒頭の注意表示などに相当する部分なのだと思います。再生が終わると、そのまま停止してしまいます。

対策1:ブルーレイドライブのファームウェアアップデート

BDR-S08J_FW130EUJ.exeをダウンロードして、ブルーレイドライブのファームウェアアップデートを行いました。

PIONEER BD-RW BDR-S08 1.10 (2012/08/28)のドライブを
PIONEER BD-RW BDR-S08 1.30 (2013/07/08)にアップデートします

ただし、改善はされませんでした。

対策2:ATOK 2013からMS-IMEに変更する

ATOK 2013との相性問題が公式FAQに書かれていたので、ATOK 2013からMS-IMEに、標準を変更してみました。しかし、効果はありませんでした。

対策3:シングルモニタにする

全部で7台接続されていたモニタを6枚抜いて、1枚だけにしました。このとき、最後の1枚は、オンボードではなく、グラフィックカードの新しいほうだけにしました。DisplayPortです。

対策4:PowerDVD 13にアップグレード

PowerDVD v10 10.0.5508.52 から、 PowerDVD 13 13.0.3520.58 にアップデートしました。

無料じゃないので、お支払いはこんな感じです。

PowerDVD 13 Ultra アップグレード版 - バージョン10以下(ダウンロード)、ダウンロード版、11,000円→5,300円
PowerDVD Remote、ライセンス、499円→0円
PowerDVD Mobile (Ultra番専用)、プロダクトキー、1,699円→0円
拡張ダウンロードサービス 699円

明らかに拡張ダウンロードサービスは買う必要がありませんでした。そして、結局これでも同じように、短い時間だけシークバーが動き、画面は真っ暗のままでした。

対策5:サウンドドライバのアップデート

マザーボード(ASUS Z87-PRO)の公式ページから、サウンド用のドライバRealtek_Audio_Win8-1_VER6017023をダウンロードしてきて、インストールしました。とくに変化無し。

対策6:シネマモードにしてみる

ネットを見てみると、症状は異なるものの、シネマモードにしたら直ったという報告が多かったので、それを試してみました。

再生画面の右上にあったテレビみたいなアイコンをクリックすると、クラシックモードからシネマモード(タブレットのタッチパネル操作やリモコン操作に最適化したインターフェース)に切り替えることができました。しかし、これでも特に改善されず、それどころかシネマモードに切り替えるとPowerDVDが固まってしまい、タスクマネージャから終了させる羽目になったりしてしまいました。

対策7:TrueTheaterを使う

遂に効果があったのがこの対策です。

クラシックモードにある<○>みたいなアイコンをクリックして、「可能時にハードウェアアクセラレーションでコーディングを有効にする」から「TrueTheaterエンハンスメント適用のソフトウェアでコーディングを使用する」に切り替え、TrueTheaterテクノロジを使うようにしてみました。

シネマモードの場合は、同じ<○>のアイコンで「ハードウェアアクセラレーション」から「TrueTheater(自動)」もしくは「TrueTheater(カスタム)」に変更します。

すると、遂に映像が再生できるようになりました。ハードウェアアクセラレーションに問題があったようです。グラフィックドライバ周りの問題かも知れません。再生時CPU使用率などは末尾のメモに。

しかし、音声は未だに再生されません。ただし、大きな進歩です。ちなみに、このとき音声は光出力(S/PDIF)を使っていました。

確認:再生情報

このとき、再生情報は次のようになっていました。

プレイヤー情報
プレイヤーリージョンコード:指定されていません
現在のドライブ:M

ディスプレイ情報:
動画モード:プログレッシブ
ディスプレイモード:DirectDraw
FourCC コード:YUY2
サーフェイスタイプ:Overlay

プライマリービデオ属性:
動画圧縮モード:MPEG-4 AVC (DxVA off)
縦横比: 16:9
ソース画像の解像度: 1920x1080
フレームレート:23.00

オーディオ属性:利用できません

ハードウェア情報:
プロセッサー:Intel(R) Core(TM) i7-4770K CPU @ を 3497 MHz で実行する
3DNow! テクノロジー 検出されませんでした
エンハンスド 3DNow! テクノロジー:検出されませんでした
3DNow! プロフェッショナル テクノロジー: 検出されませんでした
iA MMX テクノロジー:使用中
IA ストリーミング SIMD 拡張命令:使用中
iA SSE 2:使用中
ビデオ アクセラレーター: DirectX VA (使用中)
マルチ スピーカー オーディオ デバイス: 検出されませんでした
S/PDIF 出力デバイス: Realtek Digital Output(Optical) (Realtek High Definition Audio) (使用中)

オーディオ属性が「利用できません」となっているところが、いかにも怪しい感じです。

対策:再生デバイスの設定を変更する

この時点でオーディオデバイスドライバは最新なので、とりあえず再生デバイス設定を見てみることにしました。

まず、タスクトレイにあるスピーカーアイコンを右クリックして「再生デバイス」を開きます。

そうすると「サウンド」の「再生」タブが開くので、現在利用しているデバイス「Realtek Digital Output(Optical)」のプロパティを開きます。

とりあえず、全体の設定を思い切りいじってみました。

まず、「サポートされている形式」の「サンプルレート」で、初期設定では「48.0 kHz」しかチェックされていないところを、とりあえず全て、つまり「44.1 kHz、48.0 kHz、96.0 kHz、192.0 kHz」とチェックしてみました。

そして、「詳細」タブで、「排他モード」の「アプリケーションによりこのデバイスを排他的に制御できるようにする」と「排他モードのアプリケーションを優先する」のチェックを外しました。この排他制御の設定が、音声が出ない問題を回避する設定だったようです

副作用対策:サンプリングレートを元に戻す

ただ、この設定だと、PowerDVDの音声は気にならないものの、Windowsのサウンドなどが、バネを介したような「ぽよよよーん」と響く音になってしまったので、サンプリングレートを48.0 kHzだけに戻しました。これでばっちり映画鑑賞ができるようになりました。

復元:ATOK 2013を標準に戻す

ATOK 2013を、標準IMEに設定し直しました。とくに問題は発生しませんでした。

復元:モニタを接続する

さて、ここまでシングルモニタで作業をしていたので、順にモニタを接続して、7画面に戻します。

その結果、無事7画面でもブルーレイを再生できるようになりました。全画面表示にしても問題ありません。

残る問題

ただし、若干の問題は残っています。

問題:オンボード接続のディスプレイで再生できない

Intel Graphics 4600に接続しているモニタで再生しようとすると、「グラフィックカードドライバーは互換性がないため…」のエラーが健在です。また、再生中にそのモニタに移動すると、「3D再生を有効にできませんでした…」というエラーと共に再生が終了します。ただ、わざわざサブのサブ的に使っているIntel Graphics 4600に接続しているモニタで再生できる必要はないので、特に気にしません。

問題:通常の方法で終了できない

もう一つの問題が、バツボタンを押しても、再生は終了するものの、再生画面の前の画面に戻っても画面が閉じられず、操作不能のまま残ってしまうことです。

なので、今のところ、終了するときに固まってしまった状態から、タスクマネージャで強制終了することにしています。

メモ

その他の情報です。

パフォーマンスの最適化

たまに、次の画面が表示されます。

パフォーマンスの最適化
スムーズ&高画質で再生するには、[はい]をクリックします。画面解像度は動画を停止するまで一時的に低下します。

再生時の負荷・CPU使用率について

再生時のCPU使用率は、およそ12%前後、メモリ使用量は743.6MB+42.9MB+181.7MBでした(変動せず)。

Intel Core i7 4770K が 論理8コアで動作しているので、12%前後となると、1コアを100%使っている気もしてしまいますが、実際には8コアをまんべんなく使っているようでした。

コメント(1)

  1. 坂井 圭
    2019年7月20日(土) 10:45

    初めてです。DVDを入れているのに、ディスクがはいっていません、と表示され、再生できません。解決法を教えてください。坂井

新しいコメントを投稿