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LaTeXインストール記事に従ってインストールした際に、web2c-lib.tar.xzが足りないことがわかり、それについて調べたのでメモします。最終的に、旧バージョンを探して、その旧バージョンのURLをダウンロード先として指定してインストール作業を行うことで解決しました。
目次
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対策
現在の最も簡単な対策は、インストール時のURL設定で、次の画面の通り「http://eplang.jp/w32tex/archive/2014/07/01/current/」を設定することです。
既にインストール済みの場合は、再びabtexinstを起動してそのままインストール作業を進めると、再インストールになります。序盤の設定画面で画像の通り、「http://eplang.jp/w32tex/archive/2014/07/01/current/」を設定して先に進めます。
この対策に至った経緯は、この続きに書いてあります。
以下、本編です。
エラー
現状、web2c-lib.tar.xz(.tar."g"zではない)が存在しない影響で、「Could not find encoding file “H”.」エラーにつながったと推測されています。経緯は次の記事へ。
ミラーサーバー上に存在せず
その記事のコメント欄を見てもらうとわかるのですが、adobemappingフォルダとcmr10.tmfがインストールされていないことが分かりました。そして、ちょうど両方が含まれていた web2c-lib.tar.xz が、現在「http://www.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/current/」などを確認してみても、存在しない(消えている)ことがわかりました。
ChangeLogに記載なし
ChangeLog(ミラーサーバー上・公式ページ上)を見てみると、もともとかなり頻繁に更新されており、ここ数日間も更新されていることが分かりました。web2c-lib.tar.xzに関する最新の記述は次のものです。
[2014/07/05]
(01) web2c-lib.tar.xz
Update hyph-utf8, language.dat, language.dat.lua, and language.def.
これ以降は何も書かれていないので、削除されたとは思えません。あるとしたら、間違って消してしまったのではないかと思われます(いくつか見たミラーサーバーすべてで消えていたので、オリジナル上で削除されたのかと)。
再インストールから症状再現まで
とりあえず、この状態で再インストールしてみることにしました。
インストールに成功した状態から、w32texフォルダを削除して、もう一度abtexinstを実行してw32texを再インストールしました。
AbTeXinst.exe
不明なエラーが発生.ログファイルを見ると何かわかるかもしれません
が表示されてしまい、ログには情報ファイルの発見に失敗と表示されました。
W32TeXの情報取得開始
情報ファイルの発見に失敗
なので、代わりにw32texのダウンロードURLを「ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/current/」に変更して再チャレンジすると、情報の取得に成功して、「インストールファイルの選択」になりました。
この時点で、ダウンロード対象のファイルリストにweb2c-lib.tar.xzは当然存在しません。
その他のソフトウェアでTeXworksにチェックを入れておいて、インストールを開始しました。
GSviewは既にインストールされています.アンインストールしますか?
アンインストールするなら「はい」を,
せずにインストールするなら「いいえ」を,
インストールしないならば「キャンセル」を押してください
が出たので、「はい」を押すと、アンインストーラが開始されるので、手順に従ってGSviewを一度アンインストールしました。
dvioutは既にインストールされています.アンインストールしますか?
アンインストールするなら「はい」を,
せずにインストールするなら「いいえ」を,
インストールしないならば「キャンセル」を押してください.
また,アップデートの時も「いいえ」を選んでください
も出たので、「はい」→「OK」として、インストールが完了しました。
- W32TeX: 成功
- dviout: 成功
- dvioutの設定: 成功
- Ghostscript: インストールしていない
- GSview: 成功
- 環境変数: 不要
- その他のソフトウェア: 成功
となりました。
ここからTeXworksを設定してpaper.texを作ってみると、遂に「dvipdfmx:fatal: Could not find encoding file “H”.」が再現されました。
旧バージョンを探す
というわけで、現状エラーが出てしまうので、旧バージョンをインストールできればなぁ、ということになりました。
しかし、 http://www.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/current/ などには、currentディレクトリはあるものの、旧バージョンはありませんでした。
そこで、もう少し探してみると、「http://ftp.kddilabs.jp/TeX/ptex-win32.old/current/」に、2009年のバージョンがありました。
しかし、ちょっと古すぎるのでもう一度探してみると、「http://eplang.jp/w32tex/archive/」で過去バージョンが配布されていることが分かりました。
このページは、毎日最新版を取得してアーカイブしてくれているようで、助かります。
とりあえず、「http://eplang.jp/w32tex/archive/2014/07/01/current/」という2014年7月1日版のディレクトリが見つけられました。このあたりなら問題なさそうですし、web2c-lib.tar.xzも存在します。
旧バージョンを試す
というわけで、この「http://eplang.jp/w32tex/archive/2014/07/01/current/」を試してみることにしました。
abtexinstを使ったインストール手順の序盤の「W32TeXのインストール設定を行います」の「URL」で、「一覧以外を使う」を選択して、「http://eplang.jp/w32tex/archive/2014/07/01/current/」を入力して、先ほどと同じように再インストールを行いました(gsviewなどのURLは変更せず)。
成功
これでTeXworksから再び実行してみると、見事にエラーが出ずにpdf化出来ました。
付録
以下、資料を設置しておきます。
現時点でのファイルリスト
http://www.ring.gr.jp/pub/text/TeX/ptex-win32/current/ に現時点(エラーが出た)で置いてあるファイル・フォルダの一覧です。
- 00FILES.euc
- 00FILES.sjis
- ChangeLog
- ChangeLog.0
- ChangeLog.1
- ChangeLog.2
- ChangeLog.3
- TLW64/
- aleph-w32.tar.xz
- biblatex-biber.tar.xz
- cjkzr.tar.xz
- context-doc.tar.xz
- context.tar.xz
- cweb-w32.tar.xz
- dvi2ps-w32.tar.xz
- dvi2tty-w32.tar.xz
- dvipdfm-w32.tar.xz
- dvipsk-w32.tar.xz
- dvitools-w32.tar.xz
- gtftex.zip
- jtex-w32.tar.xz
- latex.tar.xz
- lcdf-typetools-w32.tar.xz
- ltxpkgs.tar.xz
- luajittex-w32.tar.xz
- luatex-dev-w32.tar.xz
- luatex-w32.tar.xz
- luatexja.tar.xz
- m-tx.tar.xz
- makeindex-w32.tar.xz
- manual.tar.xz
- mftools.tar.xz
- mftrace-w32.tar.xz
- newtxpx-boondoxfonts.tar.xz
- omegaj-w32.tar.xz
- otf.tar.xz
- otfbeta.tar.xz
- otfdevel.tar.xz
- pdftex-w32.tar.xz
- pgfcontrib.tar.xz
- plain2-2.54-w32.tar.xz
- platex.tar.xz
- pmx.tar.xz
- pstoedit-w32.tar.xz
- pstricks.tar.xz
- psutils-w32.tar.xz
- ptex-w32.tar.xz
- qpdf-w32.tar.xz
- sam2p-w32.tar.xz
- t1fonts.tar.xz
- t1utils-w32.tar.xz
- tex-gyre.tar.xz
- tex4htk-w32.tar.xz
- texinfotools-w32.tar.xz
- texinst2014.zip
- textrace-w32.zip
- tiff2png-w32.tar.xz
- timesnew.tar.xz
- ttf2pk-w32.tar.xz
- ttf2pt1-w32.tar.xz
- txpx-pazofonts.tar.xz
- txtutil.tar.xz
- ums.tar.xz
- unzip.exe
- uptex-w32.tar.xz
- utf.tar.xz
- vf-a2bk.tar.xz
- vf-n2bk.tar.xz
- w32tex-src.tar.xz
- web2c-w32.tar.xz
- win64/
- xetex-w32.tar.xz
- xindy-w32.tar.xz
- xymtex.tar.xz
- xypic.tar.xz
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2014年7月12日(土) 00:02
記事の方法を試したところ、エラーなくPDF化する事が出来ました。
迅速な対応に感謝します。
ありがとうございました。
2014年7月12日(土) 02:26
私も上記の対処でPDF出力まで行えるようになりました.
とても助かりました.
詳しく調査していただき,ありがとうございました.
2014年7月16日(水) 00:55
7/9辺りにこのサイトの方法でTeXを使うためのインストールをして見事に引っ掛かった者です。
TeXが使えなくて、調べて自分でいじってみてもどうにもならず途方に暮れていましたが、迅速な対応と調査のお陰で自分もPDFが出力できるようになりました。ありがとうございました。
2015年5月25日(月) 05:27
E:\w32tex\share\texmf-dist\fonts\cmap\adobemapping
E:\w32tex\share\texmf-dist\web2c\texmf.cnfにCMAPFONTSを検索しその後ろに
;E:\w32tex\share\texmf-dist\fonts\cmap\adobemapping//
と2本/を入れて保存してmktexlsrすればよい。2本いれるのがポイント。
もしなければtexworks下にある同じフォルダをコピーすればいい
以上w32tex の2013年12月のものの場合である。