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機種変更をしたときや、修理をしたときには、iPhoneのデータをバックアップし、新しいiPhoneへとデータを引き継ぐことになります。iPhoneの場合、データバックアップにはiCloudを使う方法と、iTunesを使う方法があるのですが、iTunesのほうがバックアップに信頼がおける一方で、パソコンが必要なので、パソコンを持っていない人はできない、という問題点があります。そこで今回は、iPhoneを修理したついでに、パソコンを持っていない人の気持ちになって、iCloudバックアップを使用し、iCloudから復元するとどうなるのか、というデータの引き継ぎ実験を試みました。その実験結果と、アプリデータの移行具合に関する傾向について、紹介します。
目次
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iCloudバックアップの手順
iCloudからの復元手順
初期化する
機種変更にしろ、修理にしろ、一般的にAppleストアや、各キャリア、家電量販店では、動作確認の意味もあって、店員さんが初期設定をしてしまいます。
しかし、復元は、その初期設定の最初の段階で行うので、その最初の段階に戻るべく、まず最初に「初期化」してしまいます。
iPhoneの初期化は、「ホーム画面>設定>一般>リセット>すべてのコンテンツと設定を消去」から行います。
繰り返し確認画面が表示されるので、2回「iPhoneを消去」をタップしてください。リンゴ画面が表示され、初期化が行われます。
初期設定を行う
初期化が完了したら、iCloudからの復元を行う前に、最低限の初期設定を行います。
「こんにちは(Hello)」が表示されたら画面をスライドさせて、「日本語」を選択します。
「国または地域を選択」でも「日本」を選択します。
「キーボード」は、「日本語かな」のみを選択して「次へ」をタップしました。
「Wi-Fiネットワークを選択」と表示されるので、利用可能なWi-Fiを選択し、パスワードを入力して「接続」をタップしてください。
「位置情報サービス」では「位置情報サービスをオンにする」を選択します。
iCloudからの復元開始
ここまでの初期設定を終えると、いよいよ復元のメニューが表示されます。選択肢は以下の3つです。
- 新しいiPhoneとして設定
- iCloudバックアップから復元
- iTunesバックアップから復元
今回は、「iCloudバックアップから復元」をタップします。
「iCloudサインイン」が表示されるので、「Apple ID」と「パスワード」を入力して「次へ」をタップします。
「利用規約」が表示されるので、読んで「同意する」をタップし、確認画面でも「同意する」をタップします。
バックアップを選択
すると、「新しいApple IDの設定には数分かかる場合があります…」が少し表示されたあと、「バックアップを選択」画面が表示されます。
この画面には、「iPhoneの最新のバックアップ」と「その他のバックアップ」に分類された、iCloudに保存されたバックアップデータの一覧が表示されます。
復元したいバックアップをタップします。
iCloudからのデータ復元開始
すると、「iCloudから復元」の画面が表示され、復元が開始されます。
引き継ぎ(復元)にかかる時間について
しばらく待つと、残り時間「1時間」と表示されました。さらに少しして、残り時間は約2時間という表示に変わりました。しかし、結局バックアップ自体にかかった時間がかなり短かったです(20分くらい?)。
復元完了
復元が完了すると、「アップデートが完了しました」画面が表示されるので、「続ける」をタップします。
設定の続き
「iCloudの設定を完了するには ○○ のパスワードを入力してください」と表示されるので、再びApple IDのパスワードを入力して「次へ」をタップします。
「iCloud設定をアップデート中…」の表示が終わると、「Touch ID」設定画面が表示されるので、とりあえず指1本分の指紋を登録します。
続いて「パスコードを作成」が表示されるので、4桁の番号を入力します。
iCloudキーチェーン
続いて、「iCloudキーチェーン」画面が表示されます。
iCloudキーチェーン
このiPhoneにiCloudキーチェーンを設定するには、ikCloudキーチェーンを使用している他のデバイスから承認するか、iCloudセキュリティコードを使用してください
今回は「iCLoudセキュリティコードを使用」を選択し、4桁の「iCloudセキュリティコード」を入力し、+447786205094から電話番号宛に送信されてきた確認コード6ケタを入力しました。
「ようこそiPhoneへ」
ここまでやって、ようやく「ようこそiPhoneへ」画面に到達します。さぁはじめようをタップすると、ホーム画面が開きます。
「Appとメディアを復元中」
ホーム画面が開くと、真っ先に
Appとメディアを復元中
設定が復元されました。Appとメディアをダウンロード中にバッテリーを節約するには、電源に接続してください。
と表示されるので「OK」をタップして閉じ、「待機中…」と表示されてアイコンが暗くなったアプリが、通常表示に戻るのをひたすら待ちます。順次「読み込み中…」状態を経て、通常のアプリアイコン表示に戻っていきます。
しかし、途中で止まると、というか実際に止まってしまったのですが、次の表示が出ました。
復元未完了
一部の項目をStoreからダウンロードできませんでした。オツカイノコンピュータ上にある場合は、iTunesと同期することでそれらの項目を復元できます。
AppStoreからすでに削除されてしまっている古いアプリが復元できなかった、的な意味と読み取れます。この場では「OK」をタップします。
「OK」のタップ後も、次々アプリがダウンロードされていきます。ただ、ものすごく時間がかかります。
ちなみにこの状態の最中は、ロック画面に「iCloudバックアップから復元中」と小さい文字で表示され続けています。
Appの復元完了
復元が完了すると、「iCloudバックアップから復元中」の表示がロック画面から消え、利用開始の準備が整います(復元中でも、復元済みアプリなら利用開始可能)。
復元後調査
さて、iCloudで復元した後にどうなったか、を調べてみます。
通知内容
アプリの通知内容は見事に復活している様子です(復元できていないアプリもありそうだが)。
LINE
Yahoo!メール
「ログイン」が表示され、ログインが必要なのかと落胆しましたが、いざ「ログイン」をタップすれば、パスワードやアカウント名を入力することなく、自動的にログインされ、ちゃんと受信箱が表示されました。
Gmail
バッジ(アイコン右上に表示される通知数)は正常であったものの、Gmailを起動すると「ログイン」画面が表示されてしまいました。
メールアドレスとパスワードを入力して、ログインすると、利用を再開出来ました。
Safari
アカウントが関係のないSafariですが、タブやブックマーク(お気に入り)は無事引き継がれていました。
Twitter公式アプリを起動すると、「@○○さんのパスワードを入力してください」と尋ねられたので、「パスワード」を入力して「ログイン」をタップしました。つまり、ユーザー名は入力済み状態、つまり復元されていました。
ログイン後、「Tweetを読み込めません」と一度は表示されてしまいましたが、普通にツイートが表示されるようになりました。
Dropbox
Dropboxも、起動すると「ログイン」ボタンと「アカウントを作成する」ボタンが表示されました。
ログインをタップし、「メールアドレス」と「パスワード」を入力し、二段階認証を突破すると、利用開始出来ました。
設定を確認してみると、「カメラアップロード」が「オフ」になっており、認証情報だけでなく、設定も引き継げていないことがわかります。これはだいぶ状況が悪いアプリです。
ミュージック
「ミュージック」アプリを起動すると、意外なことに、ひと通りiTunes Storeで購入していた音楽たちはダウンロード済みで、今までどおり使えました。
起動後に、個別に再ダウンロードかと思っていました。優秀です。
Facebookアプリは、メールアドレスが入力済みの状態でパスワードが要求されるパターンでした。
ログイン後、正常に使えました。
MixChannel(ミックスチャンネル)
ミックスチャンネルは、見事に初めから、ようするに、アカウントにまつわる情報がない状態で始まりました。
というのも、ミックスちゃんねるはログインのような作業なしに開始できる系アプリなので、ここから引き継ぎ作業をすれば問題ありません。ただ、準備、つまりSNS連携をしていなかった人は、アカウントを失いそうです(運営問い合わせ行きかな)。
将棋ウォーズ
意外なことに、将棋ウォーズは、アカウントがそのまま使用出来ました。つまり、まるごと引き継がれていました。
ラブライブ!(スクフェス)
アップデートのダウンロード後、「新規登録」が表示されてしまいました。
「登録」ボタンは新規登録用なので、「データを引き継ぎ」をタップします。
しかし、「データ引き継ぎパスワード」が必要なので、これもやはりちゃんと準備しておかないとアカウントを失います。というか、自分も準備していなかったので、アカウントが消えました(あとでiTunesから戻す)。
モンスターストライク
モンストも、スクフェス同様事前コードの発行が必要なアプリなのですが、こちらはアカウントごとちゃんと引き継がれており、再ログインも不要でした。
755
755も、アカウントごと引き継がれており、再ログインも不要でした。
グノシー
グノシーも、再ログイン不要で、マイニュースも今までどおり閲覧出来ましたし、タブや購読設定なども引き継がれていました。
マネーフォワード
マネーフォワードも、そのまま利用できました。再ログイン不要です。
Janetter Pro
Janetterは、Twitter公式アプリとは異なり、そのまま使えました。再ログインは特にしていません。
履歴は保存されていましたが、前回の検索状態は保存されていませんでした。特にログインが必要なアプリではないので、通常利用では困りませんが、自分は有料会員(プレミアムコース)なので、そこがどうなっているのかが気になるところです。
そこで、プレミアムコース限定の機能をタップすると、「プレミアムコースのご紹介」が表示されたので、「会員状態を復元(リストア)」をタップしました。
すると、「購入情報の復元が成功しました」と表示され、有料会員であることが引き継がれました(引き継がれたというか、購入履歴が残っていただけというか)。
iCloudバックアップからの復元結果にはパターンがある
実験の結果、iCloudバックアップから復元されたアプリには、いくつかのパターンが有ることがわかりました。
ログインが不要な単なるツール的なアプリはいいとして、アカウントの概念があるアプリについては、大きく分けて3つのパターンがあるようです。
1.何事も無かったかのように使えるタイプ(ノーガードでも大丈夫)
まず、一番好ましいのが、復元直後から、何事もなかったかのように、つまり引き継がれたことを意識せず使えるアプリです(今回紹介した中では将棋ウォーズくらい?)。
引き継ぎ準備(パスワード確認含む)が必要なアプリであっても、まるごと引き継がれるこのタイプなら安心です。
しかし、結局のところ、再ログイン不要でデータも引き継がれるアプリは、ほとんどありませんでした。
一方で、iTunesからの復元ではこのタイプが標準的であり、やはり基本的にはiCloudバックアップより、iTunesバックアップを薦めたくなります。
2.認証さえすれば今までどおり使えるタイプ(なんとかなる)
アカウント情報やデータは残っている(復元されている)ものの、パスワード入力だけを求めるタイプのアプリです。LINEもこれでした。
認証さえ済ませれば、今までどおり使えます。
アプリにより、アカウント(メールアドレス)だけは入力済みで、パスワードだけ要求するものと、完全にゼロからアカウント情報を入力させるものがありました。
パスワードの事前確認が重要です。
iCloudバックアップからの復元(引き継ぎ)では、このタイプが標準的でした(最初のタイプも結構多かったけど、こちらのタイプが印象的。わざわざこうデザインしている的なものを感じる)。
3.事前準備が必要なタイプ(危険)
パスワードは、設定していたものを覚えていれば、事前確認を忘れていてもセーフですが、アプリによっては、引き継ぎ直前に引き継ぎコードを発行しないと引き継げないものがあったりします。
このタイプのアプリでは、バックアップに期待し過ぎたり、事前のコード発行の必要に気が付かないと、アカウントを失う(消えるわけではないが、ログインできなくなる)ことになります。
超要注意アプリです。
結論:やっぱりiTunesバックアップがおすすめ
以上に紹介したように、やはりiTunesバックアップに比べると、iCloudバックアップからの復元では、復元後の状態がかなり厳しい印象です。
各アプリの再ログイン自体面倒ですし、アプリによっては事前準備を忘れていると、アカウントが簡単に消えてしまいます。
というわけで、パソコンがあるかぎり、iTunesバックアップを使用することを強くおすすめします。
ただ、iTunesバックアップであっても、基本的にパスワードの確認や事前準備が必要かどうかを確認して、念には念を入れておくことをお忘れなく。
追記:実際にiTunesで復元に再チャレンジしたときの話を「iTunesからのiPhoneデータ復元手順と復元結果メモ」に書きました。
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