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本日2017年5月29日、排他的経済水域(EEZ)へのミサイル落下について、「どうしてJアラートは鳴ってないの?」「EEZに落ちたのに鳴らなかった、機能していない」のような指摘が繰り返しTwitter等でなされています。
この最も重要な部分「そもそもJアラートは排他的経済水域(EEZ)に落下する可能性がある際に鳴るものなのか」について、まとめておきます。
そのあたりを把握した上で、iPhone/Androidスマホで受信するための設定も確認しておくようにしてください。
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Jアラートとは
多くの人が誤解していますが「Jアラート」とは、全国瞬時警報システムのことで、自然災害などの連絡にも利用される、国から国民へ瞬時に緊急連絡するためのシステムです。Jアラート自体は、弾道ミサイル発射時にも使われると言うだけで、弾道ミサイル発射を連絡するためのもの、というわけではありません。
ただ、別の短い言い方もないので、ここでは「Jアラート」と書けば、「弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達」のこととします。
Jアラートが鳴る条件
Jアラートが鳴る(※鳴る、と言われますが、違和感のある表現)条件については、内閣官房の国民保護ポータルサイトに次の通り書かれています。
弾道ミサイルが日本に飛来する可能性があると判断した場合に、まず、弾道ミサイルが発射された旨の情報(①)を伝達し、避難を呼びかけます。 (引用元)
Jアラート自体が2~3段階に分かれて複数回鳴るため、それぞれの段階ごとにその条件が書かれています。ただ、今回は「最初のJアラート」(第一報)がいつ鳴るのかだけに注目すれば良いので、この部分に書かれた「弾道ミサイルが日本に飛来する可能性があると判断した場合」がポイントになります。
排他的経済水域へ落下する可能性がある場合には鳴るの?
しかし、「日本に飛来する」という表現だけでは、「排他的経済水域」の扱いは分かりにくい状態です。
そのすぐ下の「続報」を行う条件分岐の中には領土領海への落下パターンに加えて、領海外(排他的経済水域もここに含まれる)への落下についてのパターンも書かれており、場合によってはこのあたりを排他的経済水域と結びつけて読んでしまう場合もあるかもしれません。
2017年5月16日 地方創生特別委員会
このあたりについては、平成29年5月16日の地方創生特別委員会で質疑がなされており、それが参考となります。
丸山穂高です。Jアラートが鳴るのは日本の領土領海に落ちる若しくは領空を通過する可能性があると判断される場合です、先日の国会質疑で改めて確認しましたが、公海やEEZに北朝鮮のミサイルが落ちる場合には鳴りません。所謂狼が来たぞ状態にならないようにとの配慮等からです。詳しくは下記等を。 https://t.co/MUPDGGaUQO
— 丸山ほだか (@maruyamahodaka) 2017年5月21日
このツイートにも書かれているとおり、委員会での質問に対して内閣審議官は「領土領海に落下する可能性がある、または、領土領海を通過する可能性がある、と判断した場合に」Jアラート等を活用するとしており、排他的経済水域へ落下する可能性があると判断したとしても、それはJアラートが鳴る条件に含まれない(※排他的経済水域は、領海に包含されないので)ということが分かります。
- 地方創生に関する特別委員会の会議録議事情報一覧(今のところ2017年4月の議事録が最新で、5月16日の分はありませんが、そのうち追加されるはず)
したがって、排他的経済水域への落下の可能性があると判断したとしても、それではJアラートは鳴らないことが正常であり、「EEZに落下したのにJアラートが鳴っていないのはおかしい・動作していない」という指摘はそもそものJアラートの発動条件に合わず、適切では内と考えられます(EEZでも鳴らした方が良い、という主張であれば別)。
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