情報科学屋さんを目指す人のメモ

方法・手順・解説を書き残すブログ。私と同じことを繰り返さずに済むように。

最初に確認しておきたいWinShellの設定メモ(2013年11月版)

LaTeX (24) WinShell (11) Windows (497) 設定 (6)

今回は、Windowsで使えるLaTeXエディタであるWinShellの設定を紹介します。WinShellの設定の確認さえすれば、簡単にLaTeXによるPDF作りを始めることができます

今回紹介する設定は、私が普段使っている設定からの引用です。極端に特別な設定はしていないはずなので、そのまま参考にできるかと思います。

LaTeXとWinShellのインストール

最初に次のページからLaTeXとWinShellのインストールを済ませておいてください。次のページの通りに作業すれば簡単だと思います(※2013年11月に最新の情報に変更しました)。

WinShellの初回起動

初めてWinShellを起動すると、言語の選択画面が表示されます。ここでは、「Japanese」を選び、「OK」を押します。

今回インストールされているWinShellのバージョンはWinShell 3.3.2.6です。次の画面で「OK」を押します。

おすすめの初期設定

では、ここから設定を紹介します。

設定画面に入る

「オプション>全般...」から設定画面に入ることができます。

以下、設定を紹介します。

※初期設定から変更した部分を強調表示しています。

1.「一般」タブ

WinShell全体に関する設定です。

  • 言語

    • WinShell:Japanese
    • スペルチェック:en_US
  • [ON] バックアップ(.bak)ファイルの作成
  • [OFF] 終了時に自動保存
  • [ON] エラー行に自動ジャンプ
  • [OFF] Use built-in BibTeX front-end
  • [ON] Reload open files on startup
  • ファイル形式

    • [●] Windows
    • [_] Unix

2.「主なTeXプログラムの設定」タブ

WinShellから呼び出す外部プログラムを指定する設定です。

「プログラム」を選択すると画面が切り替わるので、LaTeX、BibTeX、...、PDFViewまでを一つ一つ切り替えながら設定を確認・変更してください。

  • プログラム名:LaTeX

    • exeファイル名:platex.exe
    • コマンドライン:-src-specials -interaction=nonstopmode "%s.tex"
  • プログラム名:BibTeX

    • exeファイル名:jbibtex.exe
    • コマンドライン:"%s"
    • [ON] LaTeXを先に実行
    • [ON] PDFLaTeXを先に実行
  • プログラム名:DVIView

    • exeファイル名:c:\w32tex\dviout\dviout.exe
    • コマンドライン:-1 %s.dvi "# %l "%c.tex""
    • [ON] LaTeXを先に実行
  • プログラム名:DVI -> PS

    • exeファイル名:dvips.exe
    • コマンドライン:-D600 "%s.dvi"
    • [ON] LaTeXを先に実行
  • プログラム名:GSView

    • exeファイル名:c:\program files (x86)\ghostgum\gsview\gsview32.exe
      (32bit OSの場合:c:\program files\ghostgum\gsview\gsview32.exe)
    • コマンドライン:"%s.ps"
    • [ON] LaTeXを先に実行
    • [ON] DVIPSを先に実行
  • プログラム名:PDFLaTeX

    • exeファイル名:dvipdfmx
    • コマンドライン:"%s.dvi"
  • プログラム名:PDFView

    • exeファイル名:cmd.exe
    • コマンドライン:/c start "" "%s.pdf"
      (少し難しいことをしています)
    • [OFF] PDFLaTeXを先に実行

3.「ユーザ指定プログラム」タブ

応用的な使い方で使用する設定項目なので、特に設定を変更する必要はありません。

4.「マクロ」タブ

これも、普通は使わない機能のための設定項目なので、特に設定を変更する必要はありません。

5.「フォント」タブ

基本的に、文字の見た目に関する設定で、好みで変更して構いませんが、「エンコーディング」の設定にだけは注意してください。

  • エンコーディング:ShiftJIS

ここについては、利用する環境によって大きく左右されることがあるので、特にこだわりがない初心者、もしくは、他人のファイルを開く予定が無いならばShiftJISを選んでください。UTF-8など、そのほかの設定を選ぶ場合は、よく理解して選択してください。よくわからない場合は、同僚や先輩に尋ねてみるとよいかと思います。とりあえず、ここの設定をファイルを開いたまま変更したりすると、開いたファイルの中身が大変なことになる場合があるので、絶対に止めましょう。それだけは覚えておいてください。それと、ファイルのバックアップは確実に。

6.「構文の強調表示」タブ

ここも、変更する必要がありませんが、

  • [ON] 構文の強調表示
  • [ON] 対応する括弧の強調表示

この二つはONにしておいたほうが良いと思います。

以上で初期設定完了です。

まとめ

設定がデフォルトと異なる部分については、強調表示をしたり、重要な項目・迷いやすい項目には注釈を付けました。

特に、「主なTeXプログラムの設定」タブの「LaTeX」「BibTeX」「PDFLaTeX」「PDFView」と、「フォント」タブの「エンコーディング」には十分注意して設定するようにしてください。

ここまでで、いよいよLaTeXを書いてPDFを出力する準備がばっちりになりました。次回は、簡単なLaTeXを書いて、PDF出力する方法までを紹介します。ここまでできれば、本やウェブサイトを参考にしたり、学会のテンプレートを利用することで、いろいろなことができるようになるはずです。

続き:

コメント(8)

  1. simon
    2013年1月10日(木) 16:20

    こんにちは、
    LaTeXをインストールする方法を的確に説明してくれてありがとうございます!素人の僕も簡単にインストールできました。
    上記の2の「プログラム名:DVI -> PS」には、dvipskと書いてありますが、dvipsではないのかと思っています。

  2. did2
    2013年1月10日(木) 18:00

    >slmonさん
    ご指摘ありがとうございます。

    dvipsk.exeは古い設定で、dvips.exeが正しいです。

    PSへの変換を普段全く使わないので見落としていました。本文も修正しました。ありがとうございます。

  3. 岡本良治
    2013年5月14日(火) 16:39

    このホームページ作者の方へ

    岡本良治という申します.
    2年くらい前に退職した元大学教員です.

    退職前は職場でコンピュータに強い人がそばにいたので,トラブルのときにすぐアドバイスを得られました.退職後も,自宅で
    論文原稿とか教育用資料作成のために,
    LaTeXを使っています.

    久しぶりに使ったLaTeXでコンパイルの際,エラー発生時にエラー発生行を表示しなくなり,困っています.
    アドバイスをいただければ助かります.

    よろしくお願いします.
    2013.5.14 岡本良治

  4. 岡本良治
    2013年5月14日(火) 17:08

    あなたのHPに従って,ダウンロードから実行してみます.

  5. did2
    2013年5月15日(水) 17:39

    >岡本良治さん
    はい、かなり謎の症状なので、一度インストールし直すのはよいと思います。

  6. 宮川 万治
    2013年9月10日(火) 08:53

    昨年高校を退職したものです。
    正常にインストールできたと思うのですが

    This is e-pTeX, Version 3.1415926-p3.4-130605-2.6 (sjis) (TeX Live 2013/W32TeX)
    Source specials enabled.
    Failed to find cnffile fmtutil.cnf.
    I can’t find the format file `platex.fmt’!

    kpathsea: Running mktexfmt platex.fmt

    The command name is D:\w32tex\bin\mktexfmt

    とlog出てしまいます。どうしたらよいでしょうか。お教え願います。

  7. 岡本良治
    2013年9月21日(土) 21:37

    5月14日の質問について,アドバイスをいただいてありがとうございました.今日9.21に気付きました.今日も含めて,何度かアンインストール
    とインストールを反復しております.
     なんとか,(別のうまくいっているノートPCで正常なTeXファイルの)コンパイルとdviファイルまではうまく行きました.しかし,
    dvi>psとpdfviewがうまくいきません.
    主なTeXプログラムの設定のところが不具合があるようです.
    今日9.21,奥村晴彦「LATEX2e美文書作成入門5版」を書店にて購入して,CDより再インストールしましたが,上述のことについてヒントはありませんでした.
    9.21

  8. mike
    2018年11月7日(水) 06:37

    2018年の TeX Live 2018 の UTF-8 デフォルト化のため、もしかしたら Shift_JIS のコードをコンパイルできない方が出られるかもしれません。
    pLaTeX に -kanji=sjis を追加することになると思います。

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