情報科学屋さんを目指す人のメモ

方法・手順・解説を書き残すブログ。私と同じことを繰り返さずに済むように。

最初に確認しておきたいWinShellの設定メモ(2013年11月版)

LaTeX (24) WinShell (11) Windows (485) 設定 (6)

今回は、Windowsで使えるLaTeXエディタであるWinShellの設定を紹介します。WinShellの設定の確認さえすれば、簡単にLaTeXによるPDF作りを始めることができます

今回紹介する設定は、私が普段使っている設定からの引用です。極端に特別な設定はしていないはずなので、そのまま参考にできるかと思います。

LaTeXとWinShellのインストール

最初に次のページからLaTeXとWinShellのインストールを済ませておいてください。次のページの通りに作業すれば簡単だと思います(※2013年11月に最新の情報に変更しました)。

WinShellの初回起動

初めてWinShellを起動すると、言語の選択画面が表示されます。ここでは、「Japanese」を選び、「OK」を押します。

今回インストールされているWinShellのバージョンはWinShell 3.3.2.6です。次の画面で「OK」を押します。

おすすめの初期設定

では、ここから設定を紹介します。

設定画面に入る

「オプション>全般...」から設定画面に入ることができます。

以下、設定を紹介します。

※初期設定から変更した部分を強調表示しています。

1.「一般」タブ

WinShell全体に関する設定です。

  • 言語

    • WinShell:Japanese
    • スペルチェック:en_US
  • [ON] バックアップ(.bak)ファイルの作成
  • [OFF] 終了時に自動保存
  • [ON] エラー行に自動ジャンプ
  • [OFF] Use built-in BibTeX front-end
  • [ON] Reload open files on startup
  • ファイル形式

    • [●] Windows
    • [_] Unix

2.「主なTeXプログラムの設定」タブ

WinShellから呼び出す外部プログラムを指定する設定です。

「プログラム」を選択すると画面が切り替わるので、LaTeX、BibTeX、...、PDFViewまでを一つ一つ切り替えながら設定を確認・変更してください。

  • プログラム名:LaTeX

    • exeファイル名:platex.exe
    • コマンドライン:-src-specials -interaction=nonstopmode "%s.tex"
  • プログラム名:BibTeX

    • exeファイル名:jbibtex.exe
    • コマンドライン:"%s"
    • [ON] LaTeXを先に実行
    • [ON] PDFLaTeXを先に実行
  • プログラム名:DVIView

    • exeファイル名:c:\w32tex\dviout\dviout.exe
    • コマンドライン:-1 %s.dvi "# %l "%c.tex""
    • [ON] LaTeXを先に実行
  • プログラム名:DVI -> PS

    • exeファイル名:dvips.exe
    • コマンドライン:-D600 "%s.dvi"
    • [ON] LaTeXを先に実行
  • プログラム名:GSView

    • exeファイル名:c:\program files (x86)\ghostgum\gsview\gsview32.exe
      (32bit OSの場合:c:\program files\ghostgum\gsview\gsview32.exe)
    • コマンドライン:"%s.ps"
    • [ON] LaTeXを先に実行
    • [ON] DVIPSを先に実行
  • プログラム名:PDFLaTeX

    • exeファイル名:dvipdfmx
    • コマンドライン:"%s.dvi"
  • プログラム名:PDFView

    • exeファイル名:cmd.exe
    • コマンドライン:/c start "" "%s.pdf"
      (少し難しいことをしています)
    • [OFF] PDFLaTeXを先に実行

3.「ユーザ指定プログラム」タブ

応用的な使い方で使用する設定項目なので、特に設定を変更する必要はありません。

4.「マクロ」タブ

これも、普通は使わない機能のための設定項目なので、特に設定を変更する必要はありません。

5.「フォント」タブ

基本的に、文字の見た目に関する設定で、好みで変更して構いませんが、「エンコーディング」の設定にだけは注意してください。

  • エンコーディング:ShiftJIS

ここについては、利用する環境によって大きく左右されることがあるので、特にこだわりがない初心者、もしくは、他人のファイルを開く予定が無いならばShiftJISを選んでください。UTF-8など、そのほかの設定を選ぶ場合は、よく理解して選択してください。よくわからない場合は、同僚や先輩に尋ねてみるとよいかと思います。とりあえず、ここの設定をファイルを開いたまま変更したりすると、開いたファイルの中身が大変なことになる場合があるので、絶対に止めましょう。それだけは覚えておいてください。それと、ファイルのバックアップは確実に。

6.「構文の強調表示」タブ

ここも、変更する必要がありませんが、

  • [ON] 構文の強調表示
  • [ON] 対応する括弧の強調表示

この二つはONにしておいたほうが良いと思います。

以上で初期設定完了です。

まとめ

設定がデフォルトと異なる部分については、強調表示をしたり、重要な項目・迷いやすい項目には注釈を付けました。

特に、「主なTeXプログラムの設定」タブの「LaTeX」「BibTeX」「PDFLaTeX」「PDFView」と、「フォント」タブの「エンコーディング」には十分注意して設定するようにしてください。

ここまでで、いよいよLaTeXを書いてPDFを出力する準備がばっちりになりました。次回は、簡単なLaTeXを書いて、PDF出力する方法までを紹介します。ここまでできれば、本やウェブサイトを参考にしたり、学会のテンプレートを利用することで、いろいろなことができるようになるはずです。

続き:

コメント(8)

  1. simon
    2013年1月10日(木) 16:20

    こんにちは、
    LaTeXをインストールする方法を的確に説明してくれてありがとうございます!素人の僕も簡単にインストールできました。
    上記の2の「プログラム名:DVI -> PS」には、dvipskと書いてありますが、dvipsではないのかと思っています。

  2. did2
    2013年1月10日(木) 18:00

    >slmonさん
    ご指摘ありがとうございます。

    dvipsk.exeは古い設定で、dvips.exeが正しいです。

    PSへの変換を普段全く使わないので見落としていました。本文も修正しました。ありがとうございます。

  3. 岡本良治
    2013年5月14日(火) 16:39

    このホームページ作者の方へ

    岡本良治という申します.
    2年くらい前に退職した元大学教員です.

    退職前は職場でコンピュータに強い人がそばにいたので,トラブルのときにすぐアドバイスを得られました.退職後も,自宅で
    論文原稿とか教育用資料作成のために,
    LaTeXを使っています.

    久しぶりに使ったLaTeXでコンパイルの際,エラー発生時にエラー発生行を表示しなくなり,困っています.
    アドバイスをいただければ助かります.

    よろしくお願いします.
    2013.5.14 岡本良治

  4. 岡本良治
    2013年5月14日(火) 17:08

    あなたのHPに従って,ダウンロードから実行してみます.

  5. did2
    2013年5月15日(水) 17:39

    >岡本良治さん
    はい、かなり謎の症状なので、一度インストールし直すのはよいと思います。

  6. 宮川 万治
    2013年9月10日(火) 08:53

    昨年高校を退職したものです。
    正常にインストールできたと思うのですが

    This is e-pTeX, Version 3.1415926-p3.4-130605-2.6 (sjis) (TeX Live 2013/W32TeX)
    Source specials enabled.
    Failed to find cnffile fmtutil.cnf.
    I can’t find the format file `platex.fmt’!

    kpathsea: Running mktexfmt platex.fmt

    The command name is D:\w32tex\bin\mktexfmt

    とlog出てしまいます。どうしたらよいでしょうか。お教え願います。

  7. 岡本良治
    2013年9月21日(土) 21:37

    5月14日の質問について,アドバイスをいただいてありがとうございました.今日9.21に気付きました.今日も含めて,何度かアンインストール
    とインストールを反復しております.
     なんとか,(別のうまくいっているノートPCで正常なTeXファイルの)コンパイルとdviファイルまではうまく行きました.しかし,
    dvi>psとpdfviewがうまくいきません.
    主なTeXプログラムの設定のところが不具合があるようです.
    今日9.21,奥村晴彦「LATEX2e美文書作成入門5版」を書店にて購入して,CDより再インストールしましたが,上述のことについてヒントはありませんでした.
    9.21

  8. mike
    2018年11月7日(水) 06:37

    2018年の TeX Live 2018 の UTF-8 デフォルト化のため、もしかしたら Shift_JIS のコードをコンパイルできない方が出られるかもしれません。
    pLaTeX に -kanji=sjis を追加することになると思います。

新しいコメントを投稿




  • カテゴリ ナビ
  • 著者紹介

    ブログが趣味で、スマホアプリの利用中に発生するトラブルや不具合の対策手順や障害情報、 設定の変更方法などについて、解説記事をよく書いています。

    自分が困ったことをブログに書けば、次に困る人の参考になって、みんながみんな同じ苦労をせずに済む、というのが原点です。

    最近の関心は、スマホやパソコンが苦手な人の行動や思考、そしてそんな人を手助けする方法です。

    Amazonのアソシエイトとして、did2は適格販売により収入を得ています。

    RSS | Facebook | Twitter | About