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今日は小学生・中学生・高校生にとっては夏休み前最後の登校日で終業式があり、LINEの利用について先生からいろいろ言われた例が増えています。特に「先生は教育委員会と警察と協力しているからLINEの内容を見ることが簡単にできる」などと言われ、不安に思っている人も多いと思います。そこで、これらの「先生がLINEを見られる」などといった話について、解説したいと思います(※基本的に冒頭以降は中学生・高校生向けに書いています)。
※「スクールガーディアン」についての話題はこちら
あのー。教師が警察や教育委員会と手を組んで生徒のLINE監視したりとかできるんですか?それってプライバシーの侵害とかならないんですか…? もう見られるとか本当に嫌や…。 #誰か教えて
— 有山さな꒰๑•௰•๑꒱ (@moasana_jump) July 19, 2013
目次
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学校の先生の「監視している」宣言
例えば、学校の先生が次のようなことを言ったという書き込みがあります。
私の学年(中学2年)で今日、学年集会が開かれたのですがその話の内容が「LINE」についてでした。
先生の言った事をそのまま簡潔に箇条書きで説明すると
・LINEでのトークは24時間いつも監視されている。
・警察、県庁などがいつも監視している。
・LINEで悪口を話すのは犯罪である。
・先生達が警察に「トーク内容を教えてください」と聞けば、警察はいつでも教えてくれる。 (引用元)
このような発言は各所にあり、似たような投稿を見つけることができます(「LINE 学校 先生」の検索結果(Q&A) - Yahoo!知恵袋)。
「第三者(教師・教育委員会・警察)」が読めるって本当?
似た質問に「トークを他人が閲覧することは可能なのですか?」「学校の先生が読めたりするのですか?」「(誰かが)無断で読むことがあるのですか?」というものがありますが、これについては、公式が次のように述べています。
@OinkHina トークルームには招待された人しか参加できません。また、LINEは電気通信事業法に従い通信の秘密を保護する義務があるのでトーク内容も監視していません。なお、以前から他社同様、警察や裁判所から法的な依頼があった場合には法令に従いご協力しています。
— LINE公式アカウント (@NAVER_LINE) July 19, 2013
これは、犯罪に利用された場合など、操作の都合上必要な場合に、裁判所から発行された令状を元に、警察などの捜査機関が閲覧することはありますが、それ以外で簡単に警察に見せることはなく、ましてや先生や教育委員会などの第三者にトークの内容を教えるようなことはない、ということです。
令状による履歴提供は本当に例外であって、このような例外を除いて、あなたのトーク内容が簡単に見られるような事はありません。
また、たとえ警察であっても、同意無しにみなさんのトーク内容を「盗聴」することはプライバシーの侵害になるため、認められません。
以上が基本です。これについて、いろいろな例を紹介したいと思います。
学校に監視される?ネットパトロールって本当?
中学や高校でLINEが利用禁止になったりする中、「学校にLINEが監視されているのでは?」「LINEを使っているのが学校にバレない方法は?」というような話に関心が集まっているようです。
同様に、「LINEと教育委員会が何か契約しているのではないか」「学校の先生に見られているという噂がある」「それってプライバシーの侵害じゃないの?個人情報保護法は??」という疑問を抱く中学生・高校生も少なくありません。
このような行為についての質問「LINEと学校って契約できるんですか?→学校の生徒で誰がIDを持っているか、調べられるみたいなことはできるのでしょうか?」に対して、LINE公式アカウントは次のように答えています。
@kaho_8er いいえ、そのようなことは行っておりません。
— LINE公式アカウント (@NAVER_LINE) June 10, 2013
実際、学校の先生が生徒に対して「LINEに載せた画像や動画は簡単に分かるんだぞ」と脅す例もあるようなのですが、LINE社を通じてそんな情報を入手する方法などないわけです。あくまで脅しているだけです。
ただ、「ネットパトロール」というものは実在しています。しかしこれは、Tweetやブログなど、通常の手段で読むことができる公開された文章を、ピットクルーのような専門業者がチェックし、学校に報告するというもので、公開されないLINEのトーク(一対一・グループ・タイムラインなど)を不正に入手するようなものではありません(参考:千葉県の青少年ネット被害防止対策事業ネットパトロール)。
でも、悪口言ったらばれたよ!
このような意見に対して、「LINEで悪口を言ったら怒られた」「先生がグループの名前を知ってた」という反論が多く見られます。しかし、LINEのトークの内容やグループのメンバー、会話内容を知る方法は、LINEの会社を経由するだけではないのです。
ユーザーは"人間"→いくらでもLINEの情報はバレる
ここで考えるべきは、「あなたがLINEで話した内容を入手する方法がいくらでも存在する」ということです。LINEが関わった途端、「LINEの会社が勝手に」という話になりがちですが、実際、そんな大がかりなことを考えなくても、説明が付くのです。
LINEの内容がバレるいろいろな原因
学校に限らず、「なぜか知らないはずの人がLINEの内容を知っている!」の理由を考えてみたいと思います。
誰かが見せた・誰かが教えた可能性
たとえば、「LINEで悪口を言ったのがバレた」というのは、悪口を言われた生徒が、LINEの画面を先生に見せただけかもしれません。もちろん、悪口を言われた生徒は「見せてない」と言うかも知れませんが、それが本当かなんてわかりません。少なくとも教師がLINEに頼んだところで見せてもらえるなんてことはありません。
「グループ名を知っていた」というのも同じで、先生と仲の良い生徒が先生に教えた、もしくは教えたつもりがなくてもなんとなく話してしまっただけの可能性があります。
すぐLINEのシステムなどと結びつけてしまう傾向があるようですが、実際はこういう可能性がある限り、「LINEが勝手にばらした-」なんて言いふらしてはいけないのです。これは、LINEに対する立派な営業妨害です。
パスワードが盗まれた可能性
パスワードを盗まれる可能性について解説した記事にあるように、パスワードがバレてしまえば、トークの内容は自由に閲覧されてしまいます。誕生日のような簡単なパスワードにしていれば、パスワードを見られなくても、当てられてしまうかもしれません。
しかしこれは完全に「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」に違反する犯罪です。
スマホの画面をのぞかれた可能性
LINEを使っている画面をのぞかれたり、置きっぱなしにしていたLINEの画面を見られただけ、というのは良くあることです。ロックをかけていなければトークは見放題ですし、ロックをかけていても、通知がロック画面より手前に表示される設定もあるので、通知についてはロックを解けなくても読まれかねません。
本当は違う人である可能性(なりすまし)
「友だちだと思ってLINEで話していた相手が、実は全くの別人だった」なんていうことは普通にあり得ます。画像が友だちのプリクラで、名前が友だちの本名だからといって、それだけでは本人なのか分かりません。
いくらでも「なりすまし」をされる可能性があります。
しかし、「なりすましができる」環境よりも、「なりすましに騙される・すぐ信じる・疑わない」ことのほうが問題です。なりすましそのものを根本的に防ぐのは、技術的にも費用的にも簡単ではありません。ですから、「簡単に騙されない」注意する心が大切なわけです。
実際に、「LINEのなりすまし」は現実多発しています。
LINEで私の本名語ってなりすまししてる奴がいるな・・・・ 何がしたいんだよまったく
— 平山とと (@toto39_hirayama) June 23, 2013
「なりすまし」に気が付けなければ、2人だけの秘密だと思っていたトークは漏れてしまいますし、知られたくない人・見られたくない人にタイムラインも読まれてしまいます。
本当にその人なの?と確証を得て、「なりすまし」を防ぐには「本人に会って、目の前で友だち追加したり、トークのやりとりをしてみる」くらいの慎重さが必要だと思います。他にも防ぐ方法はありますが、これが簡単です。
「グループの内容がバレてる」というのも、「成りすましアカウント」が混ざっているからかもしれません。誰かが成りすましアカウントだと知らずに招待してしまったのかもしれませんよ?
分かりやすく言えば、先生がグループに入っていたら、グループの内容がバレるのも当たり前です。ただ、当然のことながら、「なりすまし」は罪に問われる可能性があります。やってはいけません。
以上のように、いろいろな可能性があります。そして、これらの可能性のどれでもないと証明するのは簡単ではありません。
まとめ:「先生が簡単にLINEを見られる」というのは脅し
ここまでで説明したように、「学校の先生・学校長・教育委員会などが警察と協力すればLINEのトークなんて簡単に見られる・監視しているから悪口はばれる」などというのは、嘘であって、単なる脅しであると言えます。しかし、これはあくまで「LINEから情報を聞き出す」という意味であって、あなた以外の生徒から聞き出したりすれば、もちろん悪口はばれますし、犯罪自慢も把握されてしまいます。LINEが利用禁止の学校であれば、誰かが先生に話してしまえば、あなたがLINEを使っていることはばれてしまいます。親が子どものLINEの利用について先生に相談する場合もあるでしょう。これら、LINEのシステムとは無関係のところからいくらでも情報は漏れていく可能性がある、ということには十分注意して、自分がどう行動すべきかを考えてください(LINEは禁止されているけれど、こっそり使えばバレない?バレる?バレても大丈夫?など)。
また、犯罪に関係していると疑われた場合は、裁判所を通じてトーク履歴を閲覧される事がある、ということも忘れないようにしてください(犯罪を犯すべきではない事は言うまでもなく、自分のせいでなくても捜査に必要となればあなたの書いた見られたくない恥ずかしい文章が、誰か(捜査関係者)に見られてしまう可能性があることに注意してください)。
その他、学校の先生にこんなことを言われた、こんなことがあった、という話があれば、コメントしていただければ、私なりの考えをお話ししたいと思います。
↓他に心配している人がいたら、教えてあげてください。リツイート歓迎です↓
学校の先生にLINEのトークを読まれているのではないかと心配な人は読んでみてください http://t.co/kh0S0ru1bv
— LINE障害情報 by did2memo (@did2line) July 19, 2013
おまけ:LINEはトークを監視しているの?
LINE自体による監視について、不安がっている人も相次いでいます。
LINEって監視されてるとぃう噂を聞きました。悩みとか言えない事とかを相談したりもするんですが…。。。
監視って本当にされてるんですか? (引用元)
この質問に対して、LINE公式アカウントは次のように答えています。
LINEは電気通信事業に該当するため弊社は電気通信事業者の届出をしています。 そのため、ユーザー様がLINE上で行うトークの内容には、通信の秘密の保護が及び、LINEはそれを保護する義務がありますので、 監視・閲覧することはありません。 (引用元)
難しい話は抜きにして結論だけ言うと、LINEはトークの監視や閲覧をすることはないということを言っています(最後の文を読むだけ)。
しかし、公式はこのTweetなどで「監視」していないと宣言していますが、正確には(少なくとも)同じメッセージをたくさんの人に送ったかどうかは機械的に監視しており、スパムアカウントの停止に利用されているようです。ですから、「機械的な内容の監視」は行っており、完全に「トークの内容を監視していない」とは言えないと思われます。
補足:Twitterの鍵アカが見られるも同様
同様に、Twitterの鍵付きアカウントが見られるというのも、今回LINEについて話したことと同様に、ありません。もちろん鍵無しならば見られますし、だれかがTweet内容を漏らしたり、先生がこっそり他人のふりをしてフォローしていれば、Tweet内容はバレてしまいます。
最近の事件によって誤解する人も
最近の事件から発生したデマの影響で、さらなる誤解をしている人もいるようです。
そういえばあの事件があってから、こちゃもぐるちゃ、てかLINE内警察がパトロールしてるらしいよね。
— *RUKA* (@pandagirlkft) July 19, 2013
※「こちゃ・・・個人チャット」「ぐるちゃ・・・グループチャット」のこと。
関連
- 「警察がLINEのチャットに入れるようになった」という噂が拡散中
- 「LINE運営がトーク内容を確認できるなんて当たり前だろ」は本当なのか
- トーク内容を使って利用規約違反を判定する場合は、許可を取り付ける作業と本人確認を行っています→「LINEの「スパム判定法」と「突然のアカウント削除」に関する注意喚起」。とはいうものの、一応書いておきますが、利用規約違反をチェックするのはLINEであって、先生ありません。LINEが先生に照会して利用規約違反かどうかを確認することは考えられません。
「学校の先生や教育委員会が警察と協力してLINEを監視してるって本当?」 http://t.co/kh0S0rcY9v
— LINE障害情報 速報アカウント (@did2line) 2014, 5月 20
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