【光化学スモッグ】疑問について調べたことメモ（においはあるの？洗濯物は大丈夫？マスクは効くの？など）

こちら：「光化学スモッグ注意報って何？どうすれば良いの？」について

12時20分、23区の西部（練馬区・板橋区・北区・杉並区・中野区・豊島区・新宿区・文京区）および、多磨北部（武蔵村山市・東村山市・清瀬市・東大和市・東久留米市・小平市・西東京市・武蔵野市）に、「光化学スモッグ学校情報」が発令されました。

また同じく12時20分、千葉市など（千葉地域・市原地域）に光化学スモッグ注意報が発令されました。

光化学スモッグ注意報等の発令状況が確認できるサイトについて

こちらにまとめました：光化学スモッグ注意報の発令を確認できるサイトまとめ（都道府県別）

光化学スモッグに関連して、外干しは良くない、と洗濯物について言及している人が目にとまりました。

おはよう～🎶朝から息子とサンドイッチ作ってのんびり朝ごはん✨

今から家事やる～😰今日は全国的に光化学スモッグ発生らしいけど、洗濯物外干しはやばくない？？
ご近所見渡してもどこのお宅も洗濯物、布団びっしり外干ししてるんだけど…💧
大丈夫なんかなぁ？

— ぱんだ子@17wまだつわり (@9w27266914) 2017年5月20日

光化学スモッグが洗濯物に与える影響については、神戸市のホームページに次のような記述があります。

Q2．注意報発令時に洗濯物や布団を干していたのですが大丈夫でしょうか。

A2． 光化学スモッグの原因物質は、粉じんやすすなどではなく、ほとんどがオゾン（O3）であり、物質にぶつかると酸素（O2）に分解されますので、衣服等に付着して残留するものではありません。 （引用元）

はっきりと書いていない言い回しですが、「残留するものではない」と書いていること、および、何らかの対策を紹介・指示していないことから、特に洗濯物や布団に対して「取り込んではいけない」「もう一度洗わないといけない」のようなことはないことを表しているのだと思われます。

しかしこれはあくまで外干ししてしまっていた「洗濯物」に対しての話で、「干すために外に出る」「取り込むために外に出る」という、外に出る「人」の部分については言及がありません。

なので「洗濯物を出すためにベランダに出る」というとき、「洗濯物」の部分は余り気にする必要がなさそうではあるものの、「外に出る」という人の行動の部分については、一般的な「外出を控えるように」と同じ程度引き続き注意した方が良さそうです（洗濯物の量や干す場所によっては、それなりの時間外に出て、「よい運動」程度には体を動かすケースもありそう）。

例えば、光化学スモッグ注意報が発令された日に、洗濯物を干してしまっていた場合は、日中ではなく夕方以降になってから（光化学スモッグが落ち着いてから）取り込む、などの工夫が良さそうです。

また、もともとよくある質問は、「もう干してしまった」状況に対して答えているに過ぎないので、光化学スモッグ注意報が発令されそうとニュースで言われている中で、積極的に干す必要もないのでは無いかと思います。

しかし、仮に「光化学スモッグ注意報が発令されそう」くらいで外干しを控えていると、光化学スモッグ注意報が毎日のように発令されるんです、なんていう状況の場合、夏は全く外干しできない、なんてことになりかねません。

そこで、どれくらい「同じ場所に」光化学スモッグ注意報が発令されるものなのかを、参考にするために調べてみました。

ひとまず、「東京都全域」という広めの範囲の情報が見つかったので、それを参考にしてみると、過去３年間、「光化学スモッグ注意報」が実際に発令されたのは、９回（平成26年）、14回（平成27年）、5回（平成28年）でした。平均して年に10回弱、つまり10日弱程度、ということになります。

参考：東京都全域の光化学スモッグ注意報等の発令状況

思ったより少ないので、光化学スモッグについて特別言及される日には、外に出る行為が伴うことを避けても良さそうです。

光化学スモッグ注意報が発令されそうというニュースを見て、マスクをしようとしている人が増えています。

これについては、普通のマスクでは防げない（「全く違いが発生しない」という意味なのか「光化学スモッグが全く発生していない状態と同じ状況を作ることはできない」という意味なのかなど、程度がはっきりと分からないものの）と言われています。

「allabout」の記事がこちら：

相手が粒子のインフルエンザウイルスや花粉症の場合は、市販のマスクである程度は予防することが可能です。しかし光化学スモッグの場合は相手が揮発性の低分子であるので、マスクでも予防はできません。光化学スモッグ発生時には屋外に出ないという予防法しかありません。 （引用元）

一応、「普通のマスクではないマスク」という枠が否定されているわけではなく、実際に光化学スモッグに対応しているマスクについて調べてみると、いくらか実際に販売されている商品を見つけることはできます。

さらにちゃんと行政のページでマスクに言及しているものはないのか調べてみたところ、次の「埼玉県環境科学国際センター（www.pref.saitama.lg.jp）」の次の記述が見つかりました：

光化学オキシダントの影響はマスクなどでは予防できません。光化学スモッグ注意報が発令されたら、外気に触れないよう屋内で過ごしましょう。 （引用元）

（※埼玉県は日照時間が長いことと関係があるのか、光化学スモッグ注意報の発令回数が多いようで、少し詳しめに紹介してくれているのかも）

今回特別話題になっているのは、「光化学スモッグのにおいがある・ない・分かる・分からない」など、「光化学スモッグのにおい」に関する話題です。

「光化学スモッグのにおい」と言うと、直接「光化学スモッグそのもののにおい」という話と、間接的な「光化学スモッグが発生する状況下で、特別嗅ぎやすくなるにおい」の２種類が考えられます。

直接光化学スモッグのにおいについて調べてみると、「においが分かる人による書き込み」が多く、その「においが分かる人について専門家が言及しているもの」（これが一番良い）をなかなか見つけることができませんでした。

臭いがある物質であっても、臭いが分かる程度の量が存在するものなのか、複数臭いに原因があった場合、どれが「光化学スモッグの臭い」として認識されるものなのか、光化学スモッグの臭いだと思っているものが、単に晴れた日や、単に大気が汚染された状態で感じる別の臭いなのではないかなどなど、臭いは扱いが難しいです（以前、海の臭いの原因について調べたときもそう）。例えば光化学スモッグそのものに多く含まれるオゾン自体は臭いがあるものですが、それより強い臭いを出すものが「光化学スモッグの臭い」と認識されるのではないかなどなど。

オゾンと光化学スモッグの臭いについては、次の文章に言及がありました。

しかし、オゾンは名前が「臭い」というギリシャ語に由来するほど臭いが強いが、これまでに臭いを感じたという報告は見られない。臭いが感知できない濃度で障害が発生することはオゾンに携わってきた者には極めて考えにくい。 （引用元）

解釈が難しいところですが、少なくとも「オゾンそのものの臭い」は光化学スモッグで被害が発生した現場で報告されていない、少なくとも光化学スモッグの臭いがあるとしても、オゾンの臭いではなさそう？という雰囲気が伝わってきます。ただ、やはりよく分かりません。

さらに調べていて、英語での記述（書籍）も多少見つかりましたが、信頼性が低そうなものには臭いについて書かれており、信頼性が高そうな書籍や論文だと、大気汚染に伴う臭いについて、ずばり光化学スモッグのケースついて書いてくれておらず、結果あまりよさそうなものはすぐには見つけられず。

などなどいろいろ調べつつ、開きなおって「大気汚染の臭い」や「光化学スモッグそのもの」についていろいろ調べていると、ちょうど「光化学スモッグに対して匂いを感じる人」について言及した専門家の言葉を発見することができました。

光化学スモッグは目にも見えず匂いもないように思われがちですが、秋元さんによると「光化学スモッグが発生すると空は薄もやがかかったように白く濁り、また、敏感な人なら匂いを感じたり、外に出ただけで頭が痛くなることもあります」とのこと。 （引用元）

次の通り、専門家へのインタビューです。

なかなか複雑で分かりにくい光化学スモッグの問題について、海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センターの秋元肇プログラムディレクターにお話をうかがいました。 （引用元）

無いということはないだろう、感じる人と感じない人がいるのだろう、という中、納得感の高い文章でした。

ただその一方で、「どんな臭いなのか」についてのよさそうな情報は見当たらず、「この臭いが光化学スモッグの臭いだと思う」という人が、それが本当に光化学スモッグの臭いであって別の臭いではないのか確かめる参考になる情報が見当たらなかったのが残念です。というのも、実際光化学スモッグの臭いがどんな臭いなのか、臭いが分かるという人の発言を見ていっても、どうも表現がバラバラで、別の臭いを嗅いでいるような雰囲気だったので、「光化学スモッグと言ってもいろいろな臭いにパターンがあって、こういう臭いと～」みたいな文章があれば良かったのですが。

• 光化学スモッグ - Wikipedia
• 光化学オキシダント - Wikipedia
• 東京都光化学スモッグ情報　東京都全域の光化学スモッグ注意報等の発令状況
• 神戸市：よくある質問と回答
• 独立行政法人環境再生保全機構
• 光化学スモッグから子どもを守ろう！1：babycom ecology
大気環境保全技術研修マニュアル : 総 論>
• 「Fog, Smog, and Poisoned Rain（Michael Allaby）」(p.132)