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2017年1月25日に、「Peing-質問箱-」の利用規約が変更されました。その翌日1月26日、その変更内容に含まれている「ユーザーのコンテンツをどう扱うか」に関する記述が話題となり、結果、注意喚起がTwitterに投稿されたり、質問箱を退会・削除するユーザーが増えています。
その動向に対してPeing質問箱の運営側も、利用規約に対する追加説明をTwitter公式アカウントにて行っています。
このあたりについて、まとめておきます。
目次
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利用規約の一部変更
1月25日、Peing-質問箱-の全ページに、利用規約が変更されたことが表示されるようになりました:
Peing質問箱の利用規約本文が掲載されているページはこちらです。
※このお知らせ表示の「利用規約を一部変更」という文字リンクのリンク先は、変更内容や変更目的、どこがどう変更されたかについての解説ページなどではなく、直接利用規約のページへリンクされています。また、変更前の利用規約を確認することができないため、どの部分がどう変更されたかを判断することはできません(過去との比較ができないこと自体は特に珍しくなく、ウェブサービス・アプリなどではよくあることだと思います)。
注目されている記述
その新しい利用規約の中で注目されているのは、「第8条 投稿したデータの権利」に書かれた、次の部分です:
2.本サービスにおいて、ユーザーが投稿その他送信を行ったコンテンツについては、当社において、無償で自由に利用(複製、複写、改変、第三者への再許諾その他のあらゆる利用を含みます。)することができるものとします。 (引用元)
ユーザーが投稿したコンテンツ(質問文など)や、その他送信を行ったコンテンツ(返信機能からTwitterに投稿した文章を含む?)について、「無償で自由に利用することができる」という点です。
質問箱の規約が変わって運営側がすべてのコンテンツ(質問と回答含めて)についてを無償で自由に利用できるという事になったようですので、退会します。今頂いてるものについては回答してから閉めます。使い勝手はとても良かったので残念。開発者の方は素晴らしかったのに、譲渡先が最悪。#質問箱 pic.twitter.com/7MRXCCF2b6
— ここ (@Knkn_sa) 2018年1月26日
「無償で自由に」と言われると、利用目的が特に書かれていないため、「あんな使われ方もありえるかも」と、いくらでもコンテンツの利用方法に想像が膨らんでしまい、「怖い」「使われたくない」と感じるのにも頷けます。
Peing運営側による追加の説明
この件に関して、Peing質問箱の運営Twitterアカウントは、以下の通り説明ツイートを投稿しています。
公式ページには変更内容に関する解説が今のところ用意されていないため、これらのツイートに目を通してから、「今すぐPeing質問箱の退会手続きを行う」か、それとも「利用規約の修正や、公式ページへの追加説明の掲載など含め、もうしばらく様子を見てみるか」を判断してみると良いかもしれません(一度退会すると、届いた質問も消えてしまうので)。
当サービスについて、事実と異なる内容のツイートが拡散されていますので説明致します。当社がユーザーに無断で質問内容や回答内容を変更することは一切ございません。当社のサービスを不当に貶め、悪意をもって事実と異なるツイートがされておりますが、誤った情報に惑わされぬようご注意ください。
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月26日
先ほど紹介した拡散されているツイートは、次のツイートで引用されているものです:
コンテンツの二次利用については、取材を受ける際等に利用法の一例としてご紹介させていただく用途に限定する前提でおりましたが、規約を一般的な表現に近づける目的でやや抽象的になってしまっております。ユーザーの皆様に不利益を与える形で二次利用する意図ではございません。 https://t.co/zO78Dhf8L0
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月26日
ここには、「取材を受ける際等に利用法の一例としてご紹介させていただく用途に限定する前提でおりました」と、「無償で自由に」の目的の一例が記載されています。
次のツイートでは、Twitterの利用規約との類似性について紹介しています。
皆様はTwitterの利用規約でTwitter社に既に同じような権利の譲渡を許諾しており、弊社の規約でも同じような表現を利用させていただいておりました。弊社に対してのみ誤った見方で退会を推奨するような情報拡散は誠に遺憾です。少なくとも運営に問い合わせ、確認した上で正しい情報を流してください。 pic.twitter.com/WHeLhWoy47
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月26日
紹介されているTwitterの利用規約の「ユーザーの権利」の中でも、今回Peing質問箱の利用規約で注目されている部分に対応するのは、次の辺りのことだと思われます:
ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社があらゆる媒体または配信方法(既知のまたは今後開発される方法)を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)を当社に対し無償で許諾することになります。このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。 (引用元)
Twitter社の利用規約の特徴は、「このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります」と、サービスが成立する上で必要そうな利用目的(ただしこれはあくまで具体例)を説明している一文が入っているのが特徴です。
Peing質問箱も、質問文をサービス上に表示する上でこのあたりの目的も含んでいるのではないかと思うと、先ほどの取材対応の目的だけでなく、この1文も合わせて「8条」の「2」に加えられているとだいぶまた印象が違ったのかもしれません。
最後に次のツイートで、深夜の連続ツイートは終了しています。
全員が当該アカウントを見ているわけではないので、完全な情報伝達は難しいと考えております。また、利用規約はその存在自体として、誰が読んでも意味を正確に理解できるような表現にはなりません。抽象的な表現になる傾向にあります。それを曲がった見解で拡散するのはいかがなものでしょうか。 https://t.co/FXDnKDgB0J
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月26日
2018年1月27日12時頃からのツイート
深夜の投稿はここで一区切りでしたが、その後、より詳しい説明が投稿されています。
今回の利用規約がユーザー投稿を伴うサービスの利用規約としてはきわめて一般的なものである(1ツイート目冒頭)という説明や、「金銭のお支払いをしないこととしている」理由についての追加説明(2ツイート目~3ツイート目にかけて)などといった説明がされています(金銭の支払いがないことに関する説明は珍しい気がしました。もしかすると、運営に対して「どうして無料で利用するのか」という問い合わせが多かったのかもしれません)。
利用規約第8条第2項に関するご質問を受けておりますが、当該規定は、システムに関する取材対応や広告を行う上で、ユーザーの皆様の秀逸な質問及び回答を、一般の皆様に、使用例として紹介する際に依拠することを目的としています。
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月27日
本規定は、ユーザーの皆様の投稿を伴うコンテンツの利用規約としては、きわめて一般的なものと認識しています。引用したユーザーの方に対して、金銭のお支払いをしないこととしているのは、システム提供者による公式の紹介により、引用されたユーザーのコンテンツに関する閲覧者数が増加し、(続く)
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月27日
引用対象となったユーザーの方の利益につながることになるためと理解しています。
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月27日
もっとも、弊社がユーザーの皆様の投稿を無断で使用することにより、気分を害される方も想定されることから、弊社はユーザーの皆様の投稿を広告・取材対応に使用する際には、予め本人の許諾を得るようにしております。
弊社は、Peing-質問箱-をより多くの方々にお楽しみいただけるよう、ユーザーの皆様からのご質問・ご指摘に対して、積極的に対応していく所存です。引き続き、Peing-質問箱-をよろしくお願いいたします。
— Peing-質問箱-(公式) (@Peing_net) 2018年1月27日
※連続する投稿はここで一度止まっています(12:17確認分まで)。最新のツイートは @Peing_net を確認してみてください。
退会方法について
退会方法は次の記事で解説しています。Twitterの連係解除だけでは退会にはならないので、注意が必要です:
「Peing-質問箱-」の類似サービスについて
Peing-質問箱-を退会して完全に質問の受付を辞めるのではなく、別の類似サービスに移行するユーザーも少なくありません。
Peing-質問箱-の代替として利用されることが増えているサービスについては、次の記事にまとめています:
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