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Windows Update「KB5034441」が0x80070643エラーでインストールできない原因について

Windows 10 (255) Windows Update (25)

本日2024年1月10日現在、Windows 10でWindows Updateを行った際に、「KB5034441」のアップデートで「0x80070643」のエラーが発生し、アップデートに失敗してしまう問題の発生が急増しています。

この問題について紹介します。

「KB5034441」のアップデートを適用できない

本日2024年1月10日現在、Windows 10 PCでWindows Updateを行った際に、「KB5034441」のアップデートに失敗する問題の発生するユーザーが増加しています。

このアップデートは、アップデート対象として、次のように表示されます:

2024-01 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5034441)

0x80070643 エラーでアップデートに失敗

失敗時具体的には、「0x80070643」というエラーコードが表示されます。

具体的には、複数のアップデートを同時に行った際の表示として、次のダウンロードエラー表示があります:

状態:ダウンロードエラー - 0x80070643

また、単独のエラー発生として、次のような長めのエラーメッセージが表示される場合もあります:

更新プログラムのインストール中に問題が発生しましたが、後で自動的に再試行されます。この問題が引き続き発生し、Web検索やサポートへの問い合わせを通じて情報を集める必要がある場合は、次のエラーコードが役立つ可能性があります: (0x80070643)
[再試行]

アップデートに関する公式情報

このWindows Update「KB5034441」については、次の公式ページで情報を確認することが可能です。

そこでは、このアップデートの概要が、次のように説明されています:

この更新プログラムは、攻撃者が Windows 回復環境 (WinRE) を使用して BitLocker 暗号化をバイパスできるセキュリティの脆弱性を解決します。
引用元

十分な大きさの回復パーティションがない場合に失敗することがあるとの説明

この脆弱性への対処として、WinREに対する更新を行うようなのですが、「重要」と書かれた見出しの中で、更新プログラムを完了させるのに十分な大きさの回復パーティションがない場合に、更新に失敗してしまう場合があることが案内されています。

0x80070643 が表示される可能性があるとの案内

そしてその際に発生するエラーメッセージは「Windows 回復環境サービスが失敗しました。(CBS_E_INSUFFICIENT_DISK_SPACE)」と紹介されているものの、同時にエラーメッセージがこのエラーメッセージではない、次のエラーメッセージになってしまう場合がある、と説明されています:

0x80070643 - ERROR_INSTALL_FAILURE
引用元

ここで登場するエラーコードが「0x80070643」です。

原因

以上から、現在このエラーコード「0x80070643」がKB5034441について表示されてしまいアップデートに失敗してしまう場合、その原因は、「十分な大きさの回復パーティションがない場合」が該当するものと思われます。

案内されている対策

この問題については、サイズが不足している回復パーティションのサイズを手動に変更する、という対策手順が案内されており、具体的な手順がリンクされています。

このエラーからの回復するには、「パーティションのサイズを手動で変更し、WinRE 更新プログラムをインストールする手順」に従ってください。
引用元

リンク先となっているのは、次のページです。

対策については、このリンク先を参考にしてみてください。

ただしリンク先で紹介されている手順は、管理者権限でコマンドラインを繰り返し実行する手順となっており、手軽に試すことができる手順、とはいいにくいものとなっています。

例えば、手順が入れ子になった箇条書きで説明されていますが、箇条書きの項目単位で数えて20項目もあります。

そのため、確かに対処方法は公式から案内されているものの、そのまま実行するか、ミスが怖いから追加情報や追加の修正を待つ等でもう少し様子を見るか、などの検討が必要になるレベルかと思われます。

「空き容量があるのに0x80070643エラーになる」について

なお、「サイズ不足」ということで、「(Cドライブの)空き容量不足」のように捉え、「空き容量があるのに」と思うケースも少なくないようです。

しかしここで言われているのは「回復パーティション」(のサイズ)のことであり、全体の空き容量のことではなく、「回復パーティション」という特定の場所のサイズことを言っているため、全体に空き容量があったとしても、回復パーティションのサイズが不足する、ということは関係なく発生しうる別の話題(別物)となるため、注意してください。

関連:【Windows】回復パーティションのサイズを確認する方法

例えばこの方法で回復パーティションのサイズを確認してみたところ、ディスク全体は1TBあるのですが、回復パーティション自体は570MBしかない(1GBもない)ことがか確認でき、数値的にも大きく異なるものであることが確認できました。

追記1:PowerShellスクリプトのサンプルが公開

その後、Microsoft社より、新たな記事が公開され、KB5034441が対処していた脆弱性「CVE-2024-20666」に対処する別の方法として、PowerShellを実行する方法が公開され、そのPowerShellスクリプト(のサンプル)が公開されました。

このように、現状も「KB5034441」関連の改善の動きがあるようです。

参考:イベントビューアーでの表示

このエラーでアップデートに失敗した際、次のイベントが記録されており、イベントビューアーにて確認できます。

インストールの失敗: エラー 0x8024200B で次の更新プログラムのインストールに失敗しました: 2024-01 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5034441)。

参考

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