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iPhone版「+メッセージ(プラスメッセージ)」を「連絡先へのアクセス許可」なしで利用する方法/注意点/難しさについて(2018年6月21日)

iPhone (1654) +メッセージ(プラスメッセージ) (20)

本日iPhone/iPad版(iOS版)の「+メッセージ(プラスメッセージ)」が配信開始されました。さっそくダウンロードして使い始めるユーザーが増えています。

そんな中、「電話帳に登録している人全員とつながりたくない」「アドレス帳をアップロードして自動で友だちになるのは嫌だ」と感じ、「電話帳連携(アドレス帳連携)を行わずに使いたい、電話帳をアップロードしたくない」というユーザーも多いようです。

実際今回iPhoneからプラスメッセージアプリをダウンロードして、電話帳へのアクセス許可(連絡先へのアクセス許可)を出さずに利用しようとしてみました。

初期設定(登録)自体は簡単にできたのですが、その後、実際に使おうとしてみるとかなり困ってしまいました

「電話帳連携しないで使えるの?」という疑問に対する答えに相当するこのあたりについて、詳しく説明します。

※なお、今回iPhone版がリリースされて初めて「電話帳へのアクセス許可を出さないで使ってみる」という使い方を試してみただけで、Android版でも同じような状態に陥るのかどうかはまだ試せていません。

iPhone版「+メッセージ」のインストール

iPhone版「+メッセージ」アプリのダウンロード・インストールはAppStoreから行ってください:

関連:iPhone版「+メッセージ(プラスメッセージ)」をダウンロードする方法について(2018年6月21日)

初期設定

画面の表示ないようにしたがって操作していくことで、「+メッセージ(プラスメッセージ)」の登録は完了します。

関連:「+メッセージ(プラスメッセージ)」の使い方(インストール&初回登録編)

連絡先の利用を拒否する

その途中、「アクセス権限の設定」画面で「+メッセージが連絡先へのアクセスを求めています」というポップアップが表示されるので、「許可しない」をタップします。こうすることで、電話帳(アドレス帳)の利用を拒否することが可能です。

アクセス権限の設定
+メッセージをご利用頂くには、
「通知」「連絡先」へのアクセス許可が必要です。
許可しない場合、いくつかの機能がご利用いただけません。

“+メッセージ”が連絡先へのアクセスを求めています
連絡先へのアクセスを許可することで、このアプリ上で連絡先情報を表示し、相手の利用有無を確認することができます。相手の利用有無を確認する際にサーバへ電話番号を暗号化して送信しますが、確認完了時点でサーバからは削除されます。
[許可しない] [OK]

「連絡先」タブは「連絡先へのアクセス権限がありません」表示

そしてその後の設定でも特にエラーなどは発生せず進むことが可能で、最終的に+メッセージの画面に入って「連絡先」タブを開くと、次の通り「アクセス権限がありません」という表示となり、連絡先(LINEで言うところの友だち)は1件も表示されません。これは自動的な友だち追加を防いだ、狙い通りの動作に見えます

連絡先へのアクセス権限がありません。設定から許可をオンにしてください。
[連絡先へのアクセス権限を設定する]

大問題:「+メッセージ上で身動きが取れない・使えない」

こうして、狙い通りになったような気がしつつ、すぐ様子がおかしいことに気が付きました。

例えば、QRコードから連絡先追加(友だち追加)しようとして、「QRコードで追加」機能で+メッセージのQRコードを読み取ってみても、次のエラーが出てしまい、友達追加できませんでした:

確認

連絡先へのアクセス権限がありません
設定から許可をオンにしてください

[OK] [今すぐ設定]

つまり、連絡先のアクセス権限を許可せずに、QRコードから友だち追加することはできないようでした。

また、電話番号を指定して個別に友だち追加出来ないかと、「連絡先」画面の右上にある「+(追加)」ボタンをタップしてみましたが、それでも同じエラーが出てしまい、友だち追加させてくれませんでした:

それでは「メッセージ新規作成」から直接、と思って「新しいメッセージ」画面を開こうとしても、その入り口でまた同じエラーが出現し、こちらも利用不能でした:

連絡先のアクセス権限を許可しないとメッセージ送信を開始できない

つまり、電話帳連携をしないで利用しようとすると、まるで何もさせて貰えない状態で、結果メッセージを送ろうにもどうにもできない状態になってしまったのです。これはLINEとは全く違う手詰まり状態です。

+メッセージアプリ自体は連絡先を保持しない?

このあたり全般の挙動を見ていると、LINEのように、「連絡先から連絡先の一覧を読み込んで、LINE側の友だち一覧へコピーする」という動作をするのではなく、「+メッセージは基本的に連絡先に保存されている一覧を参照(+メッセージ内に表示)するだけで、その実体は連絡先側に保存するので、連絡先なしにはどうにもできない」のではないか、と思われました。

これはだいぶ厳しい制約で、アドレス帳へのアクセス許可を出さずに利用するのは、なかなか難しそうです

回避して連絡する方法も一応発見できたものの…

そんな中、一応メッセージを受信したり、送信したりできるようにする方法を一つ発見しました。

それは、自分のQRコードを、QRコード読み込みできる相手(=その人は連絡先へのアクセス権限の許可を出している)に読み取って友だち追加してもらい、相手から+メッセージを送信してもらうという方法です。

この方法であれば、ちゃんと「+メッセージ」アプリ内の「メッセージ」タブにメッセージが届き、返信することもできました

しかし相手が連絡先に表示されるわけではなく、連絡先が空っぽの状態はそのままで、メッセージ一覧にトークだけが存在する中途半端な状態になってしまいます。

この挙動はぎりぎり使える、という状態で、例えば「家族みんなでの連絡を+メッセージにする」といったとき、「でも家族みんなアドレス帳連携(連絡先へのアクセス権限の許可)を使いたくない」と思うと、誰もQRコード読み込みを使うことができず、困ってしまいます。

まさに、アクセス権限の許可を出したくない人に対してたまたま抜け道が残っていたような状態です。

その他例えば仮に4人家族のうち2人が連絡先へのアクセス権限の許可を出してQRコード読み込みができるようになったとしても連絡先へのアクセス権限の許可を出さなかった残りの2人同士は、+メッセージのやり取りを行うことができません。未検証ですが可能だとすれば、少なくともグループを作ってそこ経由で追加しようと思えば追加できるかな、といった程度で、それまた家族なら良いですが、個別の知り合いとつながりたいと思ったとき、お互いに連絡先のアクセス権限の許可を出していないと+メッセージでのやり取りを開始するのは難しいはずです。

連絡先へのアクセス権限を許可しないとやはり+メッセージの利用は厳しそう、という印象

QRコード以外の友だち追加(QRコードも正確には友達追加できていないわけですが)を行う機能、例えば電話番号を入力してユーザーを検索する機能がリリースされたとしても、この基本的な部分が解決されない限り、やはり連絡先へのアクセス権限の許可を出さずに+メッセージを利用するのはかなり難しく、実際のところ+メッセージを使う上ではほぼ許可が必須の設計になっているように思われます。

補足:LINEとの違い

LINEは、電話帳連携をしない状態であっても、QRコードやふるふる、LINE ID等で友だち追加することが自由にできます。

また、電話帳連携して自動的に友だち追加するときにも、あらかじめ電話帳の名前の頭に「#」の記号を付けておくと、自動友だち追加の対象外にできる、という機能が用意されています。

このあたりの、自動的に友だちになってしまうのが嫌だ、という各種設定が用意されています。

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