情報科学屋さんを目指す人のメモ

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【iOS13変更点】ローマ字キーボードで記号(句読点、!、?)を連続タップ入力できない問題について

iOS (377) iOS 13 (42)

iOS13アップデートでは、キーボード周りに様々な変更が行われました。

それらの変更の中の一つに、「ローマ字(日本語ローマ字)」キーボードを利用している場合に、「句読点」や「感嘆符(!)」「疑問符(?)」などの記号を連続で入力するのが難しくなる変更が含まれています。また、「3点リーダーが入力しなくなった」との声もあります。

これら、「記号を連続で入力するのがやりにくくなった」といわれる原因となった変更点および、その仕様変更の意図として想定されるものなどについて紹介します。

追記:iOS13.2のアップデートにより、今回紹介している挙動が修正された模様です。このキーボードの動作が気になる場合には、iOS13.2へのアップデートを検討してみてください。

iOS13の日本語ローマ字キーボードが記号を入力するごとに元に戻る仕様に変更

「日本語ローマ字」キーボードとは、日本語を「ローマ字入力」で行うキーボードです。

キー配置はパソコンで利用するような英語のキーボード配列(QWERTY配列)で、ローマ字として日本語を入力していきます。

一方、記号類を入力したくなったときは、左下にある「123」と書かれた、数字・記号用キーボードに切り替えるためのボタンをタップして、キーボード表示を切り替えます:

すると、次のようなキーボード配置に切り替わります:

今回iOS13にて、以下の「句点(。)」「読点(、)」「感嘆符(!)」「疑問符(?)」「顔文字(^_^)」の部分をタップして入力すると、その時点で元のアルファベットのキーボードに戻るようになりました:

iOS12の時点では、記号のキーボードのままであったため、これらの記号を連続入力できたのですが、毎回キーボードが元の英語のキーボードに戻ってしまうため、「!!!」や「???」、「。。。」などの記号の連続をよく入力していたユーザーは、連続入力がやりにくくなった、と困ってしまっているようです。

iOS13での変更の意図について考えてみる

この「1回タップしただけで自動的にキーボードが変わる」という仕様に変更されたのがどうしてなのか、について考えてみました。

そこで注目したのは、「キーボードが戻るキー(句読点など)」と「キーボードが戻らないキー(括弧や数字など)」の2種類に分かれている、という点です。

そして、戻るキーはどれも、教科書的には「文末に来る」と考えられる文字です。

このように考えると、iOS13のキーボードは、「『。、!?』を入力したらそれは文末で、その次に入力するのは次の文章の先頭だから、それはつまり文字だろう、キーボードを戻しておいてあげよう」という工夫を取り入れようとした、これがiOS13の挙動の意図なのだと思われます。

しかし実際には、そのような教科書的な句読点の入力ではない記号の使い方、つまりこれらの記号を連打するケースがそれなりに利用されており、その結果、iOS13の挙動を不便に感じたり、入力ミスを誘発されてしまう人が発生し、「使いにくくなった」との声が出ている、と考えられそうです。

英語入力時の挙動の違いについて

なお、「English(Japan)」キーボードでは、「.」「,」「!」「?」を入力しても勝手に切り替わることはありません。

「どうして日本語は戻るのに、英語入力中は戻らないのか」と疑問に思いそうになるのですが、これはおそらく英語では、これらの記号の後、スペースを入れるからであり、実際「.」「(スペース)」の順に押すとキーボードが元に戻るようになっています。

しかしその一方で「スペース単体であればキーボードが戻らない」という工夫が入れられており、「,」や「.」「!」「?」の後にスペースを入れるとキーボードが戻る一方で、スペースの連打はできる、という挙動をするようになっています。

この英語側の挙動はどうやらiOS12のときから導入されており、今回は英語キーボードで採用されていた工夫を日本語キーボードにも取り入れてみた、という変更ととらえることもできそうです。

このとき、英語と日本語での句読点の使われ方の違いについてどのような検討が行われたのかは分かりませんが、もしかすると英語キーボードではこの入力方法の評判が良かったり、活用されているという実績/分析があった上で、日本語に今回導入された、といった背景があるのかもしれません。

タップ数は減るが...

このような工夫の積み重ねにより、文章を打つ中で無駄に切り替えボタンを利用することを避けることが確かに可能になっています。

しかしそれは理想的な順番でタップできたときの「操作数」であり、その操作を行うために必要な「考えることによる脳への負荷」は実は大きくなってしまっている可能性がありそうです。

あまり頭を働かせずにもくもくとタップする方がストレスが小さく、タップ数を減らせる仕組みを利用するために、イレギュラーな挙動に気を使う(連打しようとしたら間違えて「。っz」のように連打してしまうのを避ける、等)ほうがかえってストレスを増やしてしまう、といった状態に陥っているような気がします。

慣れるのを待つか、別のキーボードに乗り換えるか

しかしながら、この挙動になれて普段の入力がすばやく、かつ楽にできるようになりつつ、連打をミスしやすいという状況も緩和された結果、最終的に「やっぱり新しいほうが便利」と気が変わる人も今後増えていくのかも知れません。

ひとまずおそらくこういう意図で作られているのだろう、ということについて今回解説してみたので、そこを考慮した上で、「慣れるのを待つ」か「Apple製以外のキーボードへの乗り換えをしてみるか」など、検討してみてください。

今のところ、どうやらこの挙動を変更する設定は用意されていない模様です。

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