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JアラートをiPhone・Androidスマホで受け取るための参考情報まとめ(アプリはあるの?など)

Android (737) Jアラート (19) SoftBank (109) au (127) docomo (270) iPhone (1732) エリアメール (30) 緊急速報メール (27)

「Jアラートが鳴らなかった」ということが話題になっていますが、そもそも「Jアラートが鳴る」というのが具体的にどういうことなのかの理解が曖昧だったので調べてみました。

「iPhoneやAndroidスマホで使えるJアラートのアプリはないの?」などと気にしている人も多いようだったので、今回は、「iPhoneやAndroidで受け取る」という観点についてまとめてみます。

2017年8月29日、内容を更新しました。

※2017年5月11日、NHKニュースで「政府は格安スマホの所有者に対して、Jアラートの情報を自動的に受信できる専用アプリの活用を呼びかけることにしています」と紹介され、話題となっています。

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前提知識:Jアラートとは

Jアラートは、その名前から「警報(音)」を指しているイメージがされて、「Jアラートが鳴る」のように言われることが多いのですが、正確には「全国瞬時警報システム」という、「システム」の名前です。

そして総務省消防庁は、そのJアラートシステムの概略を以下のように説明しています。

全国瞬時警報システム(Jアラート)とは

弾道ミサイル情報、津波警報、緊急地震速報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を国(内閣官房・気象庁から消防庁を経由)から送信し、市町村防災行政無線(同報系)等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム
http://www.fdma.go.jp/html/intro/form/pdf/kokuminhogo_unyou/kokuminhogo_unyou_main/J-ALERT_gaiyou_h28.pdf

よくある間違いですが、Jアラートは、弾道ミサイルが飛んできたことを伝えること専用のシステムではありません。弾道ミサイル情報・津波情報・緊急地震速報などなど、内閣官房と気象庁から国民に速報したい25種類の情報の伝達に利用されるシステムです。

どちらにしても、受け取る方法を確認しておくことは、身の安全を守るために役に立ちます。

前提知識:Jアラートを受け取る手段

総務省消防庁の同じ資料によれば、住民がJアラートを受け取る手段は、「防災行政無線(屋外スピーカー)」をはじめ、「防災行政無線(戸別受信機)」「ケーブルテレビ・コミュニティFM等」「登録制メール等」「エリアメール・緊急速報メール」などがあります。

前提知識:Jアラートの公式アプリはない

iPhone・Androidスマホ利用者が知っておきたいのは、これら「Jアラート」のシステムが提供する公式な受信手段に、「Jアラート公式アプリ」は無いという点です。

前提知識:エリアメール・緊急速報メールで受信可能

しかし、iPhone・Androidスマホ向けの受信手段が用意されていないわけではありません。

緊急地震速報などで受け取ったことがある人も多い「エリアメール・緊急速報メール」が、Jアラートのシステムに組み込まれており、このメールの受信が、「Jアラートアプリ」のような存在の代わりとなります

※背景:もともと「Jアラート」自体は、国が発令する情報を速やかに地方自治体へ送信した上で、さらに地方自治体の持つ情報配信システムを自動起動する、という一連のシステムであり、携帯電話会社経由で発動するエリアメール・緊急速報メールの仕組み自体は、もともとのJアラートには含まれていませんでした。しかし2014年4月1日より、Jアラートで配信される情報の配信先として、エリアメール・緊急速報メールが追加され、現在ではJアラートの情報をiPhoneやスマホでも、手軽に受け取れるようになった、というわけです(参考:国民保護に関する情報の緊急速報メール配信を開始しました|総務省消防庁(PDF))

エリアメール(docomo)・緊急速報メール(au・SoftBank)は、主に「ETWS」という特別なシステムで配信され、大量の利用者に、より瞬時に配信できるように設計されています。

iPhoneやAndroidスマホ側は、このETWSを受信する機能(または受取用アプリ)を初めから内蔵した状態で販売されているため、わざわざアプリを取る必要がないわけです。

確認項目(1):受け取れる条件(対応機種一覧)

しかし実は、エリアメール・緊急速報メールを、すべてのiPhone・Androidスマホが受信できるわけではないので、対応端末かどうかには注意が必要です(※後半で紹介する「設定の確認」も重要です)。

この点については、総務省のページでも次のように指摘されています。

受信する機能を持たないもの  →  緊急地震速報は受信できません。 引用元

三大キャリア(docomo・au・SoftBank)から購入した場合

docomo・au・SoftBankから発売されたiPhone・Androidスマートフォンの多くは(古い場合は注意)、エリアメール・緊急速報メールに対応しているようです。

実際のところ、具体的な機種が受信可能かどうかは、各端末の発売元に確認することが推奨されています。各社の、2017年現在の最新対応機種情報をリンクしておきます。

その他、格安SIMなどの場合

また、格安SIMの回線(MVNO)であっても、「対応端末であれば」受信できる場合があります(ちゃんと確認すること)。

ただし、SIMフリースマホなど、非対応端末も多いようなので、注意が必要です

格安SIM提供元の、情報は、こちらに一部掲載してみますが、大手三社に比べると、情報が少ないようです。

Priori4、RAIJIN、KIWAMI2、KIWAMI、REI は緊急地震速報(ETWS)に対応しています。 引用元

対応機種(※)
honor 8, ZenFone™ 3, BLADE E01, arrows M03, AQUOS mini SH-M03, P9, P9 lite, honor6 Plus, P8 lite, ZenFone2 Laser, ZenFone Selfie, ZenFone2, ZenFone5, AQUOS SH-RM02, arrows RM02, arrows M02, ARROWS M01, Desire626, Liquid Z330, VAIO Phone Biz, Ascend Mate7
MeMO Pad7, ZenPad8.0, ZenPad10
※2016年10月5日現在。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの取扱い端末と通知方法や警報音が異なる場合があります。 引用元

確認項目(2):設定を確認する方法

また、いくら対応端末であっても、設定がオフになっていると、Jアラート(エリアメール・緊急速報メール)は受け取れないので注意が必要です。

緊急地震速報がうるさかったからと、一度手順を調べて「オフ」にしたままになっていて、Jアラートからの情報が受け取れない状態になってしまっている人も多いようです。

設定の確認方法は、利用端末や回線キャリアによって異なるので、「「緊急地震速報/Jアラート」の受信設定を確認する方法(iPhone・Androidスマホ)」にまとめました。参考にしてください。

よくある質問:非対応端末だった場合の対策は?

非対応端末の場合にJアラートの情報を受け取りたい、という場合は、以下のアプリが利用可能です(ETWSを直接受信するより少し時間差が発生するはずではあるものの、プッシュ通知が受信可能)

※詳細:Jアラートの情報を格安スマホで受け取るアプリって?について

注意点:電源OFFや機内モードなど受け取れない条件

ETWSは、警報発令から高速で受信できるシステムですが、さすがに通信ができない状態では、受信することができません。

例えばスマホの電源がオフ(画面スリープは問題ない)の場合や、圏外・機内モードなどのケースには注意してください。

詳細:iPhone・Androidスマホの「緊急地震速報」は電源を切っていても鳴るの?について

注意点:もしJアラートが鳴ったら

※2017年9月14日、Jアラートで発せられる文言が「頑丈な建物や地下に避難して下さい」から「建物の中、又は地下に避難して下さい」に変更されました。このあたりの変更の背景についても、上のリンク先の内容がヒントになるかと思います。

注意点:国民保護サイレンの音がなるわけではないので注意

Jアラートを受信するために設定したとしても、iPhoneやAndroidスマホから鳴る音は、緊急地震速報と同じ音です。

この点があまり知られていないようなので、あわせて注意してください。

詳細:「Jアラートの音が緊急地震速報と同じだった」問題と注意点(2017年8月29日)

関連:エムネットについて

Jアラートと同時に紹介されることも多い「エムネット」についてさらに知りたい、という場合はこちら:

参考情報

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