【Chrome／Edge】アドレスバーに入力しようとすると勝手に日本語入力がオフになる（半角入力に切り替わる）現象が発生中（Chrome 92アップデート後に発生／2021年9月4日更新）

2021年7月22日現在、リリースされたばかりの最新版Chromeである「Chrome 92」にて、アドレスバー（URLバー、omnibox）をクリックして文字を入力しようとすると、自動的に日本語入力がオフに戻されてしまい、英数字を入力するモードで入力が開始されてしまうため、書き直しや日本語入力をオンにしなければならない、といった問題の発生するユーザーが増加しています。

実際に Chrome 92.0.4515.107 （Windows版）へのアップデート後に、MS IME や Google日本語入力で、日本語入力をオンの状態にした上で新しいタブを開いたり、アドレスバーにフォーカスを合わせてみると、自動的に日本語入力がオフとなり、「A」キーを押すと「あ」が入力されると期待するところが「a」と入力されてしまい、ひらがな入力するにはそれを一度消して改めて日本語入力をオンに戻さなければならない、ということが分かりました（ATOKでは発生しませんでした）。

実はこの、日本語入力の状態が半角英数入力に戻されてしまう、という問題は、把握しているだけでも2019年に１回、2020年に１回と、２年連続で発生していました。

• 2019年6月（Chrome 75）：【Chrome】アドレスバーで半角英数入力に勝手に切り替わってしまう問題について
• 2020年9月（Chrome 85）：【Chrome／Edge】「新しいタブを開くと半角英数になる」「アドレスバーで勝手に半角英数になる」現象について

そして今回のChrome 92アップデートにて、同様の問題が発生するユーザーが再び増加している模様です。

それらのケースでは、そういった挙動が「不具合」として扱われ、その後の修正アップデートにより修正されました。

そのため、おそらく今回も同様に不具合として登録された後、修正が行われ、修正版へのアップデートを行うことで問題が解消されるようになると思われます。

ただし、今のところ新しいこのChrome 92向けの不具合登録は見つけられておらず（すべてが公開されているわけでもない）、いつごろ修正されるかは不明の状態です。 → 不具合登録されたことを確認できたので、続きに追記しました。

修正されるまでの暫定的な対処としては、問題が発生しているChromeおよびEdge以外のブラウザ、例えばFirefoxブラウザを利用する、もしくは、少なくとも手元ではMicrosoft IMEおよびGoogle日本語入力では問題が発生するもののATOKでは問題が発生していないため、ATOKが利用できる場合には、ATOKでの日本語入力も検討してみてください（なかなか利用していないATOKライセンスがある、というユーザーは多くないとは思いますが）。

再度、Chrome（Chromium）公式の不具合登録システムを検索してみたところ、日本語IMEにおける同様の問題に関する登録が追加されていることが確認できました（登録日は7月24日）：

• 1232540 - [User Feedback - Stable] Reports of omnibox text being incorrectly half-width alphanumeric input when using IME for Japanese

なお、台湾でも同様の問題が発生しているとの登録が行われています：

• 1232135 - [User Feedback - Stable] Reports of issues with text input using IMEs from users in Taiwan in Chrome M92

ただしいずれについても現時点で修正に向けた大きな動きがまだない（そもそも不具合の再現ができたとのコメントも行われていない）状況で、原因や修正アップデートの時期などについては分かりませんが、問題解消へ向かって進み始めていることは確認できました（2021年7月25日時点）。

7月24日の不具合登録から11日以上が経ちましたが、問題の再現ができていない（再現に必要な状態がはっきりしていない）状態のようで、8月4日現在、7月30日のコメント以降、問題の再現や修正についてのやり取りは5日以上進捗が特に確認できない状態が続いており、いつごろ修正されるのかについては分からない状態となっています。

8月6日の投稿にて、現象の再現に成功した（問題を手元で発生させる手順が明確になった）ことが報告されていることが確認できました（Comment 16）。

再現手順が判明することは不具合を修正する重要なステップであり、ここから原因の特定や修正が進んで行くものと思われます。

その後、Microsoft Edgeでも同様の問題が発生していることが確認できました（※Chrome同様、手元で確認してみる限り、MS-IMEおよびGoogle日本語入力では発生し、ATOKでは発生しませんでした）。確認したのは本日2021年8月10日ですが、しばらく前のアップデート以降、発生している模様です（当初発生していませんでしたが、その後のアップデートでこの問題を含むバージョンがEdgeにも適用されたものと考えられます）。

なお、前述した以前同様の問題が発生した際も Google Chrome と Microsoft Edge の両方で発生していました。

また、最近発生し影響が大きかった「時刻がずれる不具合（タイムゾーンがおかしくなる不具合）」では、2021年1月20日のChromeのアップデート以降Chromeで発生した後、2月4日頃修正アップデートがChrome向けに配信された後、3月6日頃より同様の問題がMicrosoft Edgeでも発生するという、ChromeからEdgeへと順に問題が発生するということがあり、今回の問題についてもEdgeで同様の問題が発生し影響が広がる可能性は気になっていました。

不具合登録上でのコメントのやりとりが、8月11日のコメント（#23）を最後に１週間（７日間）止まっている状態であり、修正がどの程度進んでいるのか、いつごろ修正版がリリース予定なのか、等については今も判明していません。

ただし「修正しない」といった判断がされたわけではなく、現在も修正が継続している状態（Status: Assigned）なので、もうしばらく修正を待つこととなりそうです。

その後、不具合の修正が行われ、現在2021年8月26日時点にて、Chrome 94へのマージ（修正の取り込み）が行われていることが分かりました（merge-merged-94）。

現在のChrome安定版はChrome 92であり、2バージョン先がChrome 94です。

ChromeのRelease timelineによれば、Chrome 94の安定版（Stable）のリリース予定日は9月21日となっており、この時点で遅くとも9月21日には修正版がリリースされるものと思われます。

そして現在、この修正を次のバージョンであるChrome 93へ取り込む活動が行われています。

Chrome 93の初回リリースには間に合わないかもしれませんが、もし間に合えば、そのリリース予定日は8月31日であるため、最速で8月31日（日本時間というわけではないので注意）で修正されるものと予想できます。

その初回リリースに間に合わなくとも、日本のユーザーへの影響の大きさもあり、かなり優先的に修正の取り込みが進められている様子であるため、Chrome 94のことも加味すると、8月31日から9月21日までの早い時期に修正版アップデートが利用可能になるのではないかと予想されます。

本日2021年9月4日時点のChrome最新版（バージョン 93.0.4577.63）にて確認したところ、問題が発生しない状態になっていることが確認できました。

日本時間9月1日に配信されたChrome 93安定版リリースがこのバージョンのようなので、Chrome 93初回リリースに間に合い、修正が行われた模様です。

現在も同様の問題が発生する、という場合には、Chromeを最新版へアップデートしてみてください。