情報科学屋さんを目指す人のメモ

方法・手順・解説を書き残すブログ。私と同じことを繰り返さずに済むように。

YouTube社営業課Colleenからのメールは本物?

iMessage (6)

2024年4月現在、「iPhoneのご利用者様へ お手数をおかけして申し訳ございません。私はYouTube社、営業課のColleenと申します。」で始まる、YouTube運営からの仕事の紹介のようなメッセージが突然届いた、との報告が急増しています。

「本物なの?」「偽物なの?」「詐欺なの?」「申し込もうと思うんだけど大丈夫?本当にYouTube社からこういう連絡が来ることがあるの?」「YouTube社なんてあるの?」などと、メッセージの真偽について不安に感じたユーザー向けの情報や注意点等を紹介します。

※4月20日現在も継続中です。

「私はYouTube社、営業課のColleenと申します」メッセージ

2024年3月後半頃より、iPhoneユーザーの一部で間で、次のようなメッセージがiMessageで届いた、という報告が急増しています。

iPhoneのご利用者様へ
お手数をおかけして申し訳ございません。私はYouTube社、営業課のColleenと申します
当社では、スマートフォンを使用してご自宅でのお仕事に参加いただける機会を提供しております。その際、1日につき1万円から2万円の報酬をお支払いいたします。詳細についてご興味がございましたら、LINE ID: ****** にご追加いただけますようお願い申し上げます。

差出人が連絡先のリストに存在しません。
[迷惑メッセージを報告]

何かの募集に応募した・登録した、というような記憶が一切ない、というユーザーにも届き、「心当たりがない」「突然届いて不審」のように感じるユーザーが少なくないようです。

この文面は、アルバイトの勧誘を、YouTube社の営業課に所属するColleenさんが行っている、というように読めます。

※今回のメッセージの送信手段「iMessage」は、普段利用しないユーザーが日本では多く、SMS(ショートメール、ショートメッセージ)と同じ「メッセージ」アプリに届くことから「SMSが届いた」「ショートメールが来た」と認識しているユーザーも多くいるようです。

※1行目の文章が「Phone のご利用者様へ」と、先頭の「i」が抜けている場合もあります。

LINEアカウントが多数ある怪しさ

しかし、このメッセージには、多数の「怪しい特徴」があります。

特徴1:LINE IDが多数ある

例えば、送信元は同じ「Colleen(コリーン)」という人名となっているメッセージですが、そこから案内される「LINE ID」は、届いたユーザーごとに様々で、ものすごい数のLINEアカウントが存在しています(複数アカウント状態)。

1通メッセージが届いただけでは気が付けない特徴ですが、この多数のLINEアカウント・LINE IDの存在、というのがまず不可解・怪しい点であり、本物の連絡ではない、偽物だ、と考えられる理由のひとつとなります。

さらに言えば、指示されたLINE IDを入力してLINEユーザーを検索すると、「Colleen」という名前では全くない、日本人の名前のアカウントが表示されます(IDごとに様々な名前の人物が表示されます)。

特徴2:フリーメールから連絡

また、そうした文章の特徴以外にも、送信元のメールアドレスがYouTubeや親会社である「Google」社とは関係のないフリーメールアドレス(icloud.comやhotmail.com、gmx.com等)となっていること、つまり、会社のメールアドレスから送信されていないこと、がまず不可解です。

特徴3:なぜかLINEへ誘導

加えて、そもそもわざわざ特定の他社のプラットフォームである「LINE」へ連絡手段を誘導することも、不審さを感じさせます。

その他、突然メッセージが送られてきた上でアルバイト・副業を紹介してLINEへ誘導するという経路自体が最近増加しており、注意が必要との案内が多く行われているパターンであることなどからも、注意が必要と感じさせられる文章です。

特徴4:「YouTube社」という言い方が怪しい

また、YouTubeの運営会社は現状、YouTube社を買収した「Google社(Google LLC)」として利用規約など様々な箇所に記載されており、「YouTube社」という存在はなかなか案内されません。

そうした点も、怪しさを感じさせます。

特徴5:類似の文章で違う会社名のメッセージが以前から発生

そして今回の文章は、以前より出回っている不審な文章の「改変版」と思われる文章・文章校正であり、こうした文面を本物のYouTube運営が使用するとは考えにくく、この点からも、偽物からのメッセージである、と考えられます。

今回のメッセージの文章に類似した文章は、記載されている社名が「YouTube社」ではない会社名となった状態で、以前より多数出回っています。

そのパターンの文章を見たことがあると、「社名はYouTube社、と変更されているものの、これはまた類似の怪しいメッセージが届いたぞ」と思えます。

対処方法:そのまま信じてしまわないように注意

こうした様々な特徴から、このメッセージを見て「YouTubeからの連絡だ」とすぐに断定してLINEを友だち登録したり、メッセージのやり取りを行うのではなく、よく注意して対応する(無視する、を含め)ようにしてみてください。

また、iPhoneのメッセージでこのメッセージを受信した場合、メッセージの下に「迷惑メッセージを報告」ボタンが表示されるので、そこをタップして「迷惑メッセージ」として報告することも検討してみてください。

追記:その後も継続発生中

このメッセージが出現して以降、1ヶ月が経過しましたが、今なお継続してこのメッセージが届くユーザーが多い状態が続いています:

参考:Google公式フォーラムの関連投稿など

参考:iMessageで届く怪しいメッセージの例

iMessageやRCSチャットなど、従来多かったSMSや電子メール以外で届く迷惑メッセージ・不審なメッセージが最近増加しており、具体的には以下のようなものがあります。

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参考

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